「スクラッチ3.0」とは?前バージョンからの変更点と基本の遊び方

公開日: 2019/03/29

2020年度より、小学校でもプログラミング言語が必須科目になることが注目されています。文部科学省の解説によると、複雑なプログラミング言語を覚えさせるというのではなく、論理的な思考を身に着けさせるためのカリキュラムになるそうです。 いずれにせよ、はやくからお子さんをプログラミングに慣れさせておくのは将来的に見ても大事なことだといえるでしょう。そこで今回は、子供向けプログラミング言語として最も注目されている「スクラッチ(Scratch)」についてご紹介します。

目次
子供向けプログラミング言語「スクラッチ(Scratch)」とは
最新バージョン「スクラッチ3.0」の変更点
子供向けプログラミング言語「スクラッチ」の遊び方
「スクラッチ3.0」で遊ばせるときの注意点
無料で楽しめる「スクラッチ」をまずはやってみよう!

子供向けプログラミング言語「スクラッチ(Scratch)」とは

プログラミングというと、なにやらパソコンを使って難しいことをするイメージがある方も多いかもしれません。しかし、プログラミング言語といっても千差万別。もちろん、中には複雑なプログラミング言語も存在しますが、「スクラッチ」のように子供向けに開発されたシンプルなものも存在します。今後は全国の小学校でも必須科目になるため、はやくから家庭で慣れさせておくことにした親御さんも少なくありません。なかにはプログラミング塾のようなスクールで学ばせている家庭もありますが、多少パソコンについての知識があれば、家庭でも簡単に学ぶことができます。ここでは、「スクラッチ」についての基礎情報から、最新バージョンである「スクラッチ3.0」の変更点を見ていきましょう。 「スクラッチ」は、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボのライフロング・キンダーガーテングループにより開発されたプログラミング言語です。8歳から16歳の子供たち向けに開発されており、簡略版の「ScratchJr」(5歳〜7歳向け)というものもあります。子ども向けというと「子供だましのようなもの」と思われる方もいるかもしれませんが、「スクラッチ」は、博物館・美術館・図書館などでも活用されており、教育者の間でも積極的に活用されている非常に優れたプログラミング言語です。無料で使うことができるほか、日本語にも対応しているので、英語ができなくても使えるのがポイントです。ちなみに「ひらがな」表示にも対応しているので、まだ漢字を習っていないお子さんでも安心して使えます。 後ほど詳しく紹介していきますが、利用するための登録や、ソフトウェアのインストールをしなくてもすぐに使えるのが便利なポイントで、プログラミングを試してみたい方にはピッタリの言語だといえるでしょう。

最新バージョン「スクラッチ3.0」の変更点

2019年1月に新しいバージョンとして「スクラッチ3.0」がリリースされました。代表的な変更点についてポイントを3つ紹介します。

1. デザインの変更

「スクラッチ3.0」のアップデートによって、これまでのデザインが一新され、よりポップなフラットデザインになりました。さらに画面レイアウトに関しても、コードが左、実行画面が右になるのでドラッグ&ドロップなどの操作も直感的にできるようになりました。色合いなども鮮やかになったので、子供たちにも親しみやすくなっているのがうれしいポイントです。

2. タブレット端末で操作ができるように

「スクラッチ3.0」は、引き続きウェブブラウザで利用することができるのですが、今回のアップデートによりタブレット端末でも利用できるようになりました。最近では、家にパソコンはないけれどタブレット端末はあるという家庭も多くなっているので、「スクラッチ3.0」からより便利になったと言えるでしょう。ちなみに、タブレット端末では画面が小さいことや、右クリックでのメニュー参照ができなかったりするなどのマイナス面もありますが、簡単なプログラミングでは問題なく操作できます。

3. 新機能が追加

「スクラッチ3.0」のアップデートにより追加された機能のひとつがTranslate(翻訳)です。さまざまな言語に対応しているので、より幅広いプログラミングを可能にしてくれます。さらに、「micro:bit」といわれる小さなコンピューターへの外部連携もできるようになったので、LEDを光らせるプログラムや、タイヤを装着した無線操縦で動く車のおもちゃなども作ることができるようになりました。

「スクラッチ3.0」の変更で注意するポイント

今回さまざまな変更点がありますが、注意しなければいけないのが利用できるブラウザが変更になったことです。具体的にはInternet Explorerが非対応になり、Chrome(63以上)、Microsoft Edge(15以上)、Firefox(57以上)、Safari(11以上)が対応するブラウザです。ちなみにタブレット端末で対応しているのは、モバイル用Chrome(62以上)とモバイル用Safari(11以上)です。

