海王星(かいおうせい)の大きな特徴は、太陽系で最も太陽からはなれた場所を回る「青い惑星(わくせい)」であることと、時速約2,000km(秒速約560m)にも達する、太陽系で最も速い風が吹き荒れる世界であることです。
また、偶然見つかったのではなく、計算によって「そこにあるはずだ」と予測されて発見されたという、めずらしい歴史を持つ惑星でもあります。
この記事では、海王星の大きさや色のひみつ、強い風の理由、まわりを回る衛星について、わかりやすく紹介します。
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このトピックスのもくじ
太陽系で最も遠い「海王星」とは?
海王星は、太陽系の8つの惑星の中で最も外側を回る「第8惑星」です。地球からはあまりにも遠いため、肉眼(にくがん:望遠鏡などを使わずに目で見ること)では確認できず、多くの謎に包まれています。
太陽からの距離は約45億km
海王星は、太陽から平均して約45億kmもはなれた場所を回っています。これは、地球と太陽の距離の約30倍という気の遠くなるような長さです。
そのため、太陽のまわりを1周する「公転(こうてん)」には約164.8年もかかります。1846年に発見されてから、1周してほぼ元の位置にもどってきたのは2011年のことでした。一方で、自分自身が1回転する「自転(じてん)」のスピードは速く、約16時間で1日が過ぎてしまいます。
空の上の方はマイナス220℃の寒さ
太陽からとても遠いため、海王星に届く太陽の光や熱はわずかです。その結果、大気の上層部(じょうそうぶ:空の高いところ)の温度は、平均でマイナス220℃ほどまで冷えこんでいます。
これは、地球上で最も寒い南極(なんきょく)よりもはるかに低い温度です。しかし、驚くことに海王星の内部には熱があり、その熱が大きなエネルギーとなって激しい風や、雲の動きを生み出していると考えられています。
地球の約17倍もの質量がある大きな惑星
海王星は、直径が地球の約4倍もある巨大な惑星です。重さ(質量:しつりょう)にいたっては、地球の約17倍もあります。
お隣にある天王星(てんのうせい)と比べると、大きさそのものは天王星の方が少しだけ大きいのですが、海王星は中身がぎゅっとつまっているため、重さは海王星の方が上回っています。
数学の計算で見つかっためずらしい惑星
海王星の発見エピソードはとてもユニークです。当時、天王星の動きを観察していた天文学者たちは、「計算通りのコースから少しズレている」ことに気づきました。
そこで、「もっと外側に、重力で天王星を引っ張っている未知の惑星があるのではないか」と考え、数学の計算でその場所を予想したのです。そして1846年、予測された場所を望遠鏡で観測したところ、本当に新しい惑星が見つかりました。これが海王星です。
海王星はなぜ青く見えるの?
海王星は、青っぽく見えるのが特徴です。この美しい色は、海王星を包む空気の成分に理由があります。
青く見える理由は「メタン」のはたらき
海王星の空気(大気)は、主に水素やヘリウム、そして「メタン」というガスでできています。このメタンには、太陽の光の中の赤い光を吸収しやすいという性質があります。
そのため、青っぽい光が目立って見えて、海王星は青く見えるのです。天王星よりも色が濃く見えるのは、大気の重なり方や、モヤのような物質の量が関係していると言われていますが、まだ詳しいことは分かっていません。
中身は水やアンモニアがつまった「巨大氷惑星」
海王星は、天王星とともに「巨大氷惑星(きょだいひょうわくせい)」というグループに分類されます。これは、成分の多くが水やアンモニア、メタンなどの「氷の材料」でできているためです。
ただし、中にあるのは私たちがイメージする「カチカチの氷」だけではありません。中心部にはものすごい温度と圧力がかかっているため、これらの物質がどろどろに近い状態になっていると考えられています。
海王星にはものすごく強い風がふいている?
