サッカーのポジション丸わかりガイド!名前や役割を図付きで解説

公開日: 2022/06/30

サッカーの試合中、選手たちは激しく動き回ります。誰がどのポジションについていて、どのような役割を担っているのか、事前に知識がない状態で観戦するとすぐにはわからないかもしれません。

この記事では、初心者の方でもサッカーのポジションについて理解できるよう、基本的なポジションの種類とその役割、そして求められる能力について解説します。あわせて、各ポジションの国内外の有名選手もご紹介しますので、チェックしてみてください。

目次
サッカーのポジション一覧、人数と配置
それぞれのポジションの人数と位置は?
ゴールキーパー(GK:Goal Keeper)
ディフェンダー(DF:Defender)
ミッドフィルダー(MF:Midfielder)
守備的MF/ボランチの役割
フォワード(FW)
ポジションを知るとサッカーがもっと楽しくなる!

サッカーのポジション一覧、人数と配置

ポジションは、選手のいる位置や、試合においてそれぞれが求められる役割を表しています。
サッカーのポジションは大きく分けると以下の4つです。

・ゴールを守る「ゴールキーパー」(GK)
・守備を担当する「ディフェンダー」(DF)
・攻撃と守備の両方を担当する「ミッドフィルダー」(MF)
・攻撃をして得点を狙う「フォワード」(FW)

GK以外の選手をまとめて「フィールドプレイヤー」(FP)と呼ぶこともあります。

(図1)

それぞれのポジションの人数と位置は?

サッカーは1チーム11人で戦います。GKは1人と決まっていますが、それ以外のポジションの人数は、戦術や選手の能力のバランスなどによって変わります。

サッカー中継などで「4-4-3」「4-2-3-1」といった数字の列を見かけたことがありませんか? これはフォーメーションと呼ばれるもので、ポジションごとの人数をDF、MF、FWの順に表しています。GKは必ず1人なので数字に含まれません。

例えば「4-3-3」のときは、DFが4人、MFが3人、FWが3人です。

(図2)

「4-2-3-1」のように4つの数字が並ぶ場合、真ん中の2つはどちらもMFの人数を表しています。MFが攻撃側と守備側の前後2列に分かれているときは、このように数字を分けて表します。

たとえば「4-2-3-1」のフォーメーションでは、DFが4人、MFが5人(守備側2人、攻撃側3人)、FWが1人という配置です。

(図3)

フォーメーションによってある程度の配置や役割を決めておくことで、チーム全体で攻撃と守備のバランスを取ることができます。

それでは、それぞれのポジションの選手がどのような役割を担っているのか、どのような能力が求められるのかについて、順に見ていきましょう。

ゴールキーパー(GK:Goal Keeper)

GKはゴールを守る守護神です。FPはスローイン以外で手を使うと反則になってしまいますが、GKは決められた場所(自陣のペナルティーエリア内)で手を使うことができる、唯一のポジションです。

GKの役割

自陣のゴール前で構え、ゴールを守ることがGKの役割です。常に細かく立ち位置(ポジショニング)を変えながら、シュートに備えています。ボールが飛んできたら全身で止めにいきます。

シュートを止めるだけではなく「手を使ってもいいFP」という意識を持ち、味方DFのパス回しに加わったり、前線(相手ゴールに近いところ)にパスを出したりと、FPと同じような役割も担っています。

チームの一番後方にいてピッチ全体が見えるため、味方に適切なコーチングをすることも求められます。どこが危ないか、どこを守るべきかを伝えたり、ミスした仲間を励ましたりと声がけをするのもGKの大切な役割です。

GKに求められる能力

相手の攻撃を防ぐためには、正確なセービング能力(ボールを止めたりキャッチしたりする力)やシュートに素早く反応する瞬発力、高い運動能力が欠かせません。足元の技術や戦術の理解力も必要となります 。
体を投げ出してボールを止める勇気や、チームを鼓舞するリーダーシップ能力、そして強いメンタルを持ち、皆に背中を見せて戦うことができる選手がGKに向いているといえます。

GKの代表的な選手

<海外>
マヌエル・ノイアー(ドイツ)
ジャンルイジ・ブッフォン(イタリア)
ティボー・クルトワ(ベルギー)など

<国内>
権田修一
川島永嗣
川口能活
楢崎正剛など

ディフェンダー(DF:Defender)

主に守備を担当するポジションで、ディフェンス、バックと呼ばれることもあります。FPの中で一番後ろにいて、ゴールを守る、相手のボールを奪うといった役割を担います。
ボールを奪ったあとは、しっかりと味方にパスをつなぐなど、攻撃の起点となるプレーも求められます。

DFの中で、真ん中のポジションをセンターバック(CB:Center Back)、右左両サイドのポジションをサイドバック(SB:Side Back)と呼びます。
同じDFでも、CBとSBでは役割や求められる能力は少し変わります。それぞれどのような違いがあるのか見ていきましょう。

(図4)

