太陽系の遠く離れた場所にある冥王星(めいおうせい)。かつては太陽系の9番目の惑星とされていましたが、現在は「準惑星(じゅんわくせい)」に分類されています。
この記事では、冥王星の大きさや環境といった基本データから、探査機(たんさき)による観測結果、惑星(わくせい)から外された理由までわかりやすく紹介します。
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冥王星の特徴1:表面の様子と温度
冥王星(めいおうせい)は、太陽系の外側にある小さな天体です。太陽からとても遠いため、地球とは大きく違う環境を持っています。表面はとても冷たく、氷のような物質におおわれた世界です。
月よりも小さなサイズと内部構造
冥王星の直径は約2,370kmです。月よりも小さく、地球の直径と比べてもかなり小さな天体です。質量(しつりょう)も地球よりずっと少ないため、重力も弱くなります。
冥王星は、岩石と氷が混ざってできていると考えられています。内部には岩石の中心部分があり、そのまわりを冷たい氷の層が包んでいるとみられています。さらに、地下に液体の海が残っている可能性も研究されています。ただし、まだはっきり確認されたわけではありません。
マイナス230℃ほどの極寒の世界と薄い大気
冥王星の表面温度は、およそマイナス220〜240℃と考えられています。水はもちろん、多くの物質が凍りつくような極寒(ごっかん)の世界です。太陽から届く光や熱がとても少ないため、地球のようなあたたかい環境ではありません。
冥王星には、窒素(ちっそ)を中心に、メタンや一酸化炭素をふくむとても薄い大気があります。ただし、地球のように人が息をできる大気ではありません。冥王星が太陽に少し近づくと、表面の氷が気体になり、大気ができやすくなります。反対に太陽から遠ざかると、大気の一部がふたたび氷になり、表面に積もると考えられています。
探査機が捉えたハート型の平原と地形
2015年、NASAの無人探査機(たんさき)ニュー・ホライズンズが冥王星に近づき、表面の写真を撮影しました。それまで小さな点のようにしか見えなかった冥王星の地形が、くわしく観測されたのです。
写真には、ハートのような形に見える明るい地域が写っていました。その一部は「スプートニク平原」と呼ばれ、窒素の氷でできたなめらかな平原だと考えられています。ほかにも、山、谷、クレーターのような地形が見つかりました。氷の火山がある可能性も研究されており、冥王星は小さくても変化に富んだ天体だとわかってきました。
冥王星の特徴2:特殊な軌道と衛星
冥王星(めいおうせい)は準惑星ですが、地球や木星などの惑星と同じように太陽のまわりを回っています。ただし、その軌道は少し変わっており、カロンをはじめとする5つの衛星(えいせい)を持つことも特徴です。
傾いた楕円を描く軌道と長い公転周期
冥王星の軌道(きどう)は、きれいな円ではなく、細長い楕円(だえん)に近い形をしています。さらに、地球や木星など多くの惑星が回る面から大きく傾いています。その傾きは約17度です。
冥王星が太陽のまわりを1周するには、約248年かかります。これを公転周期(こうてんしゅうき)といいます。つまり、冥王星の1年は、地球の248年ほどにあたります。一方、冥王星が自分で1回転する自転(じてん)には、約6.4日かかります。
衛星「カロン」との二重惑星の関係
冥王星の大きな衛星が、カロンです。カロンは冥王星の半分ほどの大きさがあり、衛星としてはかなり大きな存在です。
冥王星とカロンは、おたがいの重力で引き合いながら、手をつなぐようにぐるぐる回っています。また、常におたがいに同じ面を向けたまま回っているのも特徴です。そのため、二重惑星(にじゅうわくせい)のような関係と説明されることがあります。
周囲を公転する「ニクス」や「ヒドラ」などの小衛星
冥王星には、カロンのほかにも小さな衛星があります。ニクス、ヒドラ、ケルベロス、ステュクスです。カロンをふくめると、冥王星には合計5つの衛星があります。
カロン以外の小衛星は、カロンよりずっと小さく、きれいな球ではありません。ニクスやヒドラは細長い形をしており、ケルベロスやステュクスもいびつな形の天体として観測されています。
冥王星が太陽系の「惑星」から外された理由
冥王星は、1930年に発見されてから長い間、太陽系の第9惑星とされてきました。しかし、天文学の研究が進むにつれて、冥王星と似た天体が次々と見つかりました。
周囲で次々と発見された「同じような天体」
望遠鏡(ぼうえんきょう)や観測技術が進むと、冥王星の外側や近くに、氷や岩石でできた小さな天体がたくさん見つかるようになりました。こうした天体は、カイパーベルト天体や太陽系外縁天体(たいようけいがいえんてんたい)と呼ばれます。
例えば、エリスという天体は、冥王星に近い大きさを持つ太陽系外縁天体です。そうすると、「冥王星を惑星と呼ぶなら、同じような天体も惑星と呼ぶのか」という問題が出てきました。科学者たちは、惑星とは何かをもう一度決める必要があると考えたのです。
2006年の国際会議で決まった惑星の新しいルール
2006年、国際天文学連合(こくさいてんもんがくれんごう)は、惑星の定義を決めました。太陽のまわりを回ること、ほぼ丸い形をしていること、そして自分が通る軌道の近くに、同じような天体がたくさん残っていないことが、惑星の条件とされました。
冥王星は、太陽のまわりを回り、丸い形に近い天体です。しかし、軌道の近くに似た天体が多くあるため、惑星ではなく準惑星という新しいグループに分類されることになりました。
冥王星についてのQ&A
Q.冥王星は誰がいつ発見したのですか?
A.冥王星は1930年、アメリカの天文学者クライド・トンボーによって発見されました。ローウェル天文台で撮影された写真を比べる中で、少しずつ位置を変える天体として見つかりました。
Q.冥王星の英語名「プルート」の名前の由来は何ですか?
A.冥王星の英語名「Pluto(プルート)」は、ローマ神話に登場する冥界(めいかい)の神の名前に由来します。実はこの名前を提案したのは、当時11歳だったイギリスの女の子でした。日本語の「冥王星」は、この英語名の背景にある「冥界の王」という意味をふまえて名づけられました。
Q.冥王星に人間が住むことはできますか?
A.現在の技術では、冥王星に人間が住むことはできません。表面はマイナス230℃ほどの極寒で、大気はとても薄く、呼吸できる酸素もありません。太陽から遠いため、昼間でも地球ほど明るくない場所です。
冥王星の特徴をもっと調べてみよう
冥王星(めいおうせい)は、月よりも小さく、氷と岩石でできた準惑星(じゅんわくせい)です。特殊な軌道(きどう)を持ち、カロンをはじめとする5つの衛星があります。探査機(たんさき)ニュー・ホライズンズの観測によって、ハート型の平原や複雑な地形も明らかになりました。
冥王星に興味を持ったら、ニュー・ホライズンズが撮影した写真を見て、ハート型の平原や色の違う場所を探してみましょう。さらに、月・地球・海王星と大きさや距離を比べると、太陽系の外側がどれほど遠く、さまざまな天体がある場所なのかを想像しやすくなります。








































