君は学びつくすことができるか?ザクを自在にプログラミング・制御が可能な『ZEONIC TECHNICS』

公開日: 2019/12/09

発売日2020年3月で、価格は98,890円(税込)。10月からプレミアムバンダイにて受注がスタートした『ZEONIC TECHNICS』。展示会などにも出展され、話題を呼んでいる。とはいえ、これまでの注目されてきたのは、ザクIIがロボットになり二足歩行が可能である等のハードウェア面がほとんどだ。しかし『ZEONIC TECHNICS』の真髄はザクをロボティクスとともに制御できる点。すなわち、ソフトウェア面にある。そこで、ここでは、ザクを操作するためのアプリについて紹介していこう。

目次
ロボット独特の動き方が理解できる「コントロール」モード
ザクの魅力を引き出す「ポーズメイク」と「モーション」
単純な仕組みながら、じつに奥が深い「プログラミング」モード
直感的に操作ができる“アノ”操作システムも搭載

ザクの操作は、iOS、Android対応の専用アプリで入力する方式で、その基本となるのは「コントロール」「ポーズメイク」「モーションメイク」「プログラム」の4つのモードである。それぞれ、モードを詳しく紹介していこう。

これがザクを操作するためのアプリ。直接、操作に関連しているのは「コントロール」「ポーズメイク」「モーションメイク」「プログラム」の4つのモードだ。

※掲載されているアプリケーションは開発途中のバージョンです。今後、機能や仕様が変更される場合があります。

ロボット独特の動き方が理解できる「コントロール」モード

まずは基本となる「コントロール」モードからチェックしていこう。このモードは、画面に表示されたユニット型のメニューをタップすることで、直接、ザクを操作できるモード。アプリをリモコンにして、ザクを動かすことで、ロボットの動き方/動かし方に慣れることができる。まずは色々な動きをこの「コントロール」モードで試してみることをおすすめする。

「コントロール」モードは、ザクを操作するためのボタン(ユニット)を配置することが出来る。左上にある[パフォーマンスへ移行]を選択すると、配置したボタンを使ってザクを操作可能だ。なお、プリセットメニューも用意されていて、それらのメニューのエディットもできる。

[パフォーマンスへ移行]を実行すると、背景色が変わり、グレーアウトしていた対物センサーやモノアイの操作など起動。ザクにリンクする。

画面をタップすると、ザクをダイレクトに操作できる。たとえば[低速前進]をタップすると……。

ザクが前進をはじめる。身体を左右に揺らしながら、二束で歩く。

[低速前進]から指を離して[前方 右キック]をタップすると、ザクがキックを実行。

セッティング画面。何も配置されていない状態で、ユーザーが自由にユニットをセットできる。

ユニットをセットしたいマスを押すとメニューがポップアップしてくる。メニューには基本的なアクション[AC]やユーザーが独自につくったモーション[MO]などが種類別にプリセットとして用意されてる。

メニューからユニットを選んで登録すると、セッティング画面にユニットが配置。専用の操作パネルセットをつくって自在にザクを操作しよう。

ザクの魅力を引き出す「ポーズメイク」と「モーション」

つぎに紹介するのは「ポーズメイク」と「モーション」の2つのモードだ。「ポーズメイク」は、ザクのポージングを記録するためのモード。ユーザーが独自にポーズをつくり、披露できるというもの。モーション作成にもつながる基本となる工程である。一方の「モーション」は「ポーズメイク」でつくったポーズをザクの動きにつなげるためのモード。「ポーズメイク」でつくったポーズを実際にザクで実行する際、現状のポーズから作成したポーズに移るまでの速度や効果音などを設定することでモーションが完成する。この2つのモードを駆使すれば、ザクにオリジナルの動きをさせることができるのだ。まずは「ポーズメイク」モードを試してみよう。基本は、ザクに組み込まれた、サーボモーターを個別に動かしてポーズをつくる仕組みだが、実際にザクを手動で稼働させ、ポーズをとらせたザクをスキャンしてザクの状態から各サーボモーターの状態を記録するモードも備えている。ただし、スキャンモードは使用方法によって、サーボモーターの破損につながるため、画面の指示にしたがって注意深く使用してもらいたい。

「ポーズメイク」モードの基本画面。スライダーを上下させることで、ザクに組み込まれた各サーボモーターを個別に制御できる。

たとえば、右腕は[肩ピッチ][肩ロール][ひじ]の3項目が用意されている。それぞれを調整して、右腕を狙った位置まで動かす。

スキャンモードを実行すると、モノアイが点滅を開始。この状態で、ザクが手動でゆっくりと可動させることが出来る。複雑なポーズをつくるならスキャンモードが便利。まずは、ザクのポーズをつくり……。

スキャンを実行すると、ザクの状態から、各関節の向きや角度の情報を収集。そのデータが、スライダーに反映される。

ポーズネームをつけて保存すれば、いつでも記録したポーズを再現できる。君だけのオリジナルポーズをつくろう。

ポーズメイクが終わったら、次は「モーション」モードで、記録したポーズに“動き”を加える。通常モーションとは、動きの始点と終点のセットで考えられることが多い。但し、ジオニックテクニクスでは、モーションはその終点のみに着目している。それは、ロボットは状況状況でその時点のポーズは様々であるため、それら全ての「始点-終点」の組み合わせを作ることは不可能である。ゆえにザクがどんなポーズを(始点として)とっていたも、終点に向けて動くように、自動計算をし、中間の動きを補正している。したがってモーションとして設定するのは、選択ポーズに移るまでの時間と効果音のみである。速度を早くすれば、切れ味の良い動きになるが、動きの反動でバランスを崩してといったこともあり、ポーズに合わせて調整が必要だ。また、効果音は動作に合わせて出力することにより、よりイメージが広がる。ザクの動きをより魅力的に見せるのは「モーション」の使い方次第というわけだ。

