宇宙にはいくつの星があるの?星に関する自由研究に挑戦しよう!
公開日: 2023/02/28
晴れた日に夜空を見上げると、見つけることのできる数えきれないほどの星。わたしたちがよく知っている太陽や月以外に、いったいどのような星が、どのくらいこの世界に存在するのでしょうか。今回の記事では、星の数や有名な星、星のなりたちについてわかりやすく紹介します。
宇宙にある星の数は?
いろいろな説がありますが、一説によれば、宇宙にある星の数は1000兆個といわれています。太陽系を例にして考えてみましょう。
太陽系の中心にある星は、恒星である太陽です。太陽の周りには、水星や金星、地球や火星など8つの惑星が太陽を中心に回っています。ここまでで星は10個です。惑星の周りには月をはじめとした衛星が回っており、これが約40個です。ここまでで星は50個あることになります。さらに、火星と木星の間あたりに、約4000個の小さな星が見つかっています。合計すると約4050個です。これ以外に、ハレー彗星のように、一瞬だけ地球に近づいては離れていく星が、毎年20個ほど見られています。これらは年によって増減があるので、すべてあわせてだいたい約5000個としましょう。太陽系は銀河系に属していますが、銀河系には太陽のような恒星が約2000億個あるといわれています。ということは、合計すると約5000個×2000億個で、1000兆個となるわけです。とほうもない数ですね。
なお、銀河系のような星の集まりは、宇宙に数千億個あるといわれています。すると、すべての星の数は、1000兆個×数千億……。計算すると、最初の数字のうしろにゼロが26個ついた数になります。ちなみに、2022年の世界の総人口は80億人です。みなさんは想像できるでしょうか。
宇宙にある星で有名なものの名前
星の数はとても多いので、覚えたり探したりするのは非常に大変です。そこで、星座を覚えておくと名前を把握しやすいほか、夜空でも見つけやすくなります。ここでは代表的な星座をいくつか紹介します。
・おとめ座のスピカ
「スピカ」とは、ラテン語で「麦の穂」を意味する言葉です。おとめ座のモデルである女神「メルデル」が麦を握っている姿が由来ですが、ちょうど麦の穂先部分で輝く星がスピカです。また、日本では、真珠のように輝いているといわれることから「真珠星」とも呼ばれます。次に紹介する「アークトゥルス」と対をなす「夫婦星」でもあります。
・うしかい座のアークトゥルス
「アークトゥルス」とは、ギリシア語で「熊の番人」という意味の言葉です。おおくま座のあとを追いかけるように位置することから、この名前がつけられました。「春の大曲線」や「春の大三角」を構成する星のうちのひとつです。
・ペルセウス座のアルゴル
「アルゴル」とは、勇者ペルセウスがつかんだ、妖怪メデューサのおでこの部分に位置することから、「悪魔の星」という意味合いで名づけられた星です。肉眼でも見つけやすいため、星の観察にぴったりです。明るさが変化する「変光星」のひとつでもあります。
・はくちょう座のデネブ
「デネブ」とは、アラビア語で「雌鳥(めんどり)のしっぽ」を意味する言葉です。夏の大三角を構成する星のうちのひとつです。半径が太陽の約200倍というとても大きな星なのですが、地球から1800光年も離れているため、暗く見えます。
・こと座のベガ
「ベガ」は、アラビア語で「舞い降りるワシ」を意味する言葉です。天の川をはさむような位置で、わし座のアルタイルと並んでいることから、「織姫星」とも呼ばれます。デネブと同じように、夏の大三角で見つけることができ、もっとも高い位置でいちばん強く光り輝いています。
・ワシ座のアルタイル
「アルタイル」は、アラビア語で「飛翔(ひしょう)するワシ」を意味することから名づけられた星です。犬を連れているようにも見えるため、日本では平安時代に「以奴加比保之(いぬかいぼし)」とも呼ばれていました。ベガやアルタイルと同様、夏の大三角で見ることができます。もっとも低い位置で輝く星がアルタイルです。
・オリオン座のベテルギウス
「巨人のわきの下」という、不思議な名前の由来を持つ星が「ベテルギウス」です。巨人の星座ともいわれるオリオン座の、わきの下部分に位置する星です。半径が太陽の1000倍という極めて巨大な恒星です。もうすぐ星の寿命を迎えることから、爆発する可能性があるといわれています。
・おおいぬ座のシリウス
「シリウス」は、ギリシア語で「焼き焦がすもの」という意味が由来の星です。実際、もっとも輝きが強い星でもあります。これは、シリウス自体が強い光を放っているのではなく、シリウスが地球から約8.6光年という近い距離に位置するためです。
宇宙の星はどのように生まれて、最後はどうなるの?
宇宙に存在している星はどのように生まれるか知っていますか?そして、最後はどうなってしまうでしょうか。
・星の生まれ方
星は、水素とヘリウムのガスによってできています。かつて宇宙はビッグバンという現象によって誕生しました。ビッグバンが起こったときに大量の水素とヘリウムのガス、ほかに炭素や酸素などのチリができました。わたしたちが見ることのできる星は、このガスからできています。このガスが存在する場所を「分子雲」と呼びます。
はじめに分子雲の中にあるガスが重力によって縮み、100万年ほどの長い年月をへて、星のたまごともいえる「原始星」が生まれます。次に、原始星の周囲にガスが集まり、形をつくります。原始星の内部の圧力が高まると、「核融合反応」と呼ばれる星のエネルギーのもとになる現象が始まり、水素原子からヘリウムが作られるようになります。この核融合反応によって、星は恒星としてどんどんと成長していくのです。
・星の一生の終え方
星の一生は、その重さによって異なります。太陽の8倍の重さよりも軽い星は、寿命がくるとゆっくりと形を失っていきます。そして、中心にちいさな天体が残りますが、徐々に見えなくなっていきます。重い星は、燃え尽きたあとに星全体が一気につぶれます。その反動で衝撃波が生じ、星全体を吹き飛ばすことで「超新星爆発」と呼ばれる現象を引き起こします。そして、重い星は一生を終えます。
星に関する自由研究をしてみよう!
星に興味が出てきたら、実際に観察などの研究をしてみましょう。
・星座の観察
公園など空が広く見える場所に移動し、できるだけ暗い時間に観察しましょう。安全のために、大人の方が付き添っていることがよいです。「星座早見」を、星座を観察する日時に合わせます。(星座早見はインターネットで購入できるほか、パソコンとプリンターがあれば印刷もできます。)方位磁針で方位を確かめ、探す星座を決めて観察を始めます。観察した日時や場所、明るさや雲の量などを記録し、見つけた星座を記録しましょう。
・星が動いていることの観察
星が集まっているところや、星座の位置を探して、例えば午後7時ごろと午後8時ごろにどの位置に見えるかを記録します。また、午後9時ごろにはどの位置にあるかを予想してみるとよいでしょう。
・月の満ち欠けの観察
月は約2週間で半分満ち欠けします。満月からはじめると、欠けていく様子がわかりやすいためおすすめです。観察日と時間、月の形を記録し、月の形がどのように変わるかを毎日観察してみましょう。
星を観察して天体への学びを深めましょう
ふだん、わたしたちがなにげなく目にしている星空。実は想像もできないほどたくさんの星たちがあり、その中には古くから名前のついた星も存在することを知って、天体に興味を持った人もいるのではないでしょうか。有名な星座を観察したり、月の満ち欠けを調べたりといった自由研究を通して、ぜひ天体への学びを深めていってください。
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