入浴剤でロケットが作れる?飛ぶ仕組みと作り方、遊ぶときの注意点

公開日: 2019/06/26

お風呂に入るときに使う入浴剤の中で、シュワっと炭酸ガスの泡が出る入浴剤があります。今回は、この泡の出る発泡性タイプの入浴剤を使ってロケットを作る科学実験をご紹介します! ロケットというと、火力を使って花火のように打ち上げることをイメージしますが、今回の実験では火は使いませんのでお子さんでも安心です。しかも、「ロケットは飛ぶかな?」「いつ飛ぶかな…」とドキドキわくわくするので、楽しみながら実験をすることができます。ぜひ家族みんなで遊びながら実験してみてください。

目次
入浴剤ロケットの仕組み
入浴剤ロケット作りに必要な材料
入浴剤ロケットの作り方、飛ばし方
子供と入浴剤ロケットで遊ぶときの注意点
入浴剤ロケット作りの参考動画
子供も大人も楽しめる入浴剤ロケット実験は自由研究におすすめ

入浴剤ロケットの仕組み

そもそもロケットはなぜ飛ぶの?

ロケットが飛ぶとき、燃料を燃やして火柱を上げながら空高く昇っていくのを見たことがありませんか?ロケットは燃料と酸化剤を反応させて発生した大量の排気ガスを後ろに噴射し、その力で持ち上がっているのです。

あらゆるものは、物を後ろに投げ出したり押し出したりすると、自分自身にもそれと同じだけの力がかかります。このことを「作用反作用の法則」と呼びます。ロケットの場合には、排気ガスを噴射(作用)した力の分だけ持ち上がっている(反作用)のです。

また、ほとんどの人は普段あまり意識していませんが、私たちはこの作用反作用の法則を毎日体験しています。例えば、私たちが歩くと前に進むのも、足が後ろ向きに蹴る力の反作用で前向きに地面と靴底に摩擦が生まれるためですし、何かをたたくと手が痛いのも、たたいた力の反作用によって手がたたかれたためです。

入浴剤ロケットはなぜ飛ぶの?

では、入浴剤ロケットはなぜ飛ぶのでしょうか?ロケットが飛ぶ理由を考えると、何かを後ろに噴射させると上に飛ぶことになります。入浴剤ロケットは、入浴剤から出る二酸化炭素のガスを利用して飛ぶためのエネルギーに変えます。入浴剤から出たガスが密閉されたロケット内に充満し、圧力が増すと噴射されるのです。そのため、実験に使う入浴剤は炭酸ガスの泡が出る発泡性タイプを使う必要があります。

入浴剤ロケットの実験ポイント

入浴剤ロケットの中で二酸化炭素ガスが出始めたら、どれくらいの時間で飛ぶのか、どれくらいの高さまで飛ぶのかは、実験に使った入浴剤の種類や量、水の温度や量、ロケットに使った容器の大きさや重さなどによっても変わります。さまざまな条件を変えて、どの条件のときに早く・高く飛ぶのかを実験し、結果をまとめてみるとよいでしょう。
実際にロケットが飛んだ高さを測るのは難しいので、飛んだ様子を写真に撮影したり、実験場所を写真に撮影したりしてその写真のどの高さまで飛んだのかを実験の都度書き込むなどし、あとで自由研究のまとめに入れるとわかりやすいです。

入浴剤ロケット作りに必要な材料

・フィルムケース
・入浴剤(発砲タイプ)
・水かぬるま湯
・カナヅチ
・クギ
・洗面器
・炭酸飲料用ペットボトル(500ml)
・コルク栓もしくはゴム栓
・缶詰の空き缶

入浴剤ロケットの作り方、飛ばし方

ここでは、いくつかの入浴剤ロケット実験のバリエーションを説明します。

(実験その1)入浴剤ロケットを作って飛ばそう

フィルムケースを使った入浴剤ロケットの実験です。

※『入浴剤ロケット作りの参考動画』で実験の様子を確認することができます。

作り方
1.入浴剤をクギとカナヅチを使って1cm程度の大きさに細かく砕く
2.細かくした入浴剤2かけをフィルムケースに入れる

飛ばし方
1.フィルムケースに水を入れる(入浴剤が見えなくなる程度)
2.すばやくフィルムケースの蓋をする
3.洗面器の真ん中に蓋を下にしてフィルムケースを置く
4.洗面器から離れてロケットが飛ぶ様子を観察する