「モーション」モードの基本画面。この画面で、終点となるポーズを選び、動作速度や効果音などを設定する。モーションチェック用に始点も設定することができる。

まずは、左上の[ホームポーズ]にモーションチェック用に始点のポーズをセットして、右側の上段にある[EMPTY]をタップ。ポップアップメニューから終点となるとらせたい動作後のポーズを選ぶ。

ザクにとらせたい終点のポーズをセットしたら、始点から終点のポーズから動作後のポーズに移行する動作スピードを入力します。1~7の範囲で選択可能で、数字が大きいほど、速度が速くなります。

「モーション」モードでは、効果音の設定もできます。あらかじめ用意された効果音から選び、再生タイミングを設定すれば準備完了。

「モーション」モードで[テスト実行]をタップすると、ザクが動き出し、作成したモーションを披露。効果音つきで動き、ザクらしさを楽しめる。そしてこうして作成したモーションはユニットとして「コントロール」モードや「プログラミング」モードにて使用することが出来る。

単純な仕組みながら、じつに奥が深い「プログラミング」モード

最後に紹介するのが「プログラム」モードだ。このモードは、文字通り、ザクをプログラミングに沿って動かすモードだ。プログラム実行の条件となる[TRIGGER]を設定し、条件に満たした場合と条件を一致しなかった場合で、処理が分岐する方式となっている。ごく単純な仕組みだが、条件設定に関数が使えるなど、中身は本格派。使いこなせるようになれば、ザクをしっかりと自動制御することが出来るようになるだろう。

「プログラム」モードのメイン画面。左側に並ぶ[TRIGGER]項目が、プログラムの起点となり、右側にユニットをセットしてザクを制御する。

TRIGGERをタップすると、設定できる“条件”がポップアップ表示される。内蔵している“対物センサー”や“方位センサー”のほか、タイマーやカウンター(変数)などが利用可能だ。

動作として設定できるのは、基本的な動作[AC]やユーザーがつくったモーション[MO]のほか、効果音(SE)など。ここでは[AC]にある[低速前進]をセットします。

動作として設定できるのは、基本的なアクション[AC]やユーザーがつくったモーション[MO]のほか、効果音[SE]など。ここでは[AC]にある[低速前進]をセットします。

続けて[TRIGGER-2]の条件を設定。こちらには、対物センサーが捉えた物体が5cm以下になった場合を条件として動作をセット。こちらは[右前方 パンチ]をセットします。

これで、対象となる物体が、5cmになるまで前進して、5cm以内まで近づいた場合に、パンチをするといったプログラムの完成です。

本レビュー向けに、ごく簡単なプログラムを作成してみた。前進、後退、右フック、左フックの4つの動作を組み合わせたもので、本アプリのプログラムにすると、わずか4行の短いプログラムだが、プログラムを進行させるための条件付けなど、工夫するべき部分はたくさんある。複雑なプログラムを作成したわけではないが、ザクが、無事、想定通りに動き、無事にプログラムが完了すると、やはりうれしい。もっと高度なプログラムに挑戦してみたいと思わせる楽しさがある。

このレビュー用に、ごく短いプログラムを作成。ザクが前進して、右フックを繰り出し、この後、後退をして左フックを繰り出すといったもの。

プログラムを実行すると背景色が変わり、上段から順番に実行される。実行中の部分が光る仕組みになっていて、ザクの動きと照らし合わせながら、プログラムの動作を確認(デバック)が可能だ。

プログラムに従って前進をするザク。プログラムに従って5秒間、前進を続ける。

[TRIGGER-1]のプログラムが実行され、条件が合致しなくなったため、実行するプログラムが[TRIGGER-2]に移る。条件判定をクリアして[TRIGGER-2]のプログラムが実行。

[TRIGGER-2]にセットされたプログラム通りに、ザクが右フックを振り下ろす。

実行されるプログラムが[TRIGGER-3]に移り、こんどは5秒間、後退をするプログラムを実行する。

パンチした姿勢から戻り、ゆっくりと後退をはじめるザク。5秒間後退すると……。

最後のプログラム[TRIGGER-4]が実行。ザクが、左フックをしてプログラムが終了する。

[TRIGGER-4]のプログラムに従い、後退をやめて左腕を振りかぶるザク。次の瞬間、左腕が振り抜き、フックを決めてプログラムを無事に完了。
また、プログラム画面の下のA~Fに注目してもらいたい。
プログラムモードでは1つのプログラムはA~Fの最大6つのプログラムパネルまで拡張できる。
プログラミングに慣れてきたら、これら6つのパネルを行き来するようなより複雑なプログラムを組むこともできる。

直感的に操作ができる“アノ”操作システムも搭載

『ZEONIC TECHNICS』には、もう1つ特異な制御モードがある。それが「モビルトレース」モードだ。「モビルトレース」は、ロボットが高額的にはマスタースレイブ方式と呼ばれており、操縦者の動きをセンシングしてロボットが動く仕組みである。『ZEONIC TECHNICS』では、スマホやタブレットの角度や動きに応じて、ザクの腕が動くという機能。ちょっぴり未来へ、レディゴー!

手に持った端末(スマホ)の動きをザクの各サーボに直結し、ザクの上半身をコントロールします。ちなみに、処理を両腕にミラーリングすることで、1台の端末から両腕を動かすことも可能だ。

商品詳細

プレミアムバンダイ

「ZEONIC TECHNICS(ジオニックテクニクス)」紹介動画

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