マイクラでプログラミングを学ぼう!始め方をわかりやすく解説
公開日: 2020/01/15
マインクラフト(Minecraft)というゲームの名前を聞いたことがありますか?「そういえばうちの子どもが勉強もしないで、夢中になっているゲームだわ!」なんて思ったお母さんたちがいるかもしれません。マインクラフトは今、大人にも子どもにも世界中で大人気のゲームです。そして、これは単なる娯楽としてだけではなく、2020年から小学校で必須化されるプログラミング教育の教材としても注目を浴びています。そこで、今回はマインクラフトについて詳しく解説していきます。
マイクラ(マインクラフト)とは?
(1)概要
マインクラフトとは、スウェーデンのMojang ABという会社が開発した、サンドボックスゲームと呼ばれるゲームです。サンドボックスとは、オープンワールドとも呼ばれるゲームのジャンルのことで、これには、従来のゲームに存在していた、ゲーム進行のために必要なタスクやクエスト、攻略手順に則った進行が一切存在せず、プレイヤーがゲームの中で自分なりに目的や目標を決めて遊ぶように設計されています。プレイヤーは、「ワールド」と呼ばれるゲーム世界を自由に動き回って探索したり、自由にブロックを配置して好きな構造物を建築したりすることができます。マインクラフトの売上は、2019年5月時点でテトリスを抜き、現在、世界中の人々が楽しんでいます。
(2)注目される理由
マインクラフトの、その自由度と創造性の豊かさはとても魅力的です。通常のゲームのように、得点を争ったり、事件制限でのゲームクリアが必要だったりすることもなく、自分が好きなようにものを作ったり、体験したりできるのです。また、マインクラフトはネットワーク上で繋がっている多くのプレイヤーと一緒に遊ぶことができ、さらにパソコン版では世界中のプレイヤーが「C」と呼ばれる追加プログラムが配布され、マインクラフトを進化させています。また、自分の作ったワールドをYouTubeにアップして、他のプレイヤーと共有して楽しんでいる人も沢山います。
(3)学べるスキル
マインクラフトには、敵と戦いながら世界を生き抜いていく「サバイバルモード」と、自分の好きなように構造物を作ることに特化した「クリエイティブモード」の2つのモードがあります。どちらのモードを選択しても、プレイヤーは自分なりの目的をもって、自分で決めた目標を達成するための試行錯誤を繰り返すことになります。ゲームをする中で、目標達成までの道筋をたてる「論理的思考力」、行動に伴う結果を想像する「想像力」、立体的な構造物を築きあげる「空間認知能力」、課題にぶつかった際の「課題解決力」が自然と身についていくのです。
マイクラでプログラミングを学ぶ方法
それではマインクラフトでは、どのようにプログラムを学習できるのかみていきましょう。マインクラフトはPS4、Nintendo Switchなどの家庭用ゲーム機やスマートフォンのアプリなどでも遊べますが、パソコン版でのみ、プログラミングを可能とする追加プログラムを利用できます。例えば、マイクロソフト社が提供する「Code Connection for Minecraft」という追加プログラムがあります。それをパソコンにインストールすると、「MakeCode」と呼ばれるプログラミングを記述できる画面に接続可能になり、マイクラの世界でのプログラミングが可能になります。MakeCodeを起動すると、ワールドの中に「エージェント」と呼ばれる特殊なキャラクターが出現します。このキャラクターは本来のマイクラの世界には存在しないキャラクターで、「プログラミングでのみ動く」という特性を持っています。通常のプログラミングの場合、文字が羅列されたプログラミング言語を理解しなければならず、初心者にはハードルが高くなりますが、マインクラフトでは、MakeCodeを利用することで、種類や役割によって色分けされたブロックを使ったプログラミングができるようになります。色分けされたブロックを使用することで、見た目に理解しやすく、本来難しいはずのプログラミングのハードルがぐっとさがります。これによって、小学生でもプログラミングを楽しめるのです。
マインクラフトの始め方
マインクラフトでプログラミングを学ぶための具体的な手順をみていきましょう。
(1)必要なもの
必要なものはパソコンとネットワーク環境です。あらかじめ、「Minecraft for Windows10」をインストールする必要があります。Java版(PC版)ではないのでご注意ください。
(2)セットアップ方法
①パソコンにMinecraft for Windows10をインストール後、Code Connect for Minecraftを検索してアプリを入手し、インストールしてみましょう。Minecraft for Windows10とCode Connectが組み合わさることで、プログラミングができるようになります。②インストールが完了したら、次に、プログラミング用のワールドを作りましょう。ワールドを作る際は、「チートの実行」を必ず有効にしておいてください。チートとは、ゲームの内容や設定をプレイヤーが自由に変更する行為のことです。チートを有効にしておかないと、チャットウィンドウが起動しないため、Code Connectに接続できません。③まずマインクラフトを先に起動します。スタートボタンからCode Connection→Code Connect for Minecraftをクリックすると、「Code Connection画面」が表示されます。この画面にMakeCodeに接続するためのコマンドが表示されるのでコピーしましょう。④次に、マインクラフトの画面を表示して、Tを押し、チャットウィンドウを開きます。先ほどコピーしたコマンドをペーストしてサーバーに接続し、画面に表示された「MakeCode」をクリックします。⑤MakeCodeが起動したら、役割ごとに色分けされているブロックを使って、プログラミングしていきます。なお、プログラミングはマインクラフトとMakeCodeの画面を交互に切り替えながら行います。作ったプログラムはクラウド上の「マイプロジェクト」に自動保存されますので、インターネットには常に接続しておいてください。
(3)基本の遊び方
マインクラフトには「クリエイティブモード」と「サバイバルモード」の2つのモードがあることは説明しましたね。クリエイティブモードでは、ブロックやアイテムを自由に生み出し、使え、建築を思う存分楽しむことができます。キャラクターは空間を移動でき、死ぬこともありません。一方、サバイバルモードは、生き残りをかけて冒険を楽しむものです。ゲームの中で使用するアイテムは自分で集めなくてはならず、食べ物を準備したり、モンスターと戦ったり、安全な場所を確保する必要もあります。マインクラフトのワールドでは、様々なものがブロックで構成されており、プレイヤーはブロックやアイテムを使って、自由にモノをクラフトしていきます。どのようなワールドを作るかは、プレイヤー次第。それぞれのモードに楽しみがあり、目的や好みで選んで楽しめます。
プログラミングで広がる世界
マインクラフトの世界でプログラミングが可能になると、目的のためにエージェント(キャラクター)にどういった動きをさせたいかを考えなくてはなりません。作業効率化の発想が生まれ、これは、現実の世界でプログラムが利用されている場面と非常に近い疑似体験となります。エージェントにアイテムを集めさせたいのか、それとも農地を作らせたいのか、目的を達成するためにはどんな手順で命令を組み立てていく必要があるのかを具体的に考えなくてはなりません。その試行錯誤は、レベルの差こそあれ、実際のプログラマーが行うものと同じものです。マインクラフトの世界でプログラミングの魅力を知れば、その先に広がる現実世界でのプログラミングの無限の可能性に気づくでしょう。
<参考サイト>https://dekiru.net/category/series/cat/