宇宙の広さはどれくらい?どろだんご惑星で太陽系を再現しよう
公開日: 2023/02/28
普段わたしたちが生活する日常の中で、宇宙の存在を意識することはほとんどありません。わたしたちの世界のずっと先に広がっている宇宙は、いったいどのくらい広いのでしょうか。今回の記事では、宇宙の広さはどのくらいかについて解説します。また、宇宙の広さを実際に体験することのできる自由研究についても紹介しますので、興味を持った人はぜひチャレンジしてみてくださいね。
- 目次
- 「光年」とは?
- 宇宙の広さはどれくらい?
- 宇宙は膨張している?
- 宇宙の広さはどうやって測ったの?
- 宇宙の果てはどうなっているの?
- 「光年」よりも長い距離の単位がある?
- 紙ねんどで惑星作り!自由研究で太陽系の広さを実感してみよう
- 自由研究にチャレンジして、天体に興味を持ちましょう
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「光年」とは?
わたしたちが普段使う長さの単位は「ミリ」や「センチ」、「メートル」や「キロメートル」ですね。この中で一番長いのはキロメートルです。宇宙は、このキロメートルという単位でさえ表せないほど、非常に広く大きな存在です。
宇宙の広さを表す単位としては、「光年(こうねん)」が用いられます。光年とは、光が1年かけて進む距離のことです。1光年をキロメートルに直すと、なんと9兆4600キロメートル。1光年がとほうもない長さであることがわかりますね。
ここからは、この「光年」という単位を主に使って宇宙の広さを解説していきます。
宇宙の広さはどれくらい?
宇宙には、地球を含め多くの星々が存在する「太陽系」があり、そして太陽系は「銀河系」の中にあります。この銀河系はうずまきのような形をしており、このうずまきの直径は約10万光年です。
さらに宇宙は、銀河系の外にも広がっています。銀河系を抜けてはるか先に、「クエーサー」という、星のように見える光る天体があります。クエーサーのあるところが、現在の科学技術で観測できるもっとも遠いところなのですが、クエーサーまでの距離は約150億光年です。しかも宇宙は、クエーサーのあるところから『どんどんと遠ざかっている』のです。
宇宙は膨張している?
実は、宇宙は約138億年前に起こったビッグバンによって誕生してから、常に膨張(ぼうちょう)をし続けていて、今もなお、風船のように膨らみ続けています。そのため、宇宙の正しい大きさは実のところ今でもまったくわかっていないのです。
宇宙の広さがわからないと聞いてがっかりした人もいるかもしれませんが、とにかく想像もできないほど大きい存在であることだけは十分に伝わったのではないでしょうか。
宇宙の広さはどうやって測ったの?
宇宙を測るには、「光が進んだ距離」を用います。わたしたちが観測できる距離というのは、光が届いている距離と同じ意味です。
宇宙は、少なくとも138億光年の広さ以上であることはわかっています。光の速さより速いものはないため、137億年かけて光が進んだ距離が、わたしたちが測ることのできる宇宙の限界だといえるわけです。
しかし、宇宙は膨張しており、137億光年よりもはるかに大きいと考えられています。実際の宇宙の大きさは、137億光年ですらごくわずかといえるくらいの大きさなのかもしれません。
宇宙の果てはどうなっているの?
わたしたちが観測可能な宇宙は、137億光年先までです。そこから先は光が地球に届いていないため確認できません。したがって、宇宙がその先まで無限に続いているのかどうかは今のところわからないのです。また、もし宇宙がさらに続いていたとしても、現時点でそれを確認する手段は残念ながらありません。
ある研究者によれば、宇宙はすべての方面に向かって無限に広がっているか、逆に包み込む形になっていると考えられています。そのため、宇宙には端っこがなく、したがって「果て」は存在しないことになります。
さらに、そもそも宇宙は1つだけではないという研究者もいます。わたしたちの宇宙(ユニバース)は、数ある宇宙(マルチバース)の中の1つに過ぎないというものです。宇宙には、重力が強すぎて、光でさえも逃れられない天体である「ブラックホール」が存在します。このブラックホールの内部には、なんと別の宇宙が広がっているというのです。また、わたしたちの宇宙自体もブラックホールの中に存在するらしいという説もあります。ここまでくると、まるでSFの世界のようでわくわくしますね。
「光年」よりも長い距離の単位がある?