子供向けプログラミング言語「スクラッチ」の遊び方

新しくアップデートされ、より使いやすくなった「スクラッチ3.0」ですが、具体的にどのように利用することができるのでしょうか?分かりやすく紹介していきます。

「スクラッチ3.0」の遊び方

「スクラッチ3.0」には、オンライン版とオフライン版があります。オフライン版はパソコンにインストールして使用するので、インターネット接続できない環境でも利用することができます。オフライン版「スクラッチ3.0」で遊ぶためには、まずはhttps://scratch.mit.edu/downloadにアクセスをして、ダウンロードをします。ダウンロードしたソフトウェアをインストールして起動すれば、すぐに利用できます。オンライン版は「スクラッチ」公式サイトhttps://scratch.mit.eduまでアクセスし、「作ってみよう」をクリックします。(※「Scratch.mit.eduが次の許可を求めています」というメッセージが出る場合は、許可することですぐに使用できます)オフライン版でもオンライン版でも、比較的簡単に始めることができるのが「スクラッチ3.0」の最大の魅力です。

「スクラッチ3.0」の基本的な操作方法

「スクラッチ3.0」を操作する際にまず覚えておきたいのは、以下の5つの専門用語です。・スプライト・背景・タブ・ブロック・スクリプトエリアまずは「スプライト」ですが、これは画面に出ている猫キャラクターのことです。ほかにもさまざまなキャラクターが選べるようになっているので、好みに合わせて変更することができます。「背景」は、背景画面のことですが、初期設定では白い背景になっています。これもカテゴリーやテーマなどで自由に選べるようになっています。「タブ」は、「スクリプト」「コスチューム」「音」という3つの要素から構成されています。「スクリプト」は、プログラムを編集する機能で、「コスチューム」は画像を編集、「音」は文字通り音を編集したり、追加したりする機能です。「ブロック」は、プログラムを組み立てる際に使用します。例えば「歩く」「考える」「言う」などのブロックがあり、それらをつなげていくことでさまざまな指示を「スプライト」へ送ることができます。「スクリプトエリア」は、ブロックを組み立てる際に利用するエリアになります。ブロックをドラッグ&ドロップすることでプログラミングができます。

「スクラッチ3.0」でできること

「スクラッチ3.0」では、簡単なゲームを作成してそれをシェアしたり、ブロックやセンサーを使用すれば、オリジナルロボットを組み立てて、タブレットなどで操作したりすることも可能です。さらに、スクラッチ3.0で子供の興味を伸ばし、別のプログラミング言語を学ぶことで、さらに複雑なプログラムも学べるようになります。さらに、「スクラッチ」のアカウントを作成することで、他の人の作品を閲覧したりゲームで遊んだりすることもできます。日本だけでなく、世界中のユーザーの作品を簡単に検索・閲覧することができるので、いろいろな刺激を受けられます。

「スクラッチ3.0」でできないこと

非常に使いやすく便利な「スクラッチ3.0」なのですが、できないこともあります。例えばiPhoneやAndroidなどで動くアプリを作成することはできません。基本的に「スクラッチ」で作成したゲームなどは、「スクラッチ」の中でしか動かすことができないので注意が必要です。しかし、「スクラッチ」でプログラミングに興味が湧いて、Java や Objective-Cなどの別のプログラミング言語を習得すれば、スマホアプリやゲーム機で動くようなソフトウェアを開発することもできるようになります。

「スクラッチ3.0」で遊ばせるときの注意点

これは「スクラッチ3.0」に限ったことではありませんが、長時間パソコンやタブレット端末の画面を見るのは視力低下につながると言われています。特に子供は夢中になると、画面に近づいた姿勢のまま長時間遊ぶことがあります。同じ姿勢で長時間遊んでいると、頸椎(けいつい)や腰椎(ようつい)などに負担をかけてしまい、頭痛、肩こり、集中力低下、めまい、不眠や抑うつ状態などが表れることも。「スクラッチ3.0」で遊ばせるときには、正しい姿勢で制限時間などを設けてあげるとよいでしょう。

無料で楽しめる「スクラッチ」をまずはやってみよう!

プログラミングというと難しい印象がありますが、「スクラッチ」は子供でも簡単に遊べる画期的なプログラミング言語です。特にアップデートされた「スクラッチ3.0」では、タブレット端末でも気軽に利用できるのでより便利に遊べます。誰もがプログラミング言語を扱う時代に備え、まずは無料で楽しめる「スクラッチ」をはじめさせてみましょう!

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