世界のパトカー事情│日本と海外では何が違う?車種と特徴まとめ

公開日: 2020/12/20

日本の道路を走行するピカピカ光る白黒の警察車両と言えば、子供に大人気のパトカーですね。日本でパトカーと言えば、トヨタ・クラウンを思い出す人も多いでしょう。 今回は海を越えた海外のパトカー事情を覗いてみましょう。人々の安全を日夜守っているパトロールカーを見てみると、その国に住んでいる人々の暮らしを感じることができます。

目次
世界のパトカー事情:日本
世界のパトカー事情:アメリカ
世界のパトカー事情:イタリア・ドイツ・イギリス
世界のパトカー事情:ドバイ
世界のパトカー事情:オーストラリア
まとめ

世界のパトカー事情:日本

海外の警察と異なり、日本の警察組織は一つのためパトカーも統一されています。覆面パトカー以外は、全て白と黒のツートンの塗装です。もっとも有名な車種はトヨタ・クラウンでしょう。一般車両の逃走を許さないように、パトカーには厳しい車両条件が求められます。一見普通のセダンに見えますが、重い荷物を積載したまま、昇降機構付き警光灯を搭載して走行する必要があるため、中身は市販車とは別物です。じつはトヨタ・クラウンにはパトカー用のグレードが存在するんですよ。パトカー用グレードが存在するのはトヨタのクラウンのみです。市販車を改造しなくてよいため、パトカーには圧倒的にトヨタ・クラウンが多いのです。クラウンの次に多い車種はスバル・レガシィです。2013年に、スバル・レガシィが入札に参加し、一番安い価格を提示したため購入されたそうです。

世界のパトカー事情:アメリカ

ハリウッド映画が好きな人であれば、映像の中で疾走するアメリカのパトカーを目にする機会は多いかもしれません。アメリカは連邦制をとっているため、州、群、市、町、村といった自治体が各々で独自の警察を持っています。そのため車種もバラバラなのですが、そんな中でもパトカーのシェア7割をしめるのがフォードです。フォードのパトカー用グレード名は「ポリスインターセプター」と言って、後輪駆動でフルサイズのセダンタイプです。現行モデルは「トーラス」と「エクスプローラー」をベースにしています。また、ニューヨーク市警察やFBIなどアメリカ国内でも最大規模の警察組織に採用された実績を持つ車が、ダッジ・チャージャーです。パトカー仕様モデルは「パーシュート(追跡)」という意味の名前がついています。装備や性能面もさることながら、追跡された時の威圧感からマッスルカーとも呼ばれています。

世界のパトカー事情:イタリア・ドイツ・イギリス

1.イタリア

イタリアでは国全体の治安を維持する国家警察の他に、各自治体によって設立された県警察、地方警察、自治体警察などの組織があります。国家警察のパトカーは水色に白のラインで、大きく「POLIZIA」と書かれています。ハイウェイパトロールから山岳救助まで幅広い業務があるため、パトカーの種類も多岐にわたります。一方、地方警察は州ごとに独自のデザインとなっています。パトカーに多く採用されているのがフィアットのパンダやプントなどの小型車です。ほぼ市販車に近い状態だそうですが、一部には高速用に改造されたパンダやプントも存在するようです。また、国家警察では、ランボルギーニが警察車両として採用されているのも有名です。2017年3月にはランボルギーニ社が最新モデル「ウラカン」の警察用モデル「ウラカン ポリツィア」を寄贈しました。

2.ドイツ

ドイツの警察は大きく分けて、連邦警察と地方警察のふたつがあります。基本的にパトカーの塗装は統一されていますが、一部の地方警察では独自の塗装を施している場合もあります。また2002年以降デザイン変更され、緑と白を基調としたデザインから、銀と青のデザインとなりました。ドイツのパトカーと言えば、時速200kmを超えるスピードで疾走するアウトバーンでの取り締まりにポルシェを思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし、現在は引退し、シュツットガルトのポルシェ博物館に飾られているんだとか。車種も各州によって様々ですが、フォルクスワーゲンのパサートやゴルフ、BMW 3シリーズ、メルセデスベンツBクラス/Cクラスなどが多いそうですよ。

