ドライアイスを水に入れるとどうなる?自由研究で試したい3つの実験

公開日: 2022/11/30

スーパーでアイスクリームや冷凍食品、生鮮食品などを買うと、保冷剤として袋に入ったドライアイスをもらうことがあります。みなさんはこのドライアイスを水に入れてみたことはあるでしょうか。実はドライアイスを水に入れると、とても驚く現象が起きるのです。

今回の記事では、ドライアイスを水に入れたときに起こる変化とその理由、小学生の自由研究におすすめの、ドライアイスを使った実験について紹介します。

目次
ドライアイスを水に入れると何が起こる?
水の中からたくさんの白い煙が出てくる
白い煙の正体は?
ドライアイスの「昇華」とは?
ドライアイスを水に入れると白い煙が出るのはなぜ?
自由研究におすすめのドライアイスを使った実験3選
貴重な体験ができるドライアイスで自由研究にもチャレンジしてみよう

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ドライアイスを水に入れると何が起こる?

ドライアイスを水に入れると、あっと驚く現象が起きます。もしドライアイスが手に入ったら、ぜひ試してみましょう。準備するものは、ドライアイスとコップや洗面器に入った水、そして厚手の手袋です。厚手の手袋は必ず用意してください。ドライアイスは素手で触ると凍傷を起こしてしまいます。実際にやってみるときは取り扱いに十分注意しましょう。

水の中からたくさんの白い煙が出てくる

舞台や映画の演出で白い煙がもくもくと出てくるのを見たことないでしょうか?実はこの煙はドライアイスなのです。ドライアイスを水に入れると、白い煙がたくさん出てきます。ドライアイスが溶けきるまで煙が出続けるので、びっくりしてしまうかもしれません。
ものを燃やしたときの煙とは異なる、ほとんど無味 無臭の煙を見かけることがあったら、ドライアイスを水に入れたときの白い煙が用いられている可能性が高いといえるでしょう。

白い煙の正体は?

白い煙の正体は、なんと「水」です。例えて言うと、空に浮かぶ「雲」と同じものだといえます。白い煙は水分ではなく二酸化炭素であると言われることがありますが、それは間違いです。その理由を知るために、ドライアイスが溶けたときの現象について理解しておきましょう。

ドライアイスの「昇華」とは?

ドライアイスは氷と異なり、溶けても液体になりません。固体から気体となって空気中に発散します。固体が液体にならず気体に変わることを「昇華」と呼びます。なお、昇華を「気化」と呼ぶこともあります。
二酸化炭素は無色透明なので、ドライアイスの白い煙とは異なり目に見えません。白い煙は吸っても二酸化炭素のような害はありませんが、白い煙の中に昇華した二酸化炭素が含まれている可能性がありますので、ドライアイスを水に入れる実験のときはしっかりと換気するようにしてください。

ドライアイスを水に入れると白い煙が出るのはなぜ?

ドライアイスの温度は-79℃以下で、非常に低温です。これは、水が氷になりはじめる0℃をずっと下回っています。ドライアイスに水が触れると、水がドライアイスによって瞬間的に冷やされて水滴や氷の粒となり、白い雲のような状態になって見えるといわれています。これは、水ではなく油を使うことで証明できます。常温の油の中にドライアイスを入れても、白い煙は出ないのです。

つまり、白い煙は水からできていることがわかりますね。ただし、白い雲の正体は水滴(液体)なのか氷の粒(固体)なのか、あるいは両方含まれているのか、正確な成分は今でもわかっていません。煙なので気体なのではないかと思われるかもしれませんが、水が気体になったものは無色透明であり、冷やされて細かな水滴になった状態であれば目に見えます。これは具体的には「湯気」です。やかんでお湯を沸かしたときや、お風呂のお湯から立ちのぼる湯気は細かな水滴でできています。

なお、ドライアイスは水に入れずにそのまま置いておくだけでも白い煙が発生します。これは、空気中に含まれる目に見えない水蒸気が急激に冷やされることでできています。ドライアイス自体は水分にならず個体から気体に直接変化するため(これを「昇華」と呼びます)、煙のような状態にはなりません。