穏やかで美しい青色に見える海王星ですが、その正体は、太陽系で最も速い風が吹き荒れる「あらしの惑星」です。
風の速さは時速約2,000kmに達することも
海王星では、時速約2,000kmに達するほどの強風が観測されています。これは、地球で発生する最強クラスの台風よりはるかに速く、音の速さをこえるほどの猛烈(もうれつ)なスピードです。
なぜこれほどの強風が吹くのかは、現代の科学でも完全には解明されていません。海王星の内部からわき上がる熱と、冷たい上層大気との大きな温度差が、空気を猛スピードで動かしているのではないかと考えられています。
地球サイズの巨大なあらし「大暗斑」
1989年に探査機「ボイジャー2号」が海王星に近づいたとき、大気に大きな黒い模様が見つかりました。これは「大暗斑(だいあんはん)」と呼ばれる、地球と同じくらいの大きさをもつ、うずまき状のあらしです。
木星にある有名なあらし「大赤斑(だいせきはん)」は、長い間残り続けていますが、海王星の大暗斑は数年で消えたり、また別の場所に現れたりすることがわかっています。海王星の天気は、とても変化が激しいのです。
海王星のまわりには衛星や輪もある?
海王星のまわりには、現在までに16個の衛星(えいせい)が見つかっています。さらに、土星ほど目立ちませんが、細くて暗い「輪(わ)」も存在します。
逆向きに回るふしぎな衛星「トリトン」
海王星の衛星の中で、圧倒的に大きく有名なのが「トリトン」です。トリトンには、他の多くの衛星とはちがう大きな特徴があります。それは、海王星が自転する向きとは反対の方向に回っているという点です。
このことから、トリトンはもともと海王星のそばで誕生したのではなく、別の場所から飛んできた天体が、海王星の強い重力につかまって衛星になったのではないかと考えられています。
5本の細い輪が取り巻いている
海王星には、主に5本の輪(わ)があります。土星の輪が氷の粒で明るく見えるのに対し、海王星の輪はとても暗いため、地球から見るのは簡単ではありません。
中でも一番外側の輪は、場所によって物質が濃く集まっているところがあり、途切れた「アーク(弓のような形)」に見えるというふしぎな特徴を持っています。
海王星についてのQ&A
Q. 海王星はなぜあんなに青いのですか?
A. 空気に含まれる「メタン」というガスが、太陽の光のうち赤い光を吸収しやすいため、青っぽい光が目立って見えるからです。
Q. 海王星の風は、地球の台風と比べてどのくらい強いですか?
A. 地球の非常に強い台風より海王星の風はずっと速く、時速約2,000kmに達します。太陽系で最も速い風として知られています。
Q. 海王星まで行くにはどのくらい時間がかかりますか?
A. 1977年に打ち上げられた探査機「ボイジャー2号」は、約12年かけて海王星に接近しました。海王星は地球からとても遠いため、探査機が向かう場合でも長い年月がかかります。
Q. 海王星に「輪」があるというのは本当ですか?
A. 本当です。海王星には主な輪が5本見つかっています。ただし、土星の輪とちがってとても暗いため、地球から見るのは難しいです。
Q. 海王星の衛星トリトンが「逆向きに回っている」のはなぜですか?
A. トリトンは、もともとは海王星の仲間ではなく、外からやってきた天体が海王星の重力に捕まったためだと考えられています。このように、惑星の自転と反対向きに回る大きな衛星は、とても珍しい存在です。
海王星の特徴をおさらいしよう
海王星は、太陽系の一番外側にある、青く輝く神秘的な惑星です。
・太陽系で最も遠く、数学の計算で発見された
・メタンのはたらきによって青っぽく見える
・時速約2,000kmという、太陽系最速の風が吹いている
・逆向きに回る巨大な衛星「トリトン」を持っている
海王星はあまりにも遠いため、まだ一度しか探査機が訪れたことがありません。これから先、新しい探査機が海王星に向かえば、もっと驚くような発見があるかもしれません。
興味がわいたら、ぜひ図鑑(ずかん)を広げて、他の惑星と海王星の色の違いを比べてみましょう。宇宙の広大さと不思議を、もっと身近に感じられるはずです。









