実は、「光年」よりも長い距離を表すことのできる単位が存在します。それが「パーセク(pc)」です。天文学で使われる単位ですが、日常的に目にすることはめったにありません。知っているとまわりから驚かれるかもしれませんよ。
1パーセクは3.26光年です。無理やりほかの単位に直すと、「3.085×10の16乗(10を16回かけたもの)」です。こちらもやはりとほうもない数字であることがわかりますね。
パーセクは、「年周視差が1秒角になる単位」のことです。「年周視差」と「秒角」は天文学がわかっていないと理解が難しいことから今回は解説を省略します。もし天体に興味が出てきたら、ぜひ自分で調べてみてくださいね。
紙ねんどで惑星作り!自由研究で太陽系の広さを実感してみよう
宇宙の広さを実感するために、紙ねんどを使って、自分で天体をつくってみましょう。恒星である太陽や、惑星である地球など、星の色や形などの特徴を調べながら、紙ねんどの星を作ってみてください。また、それらの星を並べて太陽系を作り、その広さを実感してみましょう。
◎用意するもの
・紙ねんど:1〜2袋(作る惑星の数が多い場合は、多めに用意しましょう)
・絵の具:1セット
・油性マーカー(黒):1本
・画用紙:2〜3枚
・新聞紙:2〜3枚
◎作り方
1. はじめに、惑星を何個作りたいか決めましょう。恒星である太陽は太陽系の中心になるので、必ず作ります。太陽系には、地球を含めて8個の惑星が存在します。これらは内側、つまり太陽から近い順に以下の順番です。地球と比べたときの大きさもあわせて記載します。数が多いですが、宇宙の広さを実感するためにぜひ8個作ってみてください。
<太陽系の恒星と惑星の大きさ(赤道直径)>
・太陽:約139万2000km(地球の約109倍)
・水星:約4879キロメートル(地球の約0.4倍)
・金星:約1万2104キロメートル(地球の約0.9倍)
・地球:約1万2756キロメートル
・火星:約6792キロメートル(地球の約0.5倍)
・木星:約14万2984キロメートル(地球の約11.2倍)
・土星:約12万536キロメートル(地球の約9.5倍)
・天王星:約5万1118キロメートル(地球の約4.0倍)
・海王星:約4万9528キロメートル(地球の約3.9倍)
※以前、惑星に分類されていた冥王星は、国際天文学連合が定めた定義に当てはまらないため除外します。
2. 惑星の色と形を調べましょう。惑星の大きさを参考に、紙ねんどで作る惑星の形を決めます。
3. 作りたい惑星にあわせて、紙ねんどをちぎって形にします。一番大きい惑星は木星で、一番小さい惑星は水星です。大きさを決めるときの参考にしてみてください。
4. 形ができたら、乾かして固めます。色を塗るので、表面がつるつるになるよう、ていねいに作るとよいでしょう。
5. 紙ねんどが乾いたら、惑星の色に合わせて絵の具で色を塗っていきます。なお、土星には輪っかがあるので、画用紙をドーナツの形に切り抜いて筋を描き、本物らしい土星づくりにチャレンジしてみるとよいでしょう。絵の具が乾いたら惑星の完成です。
6. 画用紙に油性マーカーで太陽系の惑星が回る軌道を描き、その上に惑星を乗せれば完成です。
◎学びを深めるポイント
・地球の大きさを参考に、自分がどのくらいの大きさを想像します。そこから、太陽系がどのくらいの広さになるかを想像してみましょう。
◎注意点
・汚れてもよい、広い場所で行いましょう。
・汚れても片付けやすいように、新聞紙を下に敷きましょう。
自由研究にチャレンジして、天体に興味を持ちましょう
太陽系を自分で作ってみることで、宇宙の広さが少しでも実感できたのではないでしょうか。わたしたちの住む日常が、宇宙の視点から考えると非常にちっぽけであるということを知ると、なんだかとても不思議な感じがしますね。このように、天体はふだん知ることのできない、とてもスケールの大きな世界です。今回の記事をきっかけに、ぜひ天体に興味を持って学習をさらに深めていってくださいね。
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