自由研究におすすめのドライアイスを使った実験3選

もしドライアイスを手に入れられたら、ぜひ自由研究のテーマとして活用してみるとよいでしょう。今回は、ドライアイスを使ってできる実験を3つ紹介します。

・ドライアイスを気化させてビニール袋を膨らませてみよう

《必要なもの》
・ドライアイス
・ビニール袋(穴の開いていない小さなもの)
・厚手の手袋

《手順》
1. 厚手の手袋をはめて、ドライアイスを手で細かく砕きます。砕いたドライアイスをビニール袋の中に入れて、袋の口をしばり、中の空気が外に出ないようにします。
2. ビニール袋が大きく膨らんだら成功です。ドライアイスは個体から気体に変化する(気化する)ときに体積が750倍に増えることがわかる実験です。

《実験時の注意点》
ドライアイスをそのままさわると凍傷の原因になるので、取り扱うときは必ず手袋をしてください。素手でさわることは絶対にせず(特に、手が水に濡れていると非常に危険です)厚手の手袋を必ず使ってください。また、ドライアイスを砕きにくい場合は、まな板の上にドライアイスを置いて、ドライアイスの上にタオルをかぶせてからかなづちを使って軽く叩くと、砕きやすくなります。
また、実験を終えて袋の中の空気を逃がすときには、しっかりと換気されている場所で行いましょう。袋の中の空気は二酸化炭素なので、多く吸うと危険です。

・ドライアイスの上でシャボン玉をふわふわ浮かせてみよう

《必要なもの》
・ドライアイス
・お湯 100ミリリットル
・食器用中性洗剤 5ミリリットル
・砂糖 5グラム
・プラスチックのストロー 1本
・コップ(お湯が入る大きさ)
・アクリルやガラス製の容器(ドライアイスが入る大きさ)
・スプーン(はしでも代用できます)
・厚手の手袋

《手順》
1. シャボン液をつくります。お湯に砂糖を入れてすべて溶けきるまでスプーンでかき混ぜます。砂糖を入れるとシャボン玉ができやすくなるためです。
2. 食器用中性洗剤を入れて軽く混ぜたらシャボン液の完成です。
3. ストローの先に、5ミリから1センチほどの深さの切り込みを数ヶ所に入れます。切り込みを花のように開いたら完成です。切り込みを入れた部分をシャボン液に浸して、反対から吹いてシャボン玉をつくってみましょう。
4. 厚手の手袋をはめて、ドライアイスを手で細かく砕きます。砕いたドライアイスを容器の中に入れて白い煙がたまってきたら、その上にシャボン玉を吹きかけます。シャボン玉が白い煙の上で浮いていたら成功です。二酸化炭素は空気より重いため、容器の底にたまることがわかる実験です。

《実験時の注意点》
前の実験と同じく、ドライアイスで凍傷にならないように注意しましょう。

・ドライアイスでジュースを冷やしてシャーベットをつくってみよう

《必要なもの》
・ドライアイス(炭酸の入っていないもの)
・ジュース(用意するコップの半分くらい)
・コップ
・スプーン
・厚手の手袋

《手順》
1.ドライアイスを細かく砕きます。目安としては5センチ以下になるとよいでしょう。
2.ジュースをコップに注いで、細かく砕いたドライアイスをスプーンで2、3杯入れます。
3.白い煙が出なくなり、ジュースが固まったらシャーベットの完成です。ドライアイスが-79℃以下と水よりも圧倒的に低い温度であることがわかる実験です。

《実験時の注意点》
完成したシャーベットは市販のものと同様に食べることができます。ドライアイスは小豆くらいの大きさまで小さくなっていれば、口に入ってしまっても凍傷にはなりません。とはいえ、万一の事態を避けるために、白い煙が完全に出なくなっていることを確認するようにしてください。

貴重な体験ができるドライアイスで自由研究にもチャレンジしてみよう

実験でわかるとおり、水に入れると白煙が出たり、水分にならずに気化したりと、とても興味深い現象が見られるドライアイス。ほかの物体ではあまり見られない面白い状態が見られる、とても貴重な素材なのではないでしょうか。ドライアイスは普段の生活ではなかなか扱う機会がありませんので、運よく手に入れることがあったらぜひ科学実験にチャレンジしてみてください。夏の間は保冷剤を使う機会も増えますので、夏休みの自由研究のテーマとしてもぴったりですよ。

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