鉛筆の作り方|自分で作ることはできる?鉛筆の材料や鉛筆ができるまで

公開日: 2022/12/27

鉛筆(えんぴつ)は、昔から親しまれている筆記用具です。鉛筆で書いた文字は、消しゴムで簡単に消すことができるので、文字の練習や絵の下書き(デッサン)、勉強などでよく使われます。

この記事では、鉛筆の種類や、どのように作られているのかを紹介します。

目次
鉛筆は何から作られている?
工場で鉛筆ができるまで
鉛筆の違い
鉛筆を自分で作ることはできる?
鉛筆の正しい持ち方を覚えよう
鉛筆の世界は奥深い!

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鉛筆は何から作られている?

鉛筆は自然素材だけでできた、環境にやさしい筆記用具です。鉛筆の芯と、軸にするための木を組み合わせて作られています。

・鉛筆の芯の材料

鉛筆は、書く部分の芯に黒鉛が使われていることから、鉛筆と呼ばれます。黒鉛は金属の鉛(なまり)ではなく、正式な名前は「石墨(いしずみ)=グラファイト」と呼ばれる黒い鉱物で、炭や石炭と同じ仲間です。

芯の材料になる黒鉛や粘土は、主に外国から輸入されます。粘土と黒鉛を混ぜ合わせる割合によって、鉛筆の芯のかたさや濃さが変わります。

・鉛筆の材料に使われる木

鉛筆を削ると、木くずがでることからわかるように、鉛筆の芯の周りは木でできています。

鉛筆にするのに適している木は、きめがこまやかで節(ふし)がなく、木目がまっすぐな木です。世界中で作られている鉛筆のほとんどがヒノキ科のインセンスシダーという名前の樹木を使っています。

日本の鉛筆会社では、主にカナダやカリフォルニアの山の中に育つインセンスシダーを、加工しやすいように製材所で板状にしてから輸入して使っています。鉛筆の材料にする以上の量の植林を行うことで、木が減りすぎてしまわないように十分に管理して育てられています。

工場で鉛筆ができるまで

工場ではどのように鉛筆を作っているのでしょう。鉛筆ができるまでに、どのような作業をするのか、工程を順番に紹介します。

1.黒鉛と粘土を混ぜて芯の材料を作る
黒鉛と粘土に水を加えて、細かく砕きながら混ぜ合わせます。このとき、黒鉛と粘土を混ぜ合わせる割合によって、できあがりの芯のかたさが変わります。粘土を多く混ぜるほど、できあがりの芯はかたくなります。

2.混ぜた材料を細長くして切りそろえる
混ぜた材料はまだやわらかい状態なので、押しつぶして筒型に整形します。さらに、芯と同じ大きさの穴から押し出すことで、細くて長い芯のもとになります。このままでは長すぎるので、鉛筆と同じ長さにカットして切りそろえます。

3.焼き固めてから冷ます
芯を乾燥させた後に、1000〜1200度の高温の炉(ろ)に入れて焼き固めます。書き心地をよくするために油を染みこませてから、ゆっくり冷ませば芯ができあがります。

4.板に溝をつける
鉛筆の軸になる板に、芯を入れるための溝(みぞ)を掘ります。

5.接着剤をつけて芯を乗せる
溝の中に接着剤を塗ってから、芯を乗せてセットします。

6.2枚の板を貼り合わせる
もう一枚の板をかぶせて、ピッタリと貼り合わせます。

7.削って形を整える
芯と芯の間の木を削って、1本ずつに切り分けます。持ちやすく、転がりにくくするために六角形などに削って整えます。

8.塗装する
鉛筆の周囲に何度も塗料を塗り重ねて、きれいに整えます。

9.マークをプリントして箱に詰める
会社の名前などのマークを印刷してから、1ダース(12本)入りの箱に詰めます。

鉛筆の違い

先に紹介したように、鉛筆の芯にはいろいろなかたさがあります。芯がやわらかくなるほど折れやすく、書く文字は太く濃くなります。芯がかたくなるほど折れにくく、書いた文字は細く色が薄くなります。

・芯のかたさや濃さが違う

鉛筆の芯には、HBや2Bなど、かたさを表す名前がついています。

やわらかい芯にはBlack(黒い)を表す「B」の名前がつき、かたい芯にはHard(かたい)を表す「H」がついています。数字が大きいほどその傾向が強くなります。

市販されている芯をかたい順に並べると、10H、9H、8H、7H、6H、5H、4H、3H、2H、H、F、HB、B、2B、3B、4B、5B、6B、7B、8B、9B、10Bとなります。

かたさのバランスがいい中間の芯は、両方の名前を付けた「HB」で、以前はこれが一般的によく使われていましたが、今は新しくHとHBの間にFirm(しっかりした)という意味を持つ「F」が作られています。

以前は、芯がかたすぎずやわらかすぎない「HB」の鉛筆が最もよく使われていましたが、少しやわらかいほうが力をいれなくても書きやすいことから、今では「B」や「2B」が好まれている傾向があるようです。

・色鉛筆の芯の違い

色鉛筆の芯は、鉛筆とは別の作り方をします。

粘土は使わず、色の元になる顔料や染料をワックスに混ぜ合わせて、固めて作られています。鉛筆の芯に比べると太くてやわらかく、高温の炉で焼くこともないので折れやすいという特徴があります。

色鉛筆はしっかり握って文字を書くより、絵を描くときに使うことが多いので、軸の形が丸くなっています。

鉛筆を自分で作ることはできる?

鉛筆を自分で作ってみることはできるでしょうか。鉛筆の芯を作るのは難しいので、工場で作っているような工程は再現できませんが鉛筆づくりが体験できる、手作り用のキットが市販されています。このキットを利用すれば、オリジナルの鉛筆を自作することができます。
手作りキットの中には鉛筆の軸になる木材、鉛筆の芯(色鉛筆が含まれる場合もあります)、接着剤など、鉛筆づくりに必要な材料がほとんど含まれているので、説明書を読みながら鉛筆作りの工程(「工場で鉛筆ができるまで」のStep5~Step7の作業)を体験することができます。

鉛筆の正しい持ち方を覚えよう

鉛筆の正しい持ち方を知っていますか。親指と中指で鉛筆をはさむようにして、人さし指は上からそっとのせます。鉛筆が横に倒れてしまわないように手のひらは下に向けて、たまごを握るような形にするといいでしょう。

文字を書くときには、鉛筆を正しく持つようにすると、文字や絵が書きやすくなるだけでなく、姿勢も良くなります。鉛筆を使う時には、鉛筆の正しい持ち方ができているか確かめてみましょう。

鉛筆の世界は奥深い!

今回の記事では 、鉛筆の作り方について学びました。鉛筆には、芯のかたさごとにたくさんの種類があり、かたさが違うと書きやすさや書く文字の濃さが変わることが分かりました。今まで使っていた鉛筆とは、違うかたさの鉛筆で文字や絵を描いてみると、その違いがよくわかるでしょう。自分の好きな鉛筆の芯のかたさを探して、書き比べてみるのも面白いかもしれませんよ。

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