CBの役割

CBは自陣のゴール前に位置します。相手のドリブルやシュートを止めたり、ボールをクリア(キックやヘディングで自陣ゴール前からできるだけボールを遠ざける)したりする、守備の要です。

相手の選手が何をしようとしているか、どこに危険がひそんでいるかなどを予測して、味方選手と協力して守ります。オフサイドトラップ(相手選手を意図的にオフサイドにすること)を仕掛けることも、CBの重要な役割です。

CBに求められる能力

ミスをしたり、1対1で負けたりすると、直接、失点につながりやすい責任の大きなポジションであるCBは、フィジカルの強さやプレーの読みの鋭さ、適切なポジショニングを取ることのできる判断能力が求められます。
ロングボールも飛んでくるため、ヘディングの競り合いの強さも備えているのが理想です。
また、ボールを奪ったあとに攻撃につなげられるように、パスの精度の高さも必要です。強さと共に、責任感や冷静さ、我慢強さなどが求められるポジションです。

CBの代表的な選手

<海外>
ファビオ・カンナヴァーロ(イタリア)
ファン・ダイク(オランダ)
セルヒオ・ラモス(スペイン)
アレッサンドロ・ネスタ(イタリア)など

<国内>
吉田麻也
中澤佑二
宮本恒靖など

SBの役割

守備のときには、SBはCBや同じサイドのMFと協力して、相手チームの攻撃を防ぎます。自分のマークも気にしながら、味方のカバーリング(味方が抜かれたときに対応するプレー)についても常に考えています。
あくまでDFなので守備の役割がメインですが、状況に応じてサイドを駆け上がって(オーバーラップをして)攻撃に参加することもあります。ゴール付近にいる味方FWにクロスを上げてゴールのチャンスを作ることも、SBの重要な役割です。

SBに求められる能力

SBは、相手選手と1対1で戦う場面で抜かれないための守備能力が欠かせません。

攻守共にサイドを動き回るので、何度もダッシュができるスタミナはSBの必須条件です。
攻め上がるタイミングを見極める戦術眼や、質の高いクロスを上げるキックの技術も必要です。

チームのために献身的に動ける選手が向いているポジションといえます。

SBの代表的な選手

<海外>
リュカ・エルナンデス(フランス)
マルセロ(ブラジル)
ダニエル・カルバハル(スペイン)
ジョルディ・アルバ(スペイン) 
ヨシュア・キミッヒ(ドイツ)など

<国内>
長友佑都
内田篤人など

ミッドフィルダー(MF:Midfielder)

DFとFWの間にいて、守備と攻撃の両方を担当するポジションです。ハーフ(Half)、中盤と呼ばれることもあります。

攻守共にボールに関わることが多いため、臨機応変なプレーとバランス感覚が必要になります。

MFの中で、真ん中のポジションをセントラルミッドフィルダー(CMF:Central Midfielder)またはセンターハーフ(CH;Center Half)、左右のサイドのポジションをサイドミッドフィルダー(SMF:Side Midfielder)またはサイドハーフ(SH:Side Haif)と呼びます。

CHの中でも特に、攻撃の役割が多いポジションを攻撃的ミッドフィルダー(OMF:Offensive Midfielder)やトップ下、守備の役割が多いポジションを守備的ミッドフィルダー(DMF:Diffensive Midfielder)またはボランチと呼ぶこともあります。

日本では、サイドハーフ、トップ下、ボランチという呼び方が一般的です。

(図5)

攻撃的MF/トップ下の役割

MFの中でも特に攻撃に多く関わるポジションです。味方の得点チャンスを作ることと、自ら得点を狙っていくプレーの両方が求められます。
味方の選手と協力するか自力で場面を打開するのかを瞬時に判断し、攻撃を組み立てる司令塔といえます。
FWに絶妙なパスを出したり、ドリブルで相手を抜いたり、シュートを打ったりしつつ、相手にボールを奪われたあとは瞬時に切り替え、相手の攻撃をできるだけ早く止められるように動きます。

攻撃的MF/トップ下に求められる能力

攻撃的MF/トップ下がいるのは、ピッチの中でも人が密集しやすい場所です。そのため、狭いスペースでボールを操ることのできる高い技術力と、一瞬で相手の隙を突くスピードや敏捷性、相手が予測できないような創造性の豊かなプレーが求められます。
強いプレッシャーを受けながらも冷静に周りを見渡せる、観察眼も欠かせません。

攻撃的MF/トップ下の代表的な選手

<海外>
ルカ・モドリッチ(クロアチア)
ファン・ロマン・リケルメ(アルゼンチン)
メスト・エジル(ドイツ)
ケヴィン・デ・ブライネ(ベルギー)など

<国内>
本田圭佑
中村俊輔
遠藤保仁
香川真司など

守備的MF/ボランチの役割

攻撃と守備のつなぎ役であり、試合の流れをコントロールする舵取り役でもあります。
攻撃のときには、DFから受けたボールを前線やサイドの選手に出します。今は急いで攻めるべきか、それとも落ち着けるべきかを瞬時に判断し、試合の流れをコントロールします。
守備のときには、相手の攻撃の鍵となる選手を抑えるという重要な役割があります。