3.イギリス

イギリスの警察組織は、対テロや対組織犯罪といった限られた領域で活動する全国レベルの組織と、州ごとや地域ごとに設けられた地方レベルの組織に分けられます。パトカーに関しても、決まりきった形、車種というのはなかったのですが、2011年からデザインが統一されました。基本的に側面には蛍光イエローとブルーのチェック、後部は蛍光イエローとオレンジの配色で、シンプルな日本の緊急車両と比べるととても派手に感じます。採用されている車種は、ボルボ・V70、フォード・クーガ、ホンダ・CR-V、三菱・パジェロ/アウトランダー、アウディ・A4など、バラエティーに富んでいます。

世界のパトカー事情:ドバイ

ドバイはUAE(アラブ首長国連邦)を構成する7つの首長国のうちの1つで、お金持ちな都市としても有名です。ドバイで使用されているパトカーは、白いボディに緑のラインが特徴的ですが、明確なデザインや決まりはないようです。また、赤灯と青灯が混合されたランプを使用しているのもおもしろいですね。ドバイ警察は速さも価格も一級品のスーパーカー部隊を持っていることで有名で、今までも幾度となく世界中を騒がせてきました。ドバイのスーパーカー部隊の中には、量産車世界最速としてギネスにも認定されているブガッティのヴェイロンが警察車両仕様となり使われています。ブガッティ・ヴェイロンは、フランスのスーパーカーで、最高速度は400キロ超。F-1にも引けを取らぬ速さです。速さだけでなく価格も一級品で日本円にすると2億円を超える超高級車両です。ランボルギーニ・アヴェンタドールもパトカーとして採用されています。ドアが上に開くシザードアのパトカーなんて驚きですね。日産のGT-Rもドバイ警察仕様で、スーパーカー部隊の一員として活躍しています。GT-Rは日本車最速を誇る車種で、日本国内以上に世界で人気があります。スポーツカーの王道、フェラーリもパトカーとして採用されています。フェラーリ初の四輪駆動で、エンジンも今までのフェラーリ市販車の中で最高出力のものが使用されています。その他にも、ランボルギーニやアストンマーティン、ベンツやBMW、アウディ、マクラーレンといった有名メーカーも名前を連ねています。ドバイ警察署の駐車場には圧巻の光景が広がっていることでしょう。

世界のパトカー事情:オーストラリア

オーストラリアの警察機構は、国家レベルのオーストラリア連邦警察と、各州や準州が運営する地方警察に分けられます。それぞれの警察組織で様々な車種のパトカーが採用されていますが、長らくGM傘下のホールデン、豪州フォードの2大豪州メーカー車が使われていました。しかし、生産コストの上昇、豪ドル高、国内マーケットの縮小などを理由にフォードとGMがそれぞれ2016年10月と2017年末をもって工場を閉鎖しました。よって、オーストラリアは、2018年からは商用車を除き、完全な自動車輸入国となってしまったのです。現在、オーストラリアのパトカーの主流はフォード・ファルコンとホールデン・コモドアですが、共にすでに豪州工場の操業を停止しています。また、どちらの豪州自動車メーカーも自社製品として輸入車を販売しており、次世代のパトカーにはどんな車種が採用されるのか、現地でも注目を集めています。

まとめ

警ら車と呼ばれるパトロールカーはどの国でも警察車両の多数を占めており、国産車を持っている国であれば、基本的にはその国を代表する自動車メーカーが採用されています。オーストラリアのように自動車メーカーが撤退してしまい、そもそも自動車を大量生産できていない国も存在します。一方で各国のスーパーカーを揃えて、最強スーパーカー集団を構成しているドバイのような都市もあります。各国のパトカーをみてみると、それぞれの国の情勢や人々の暮らしまで透けて見える気がしませんか?

<参考サイト>Car-Me:海外のパトカーや救急車はどんなメーカーの車種?https://car-me.jp/articles/14144Car-Moby : 世界各国のパトカーまとめ!スーパーカーからスポーツカーまで13台を一斉検挙https://car-moby.jp/353116Motors:採用基準って何?世界各国のパトカーに使われている車種まとめhttps://motorz.jp/feature/82102/
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