地球一周の距離は?世界で初めて計算した人と一周するのにかかる時間

公開日: 2023/08/31

私たちが生活している地球はとても大きく、その大きさを実感する機会は多くありません。この記事では、地球を一周するためにどれくらいの距離を移動する必要があるのかを解説するとともに、地球の大きさを計測しようとした過去の偉人たちの取り組みを紹介します。

目次
地球一周の距離はどのくらい?
どうやって地球一周の距離を測るの?
自分でもできる現在の地球一周の距離の測り方
世界で初めて地球一周をした人は誰?
歩いて世界一周すると何日かかるの?
地球の大きさを実感して

地球一周の距離はどのくらい?

地球一周の距離を考えると途方もない数値のように感じられるかもしれません。実際にどの程度の距離なのか、またどのような定義で計測されたのかをご紹介します。

・地球一周の距離は約4万キロメートル

現在の技術で地球の大きさを測定すると、地球一周の距離がほぼ4万キロメートルであることがわかります。これほど大きな地球の周囲の長さをメートル法で表した時にキリのいい数字が表れるのは、もともと1メートルの長さを定めるときに地球の大きさを基準にしたことが理由です。今から200年以上前の1790年代のフランスで長さの単位を作成する際、赤道と北極を結ぶ線の長さの1万分の1を1メートルと定められました。ちなみに、現在の1メートルの定義は、真空中の光の速さを基準とするものに変更されています。 

・「赤道の距離」と「北極と南極を通る距離」には差がある

地球一周の正確な距離は、赤道上を東西に一周する場合が約4万77キロメートル、北極と南極を通るように南北に一周する場合で約4万9キロメートルとなり、少しだけ赤道の方が長くなっています。

・地球が完全な球体ではないことがわかる

地球一周の距離を南北と東西で比べると、地球が完全な球体ではなくすこし歪んだ形をしていることがわかります。これは、地球の自転により生じる遠心力によって赤道の近くが少し膨らんでいることが原因です。

どうやって地球一周の距離を測るの?

科学技術の発展した現代では想像しやすいかもしれませんが、昔の人々はどのように地球一周の距離を計測したのでしょうか。人類史上初の計測や日本史上初の地球計測について解説します。

・世界で初めて地球一周の距離を計算した人

今から2200年ほど前に活躍したギリシャの学者であるエラトステネスは、太陽の位置を利用して地球の大きさを計算しました。

まず前提となるのは、エラトステネスらギリシャ人は、地球が球形であることに気が付いていたということです。さらに、エラトステネスは、シエネという町では夏至の日に深い井戸の底まで太陽の光が届く=太陽がほぼ真上に来ることを知っていました。この夏至の日にシエネから離れたアレクサンドリアという場所で影の長さを測定すると、アレクサンドリアとシエネが、地球の中心からみてどのぐらいの角度がずれているか(緯度の差)が分かります。アレクサンドリアとシエネの間の距離(球の表面上の距離)をx、緯度の差をθとすると、地球一周の距離とxの比は、360°とθの比に等しくなるため、この方法で地球一周の距離を計算できます。

・日本で初めて地球一周の距離を計算した人

江戸時代に徒歩による測量を積み重ね、精密な日本地図を作ったことで知られる伊能忠敬は、日本で最初に地球の大きさを計算した人物であると言われています。エラトステネスが行ったように、地球上の2点間の距離と緯度の差がわかれば、地球一周の距離を計算できます。伊能忠敬は、江戸から現在の北海道の間を測量しながら、北極星の観測によって各地点の緯度の差を計算しました。緯度で1度の違いに対応する地球表面上の距離として算出された値は約110.75キロメートルで、地球一周の距離を計算すると約39900メートルになります。200年前の日本人には、地球一周の距離をほぼ正確に計算できる技術力があったようですね。