守備的MF/ボランチに求められる能力

360度どこからでも相手のプレッシャーを受けるため、ボールを扱う高い技術力と幅広い視野が求められます。パスを受けたり、相手のパスコースを限定したりするための予測能力と適切なポジショニングも欠かせません。
MFの中では守備の役割を担う機会も多いため、守備能力の高さも持ち合わせている必要があります。

守備的MF/ボランチの代表的な選手

<海外>
エンゴロ・カンテ(フランス)
カゼミーロ(ブラジル)
アンドレア・ピルロ(イタリア)
トニ・クロース(ドイツ)
セルヒオ・ブスケツ(スペイン)など

<国内>
福西崇史
遠藤航
長谷部誠
小野伸二など

SHの役割

ピッチのサイドを上下に駆け回り、ドリブルで相手陣地に入っていったり、クロスを上げたりして、ゴールチャンスを作る役割があります。SHの前には比較的スペースがあるため、スピードを活かしたプレーが多く見られます。
基本的にはタッチライン(ゴールがない辺に書かれる、長い線)付近にいますが、内側に切り込んで相手DFを迷わせるプレーもします。
守備のときには素早く切り替えて、同じサイドのSBやボランチと協力して守ります。

SHに求められる能力

攻守にわたってサイドを駆け回るため、豊富な運動量は欠かせません。 1対1で相手を抜くことができるスピードやドリブルの突破力も求められます。自ら積極的に仕掛けたり、ここぞという場面で前に飛び出したりすることができる、推進力のある選手が向いています。

SHの代表的な選手

<海外>
ディ・マリア(アルゼンチン)
エデン・アザール(ベルギー)など

<国内>
乾貴士
原口元気
松井大輔など

フォワード(FW)

チームの中で一番相手ゴールに近いところにいて、点を取る役割があります。別名はトップ、ストライカーです。

FWが3人いるときは、真ん中の選手をセンターフォワード(CFW:Center Forward)、両サイドの選手をウイング(WG:Wing)とも呼びます。

サッカー解説で「オフェンスの選手」という言葉が出てきたときは、FWやトップ下の、攻撃側の選手を指していると覚えておくとよいでしょう。

(図6)

CFの役割

なによりもまずゴールを決めることを求められる役割です。そのために積極的にシュートを狙ったり、味方からのクロスやシュートのこぼれ球にも素早く反応したりしながら、得点のチャンスを増やします。

前線でボールを保持して攻撃の起点を作る、ポストと呼ばれるプレーを行ったり、相手のDFがボールを持っているときに前線から守備をして、パスを出せる場所を限定したりといった役割もあります。

CFに求められる能力

積極的にシュートを狙いにいく姿勢や、正確でバリエーションのあるシュートセンス、相手選手との駆け引き能力の高さが必要です。
激しい競り合いに打ち勝ってシュートを狙える、フィジカルの強さも必要です。
相手DFが嫌がるプレーができる、良い意味でのずる賢さやゴールへの貪欲さを持ち合わせている選手が向いています。

CFの代表的な選手

<海外>
ロベルト・レヴァンドフスキ(ポーランド)
アンドリー・シェフチェンコ(ウクライナ)
クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)など

<国内>
大迫勇也
三浦知良
大久保嘉人 など

WGの役割

ドリブルでサイドを突破してCFの選手にクロスを上げたり、自分でゴールを狙いにいったりします。高いテクニックやオフザボール(ボールを持っていないとき)の動き出しで得点のチャンスを作り出します。
相手DFを引き付けて味方のスペースを作る、おとりのプレーも行います。
守備のときには、CFと同じように、相手DFのパスコースを限定する役割があります。

WGに求められる能力

ドリブルやキックの能力の高さと、スピードが必要です。たった1人でもボールを前に運び、チャンスを生み出す能力が求められます。
失敗しても何度でも挑戦するチャレンジ精神や、相手DFの裏をとるクリエイティブさが欠かせないポジションでもあります。

WGの代表的な選手

<海外>
リオネル・メッシ(アルゼンチン)
ネイマール(ブラジル)
アリエン・ロッベン(オランダ)など

<国内>
南野拓実
伊東純也
浅野拓磨など

ポジションを知るとサッカーがもっと楽しくなる!

ここまでサッカーのポジションや、ポジションごとの役割などを解説してきました。
選手によって得意なプレーはさまざまです。ドリブルが上手い選手もいれば、守備が強い選手もいます。大切なのは自分の特徴をできるだけ活かせるポジションでプレーをすることです。

また、サッカーの魅力の1つは「自由さ」です。試合によっては、DFの選手が点を取ったり、FWの選手が自陣ゴール前まで下がって守備をしたりといった場面も見られます。

ポジションごとの基本的な役割分担を知っておくと、その枠を飛び越えたプレーに出会ったときの驚きも増すことでしょう。ここで紹介したポイントを頭に入れた上で、創造性豊かなプレーの数々を楽しんでください。

この記事をいいねと思ったらクリック!

33ワンダー