源氏物語のあらすじは?どんなお話?なぜ世界で有名なの?

公開日: 2024/03/28

源氏物語は平安時代に書かれた長編物語です。今から1000年以上も昔に書かれた物語と聞くと、難しくて理解できないと感じる人もいるかもしれません。しかし、源氏物語は現代でも多くの人をひきつける魅力があり、映画やドラマの題材として用いられることの多い物語です。そこで、源氏物語がどのような話なのかについて、夢中にさせる理由やあらすじを解説します。

目次
源氏物語はどんな物語?世界でも有名!?
源氏物語のあらすじー光源氏はモテモテだった!?
なぜ源氏物語は世界中で人気なの?
時代や文化を超えた傑作!源氏物語を読んでみよう!

源氏物語はどんな物語?世界でも有名!?

源氏物語は30以上の言語に翻訳されている、国際的にも有名な物語です。源氏物語を書いた人物や構成などをご紹介します。

源氏物語は世界で有名な長編の物語

源氏物語は世界最古の長編恋愛物語だといわれています。英語・中国語・フランス語・イタリア語・ドイツ語など、30以上の言語に翻訳されている有名な物語です。また、現代語訳も多く出ているため、私たちも古文がわからなくても楽しめます。

源氏物語を書いた人

源氏物語を書いたのは、紫式部(むらさきしきぶ)という女性です。紫式部は夫である藤原宣孝(ふじわらののぶたか)が亡くなった悲しみから立ち直るために、源氏物語を書き始めたといわれています。

紫式部は当時の女性としてはめずらしく、漢文の知識を持つ才女だったそうです。紫式部が書いた源氏物語は宮廷で評判になったため、ときの有力者・藤原道長に知られる存在となります。道長の娘・彰子(しょうし)の教育係として仕えながら、源氏物語を書き進めていきました。

源氏物語が書かれた時期

源氏物語が書かれたのは、平安時代の中期です。平安時代とは、天皇を中心とした貴族によって政治が執り行われていた時代です。源氏物語では、平安時代の宮廷の様子や貴族の日常生活などが描かれています。

源氏物語の構成

源氏物語は、光源氏という主人公を中心に約70年間の出来事を描いている物語です。物語の内容は3部に分かれていて、54帖(じょう)で構成されています。

源氏物語のあらすじー光源氏はモテモテだった!?

少しでも内容を知っている人は「光源氏がモテモテの話」とのイメージを源氏物語に持っているかもしれません。実際に物語のなかで光源氏は多くの女性と恋愛関係になります。しかし、後半になると若い頃のようにモテモテではいられない光源氏の姿も描かれます。

源氏物語1部のあらすじー光源氏の華やかな生活

源氏物語の1部は、1帖「桐壺(きりつぼ)」から33帖「藤裏葉(ふじのうらば)」までで構成されています。光源氏の誕生から始まり、きらびやかでモテモテな生活が描かれています。

もともと光源氏は桐壺帝という天皇を父に持つ高貴な生まれの人物です。幼い頃に実の母を亡くし、母に容姿が似ている継母・藤壺に恋してしまいます。父の後妻である藤壺への恋愛感情は許されるものではありません。

光源氏は空蝉(うつせみ)、夕顔、六条御息所(ろうくじょうのみやすどころ)などの女性と関係を持ちながら、藤壺の姪である少女・紫の上と結婚したり葵の上を正妻に迎えたりしていきます。モテモテの光源氏に起きるのは良いことばかりではありません。朱雀帝への入内が決まっていた右大臣の娘・朧月夜(おぼろつきよ)と恋仲になってしまい、都にいられず須磨・明石での生活に。しかし、光源氏の女性好きは直らず、明石の君とも恋仲になります。

苦悩や失敗はあったものの都に戻ってから光源氏は政治的にも力を持つ存在になり、公私ともに栄華を極めるところで1部が終わります。

源氏物語2部のあらすじー光源氏に起こった変化

源氏物語の2部は、34帖「若菜上(わかなのじょう)」から41帖「幻(まぼろし)」までで構成されています。40歳頃から光源氏が生涯を終えるまでの話です。

若い頃モテモテで公私ともに絶好調だった光源氏ですが、人生の後半では多くの苦難が降りかかります。光源氏は自分の兄である朱雀帝の娘・女三の宮という若い女性を正妻に迎えますが、関係はうまくいきません。また、光源氏と深い関係にあった紫の上は、女三の宮が正妻になったことで心を痛めてしまいます。紫の上が苦悩を深めて病気になり亡くなると、光源氏も失意のうちに出家を志すストーリーです。

2部では光源氏が52歳で生涯を終えるところで幕を閉じます。

源氏物語3部のあらすじー光源氏の子孫の人生模様

源氏物語の3部は、42帖「匂宮(におうのみや)」から54帖「夢浮橋(ゆめのうきはし)」までで構成されています。光源氏が他界したあとの話で、光源氏の息子である薫が物語の主人公です。ただし、薫は光源氏と血のつながりはなく、女三の宮と柏木という青年との間に生まれた不義の子です。

持ち前の美貌が評判の薫ですが、出自に疑問を持っているため何事にも積極的になれません。そういったなかで、ライバルであり親友でもある匂宮との友情や、宇治で出会う大君(おおいぎみ)・中の君(なかのきみ)の姉妹との恋愛話が描かれていきます。その後、思いを遂げられなかった大君によく似た浮舟に出会い、薫は好きになっていきます。しかし、対抗心から匂宮も浮舟に言い寄ったことで、浮舟は苦悩し命を絶とうとしました。
45帖「橋姫(はしひめ)」以降は舞台が京の都から宇治に移るため「宇治十帖(うじじゅうじょう)」と呼ばれています。

なぜ源氏物語は世界中で人気なの?

源氏物語が時代や文化を超えて人気があるのには、いくつかの理由があります。源氏物語が読者を夢中にさせる要因をご紹介します。

源氏物語が人気の理由

源氏物語が人気である大きな理由は、個性豊かなキャラクターを持つ登場人物にあります。源氏物語には500人以上の登場人物が出てきますが、それぞれの容姿や心情が丁寧に描かれています。また、登場人物が成長していく姿や心の動きも魅力的です。読みながら人物像を思い描くことができるので、読者は自然と登場人物に感情移入してしまいます。

源氏物語が世界中の人の心をつかんだ魅力

世界中の人をひきつける理由は、普遍的な心情が描かれていることにあります。時代や文化が異なっていても変わらない人間観が描かれているため、世界中の人を魅了するのでしょう。また、情景の描写も丁寧なので、平安時代の貴族の生活を知らない人でも頭に思い浮かべやすいのも魅力です。

源氏物語から学べること

源氏物語を読むことで平安貴族の宮廷での生活や文化などを知ることができます。平安時代は恋人同士が和歌を送り合う習慣があり、源氏物語にも多くの和歌が登場します。どれもがすばらしい作品なので、和歌の勉強にもなるでしょう。このため、多くの中学校や高校で源氏物語を古文の授業で扱うほどです。また、平安時代だけではなく現代にも通じる人間関係や倫理観などを学ぶこともできます。

時代や文化を超えた傑作!源氏物語を読んでみよう!

世界中で今も愛される源氏物語。時代や文化を超えて誰しもが理解できる人間観と個性豊かな登場人物が魅力です。源氏物語は超大作で登場人物も多いので、原文のまま読むには難しいかもしれません。しかし、小中学生も読みやすいように編集された小説やマンガ、アニメもあります。ぜひ一度読んでみてほしい作品です。


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