自分でもできる現在の地球一周の距離の測り方

エラトステネスや伊能忠敬が大変な苦労をして計算した地球一周の距離ですが、現在の技術を利用すると、私たちでも測定できます。

・GPSを使った測り方

現在では、地球上の地点の正確な緯度をGPSが教えてくれます。緯度が分かれば、エラトステネスの方法をそのまま利用して地球一周の距離を計算できます。

*GPSを使えば自分で計算も可能
地球一周の距離を計算する具体的な方法は次のようなものが考えられます。
1. 南北を結ぶ直線上にある2つの地点で、GPSを使って緯度を調べます。スマートフォンにはGPS機能が付いているので、地図アプリを使えば、現在地の緯度が分かります。
2. メジャーなどを使って、緯度を調べた2点間の距離を測ります。
3. GPSの情報から求めた緯度の差と、2点間の距離から、緯度差1°あたりの距離を計算します。得られた値を360倍すると、360°分(地球一周)の距離が導かれます。

*人工衛星とレーザー光を使った測り方
地球を周回する人工衛星は、地球の重力の影響を受けます。重力の影響は距離が離れるほど小さくなる性質があるので、人工衛星の軌道を分析すると地球の中心から人工衛星までの距離が分かります。さらに、地表から人工衛星にレーザー光を送ると、跳ね返ってくるまでの時間で地表と人工衛星の間の距離が計算できます。

地球の中心から人工衛星までの距離と、地表から人工衛星までの距離が分かれば、両者の差を計算して地球の中心から地表までの距離=地球の半径が得られます。あとは、円の公式にしたがって半径の2π倍を計算すると、地球一周の距離が導かれます。

世界で初めて地球一周をした人は誰?

世界で初めて地球を一周してみせたのは、今から500年ほど前の大航海時代のスペインのフェルディナンド・マゼランの艦隊です。艦隊のリーダーだったマゼランは航海の途中で亡くなってしまいますが、その部下たちが約3年(1519年から1522年)をかけて世界一周を達成しました。この航海ではマゼランを含むほとんどの乗組員が命を落としています。現在の船旅のイメージとは違って、まさに命がけの挑戦によって達成された偉業でした。

歩いて世界一周すると何日かかるの?

約4万キロメートルの地球を歩いて一周するには、一体どれくらいの日数が必要なのでしょうか。実際には、海や高い山が存在するので、まっすぐ歩いて地球を一周はできませんが、ここでは仮にまっすぐ歩けるものとして計算してみます。

*4万キロメートルを時速5キロメートルで歩いた計算式
地図や案内に使われる歩く速度の基準は分速80メートルで、およそ時速5キロメートルぐらいです。この速度で4万キロメートル移動するために必要な時間は8000時間、日数に直すと約333日です。毎日24時間休みなく歩いたとしても1年ぐらいかかると考えると、地球の大きさが改めて実感できます。

*身長と歩幅から考えた計算式
休みなしで1年間も歩き続けるのは不可能なので、次はもう少し現実的な条件で計算してみましょう。まずは、人間の身長と歩幅を基に、現実的に毎日歩ける歩数でどれぐらい進めるかを考えてみます。

*小学校6年生の平均身長を150センチメートルとして考え、1日1万歩歩いた場合
一般的に、身長が高い人ほど歩幅が広くなる傾向があります。ここでは、小学校6年生の平均身長である150センチメートルの人の場合を計算します。人間が無理なく継続的に歩ける歩数は、1日あたり1万歩とします。

*「歩幅=身長×0.45」×1万歩=1日に歩く距離
人間の歩幅の目安は、身長×0.45ぐらいとされています。小学校6年生の平均身長である150センチメートルの場合、歩幅は67.5センチメートルとなり、1万歩では6.75キロメートル進めます。

このペースで歩いた場合、4万キロメートルに到達するのは5926日(16年と3カ月ぐらい)後です。16年はあまりに長い期間に感じますが、人間の一生を考えると十分歩くことができそうですね。

地球の大きさを実感して

地球一周の距離=4万キロメートルという数字に至った計算の歴史や、自分の足で歩いた場合にかかる時間を想像すると、イメージしにくい地球の大きさに対する感じ方も変わってくるような気がします。この記事で紹介したGPSを使った方法で、エラトステネスや伊能忠敬の仕事を体験してみてください。

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