(実験その2)入浴剤の量を増やしてみよう

入浴剤ロケットが飛ぶ理由は、ガスを噴射して上に持ち上がる作用反作用の法則を利用したものでした。ロケットを高く飛ばすためには、作用する力を大きくすれば反作用の力で大きくなって高く上がります。そこで、入浴剤の量を増やしてガスが出る量も増やすと、ロケットが飛ぶまでの時間と高さに変化が出るか実験してみましょう。作り方と飛ばし方は(実験その1)と同じです。

(実験その3)入浴剤にお湯を入れてみよう

入浴剤ロケットにお湯を入れることで、早く溶けてガスが発生することが考えられるため、ロケットが飛ぶまでの時間が短くなったり、より高く飛ぶかどうかを実験したりしてみましょう。作り方と飛ばし方は(実験その1)と同じです。

(実験その4)ロケットの形を変えてみよう

作用する力を大きくすれば、反作用の力も大きくなってロケットが高く飛ぶはずです。では、作用する力を大きくする方法はほかにないでしょうか?そこで、ガスの噴射力を高める方法を考えてみましょう。

入浴剤ロケットは、入浴剤から発生するガスをフィルムケース容器内に充満させ、圧力を上げてガスを発射する仕組みです。そのため、ガスが発射されるときの圧力をより高くする形のロケットにすれば、噴射力が高まります。例えば、大きく膨らんだ風船は小さな口から空気を逃がしてあげると、空中を飛びます。同じように、ペットボトルの口のように先が細くなるような形になると、噴射するガスの圧力は高まります。そこで、今度はペットボトルロケットを作り、より高く飛ぶか実験してみましょう。また、ロケットに入れる入浴剤の量を増やしながら、ロケットの飛ぶ高さがどう変わるのかも実験してみましょう。

実験に使うペットボトルは、内側からの圧力に強い炭酸飲料用を用意しましょう。お茶などのペットボトルでは強度が足りず、破裂する恐れがあります。

作り方
1.入浴剤をクギとカナヅチを使って1cm程度の大きさに細かく砕く
2.細かくした入浴剤2かけをペットボトルに入れる

飛ばし方
1.ペットボトル1/3量程度の水を入れる
2.すばやくペットボトルにコルク栓かゴム栓をする
 ※蓋をしめると破裂の恐れがあり危険です
3.発射台になる空き缶の中にペットボトルをさかさまにして入れる
4.空き缶から離れてロケットが飛ぶ様子を観察する

子供と入浴剤ロケットで遊ぶときの注意点

・周囲に人がいないか、壊れやすいものがないかを確認し、安全に注意しながら実験しましょう。
・実験の前に手順と必要なものを確認し、正しい手順で行いましょう
・実験では水が飛び散るので濡れてもいい場所で実験をしましょう
・大人の人がいるときに実験をしましょう
・入浴剤ロケットを飛ばす準備ができたらすぐに離れましょう
・もしも入浴剤ロケットが飛ばなくてものぞき込んではいけません
・ペットボトルロケットの実験には必ず炭酸飲料用ペットボトルを使いましょう
・実験が終わったらきちんと後片付けをしましょう

入浴剤ロケット作りの参考動画

ここでは、『(実験その1)入浴剤ロケットを作って飛ばそう』の様子を動画で確認することができます。実際にどれくらいの勢いで、どれくらいの高さまでロケットが飛ぶのかを確認してみましょう。ロケットを飛ばす実験をするためには、安全に注意しなければいけないことも理解できると思います。

・発泡入浴剤ロケットを作ろう!
https://thewonder.it/bukatsu/event2017/class/2969/

子供も大人も楽しめる入浴剤ロケット実験は自由研究におすすめ

ロケットが飛ぶ理由は、ニュートンが発見した「運動の3法則」の一つである作用反作用の法則の原理によるものでした。小学生のお子さんには少し難しいかもしれませんが、例を挙げればイメージができると思います。
身近な材料を使って、ドキドキハラハラする入浴剤ロケット実験。夏休みの自由研究テーマでありながら、楽しい思い出にもなるため、ぜひ家族みんなでやってみてください。

<参考>
永井佑紀、 涌井貞美(2016)『おとなの楽習 (5) 理科のおさらい 物理』 自由国民社(インプレス)

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