地球が丸い理由って?昔の人は地球がどんな形だと思っていたの?

公開日: 2023/05/30

地球が丸いことは知っていても、普段の生活で地球の形を実感することはほとんどありません。科学技術が発展していなかった昔の人達には、地球が丸い事実を受け入れにくい時代もあったようです。この記事では、地球が丸い理由や、人類が地球の形をどのように考えてきたかの歴史について解説します。

目次
地球はどうして丸い形をしているの?
地球は丸いのに地面は平らに感じるのはなぜ?
昔の人は地球をどんな形だと思っていたの?
人類が考える地球の形は時代とともに変化してきた

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地球はどうして丸い形をしているの?

・地球が丸いのは重力があるから

地球だけでなく、良く知られている宇宙の星々の多くは球体をしています。これは、それらの星が持つ重力のはたらきによるものです。重力は星の中心に向かって物体を引き付ける力のことを指します。地球の重力は、地球の質量による引力と地球の自転による遠心力を合わせた力のことです。

その重力のはたらきによって、地球上の物体は地球の中心(地面の方向)に向かって落ちていきます。地表の出っ張った部分が崩れて低い場所に落ちていく現象がとても長い時間続いてきた結果、地球はおおむね丸い形が保たれています。

星の重力が強いほど、丸い形になろうとするはたらきは大きくなるので、十分な重力が発生しない小さい星はいびつな形をしていることがあります。例えば、小惑星探査機のはやぶさが着陸した「イトカワ」は、長さが500メートルほどしかなく、サツマイモのような長細い形をしています。

・地球の形は野球ボールのような丸じゃなくみかんのような形?

地球の形を正確に調べた結果、実際には完全な球形ではないことが分かっています。その理由の一つは、地球の自転による遠心力(回転する物体が外側に引っ張られる力)によって赤道付近が少しだけ拡がっているためです。

重力の大きさは距離の2乗に反比例する(距離が離れるほど弱くなる)法則があるので、赤道で受ける重力は北極や南極で受ける重力よりも少しだけ弱くなります。そのため、普段私たちが使用しているような体重計を使用した場合、北極や南極で測定した値よりも、赤道付近で測定した値の方が約0.5%小さくなります。

地球は丸いのに地面は平らに感じるのはなぜ?

・人間に比べて地球があまりに大きいから!

地球の大きさに対して、私たち人間が見ることができる範囲は非常に限られているため、地球が丸いことを実感することはとても困難です。見晴らしの良い日に富士山の頂上に立ったとしても、目に映る地平線までの距離はせいぜい数百キロメートルが限界です。これを地球の外周の長さ(約40,000キロメートル)と比べると、バスケットボール表面上の数ミリメートルぐらいの距離に相当します。そんなに狭い範囲では、バスケットボール全体の形を認識するのは難しいですね。

・海でわかる!地球が丸いことを確かめる方法!

地球はとても大きいとはいえ、上手く条件を設定すると、地球の丸さを実感できます。遠くの海からこちらに向かってくる船を観察すると、まず船の帆先が見えた後、少しずつ船の下の部分が見えてきます。このように船と見晴らしのいい海を利用して、遠くの海の水面の高さが自分のいる位置の水面の高さよりも低くなっているのを確認できます。

昔の人は地球をどんな形だと思っていたの?

・大昔の人は地球を水に囲まれた平らな円盤だと考えていた!

現代のように飛行機や遠くまで安全に航海できる船がなかった大昔には、人類は自分たちが生活している大地を中心とした宇宙観を持っていました。世界各地で発生した文明のそれぞれに特徴はありますが、多くの例で共通する点は、地球(大地)は平面であること(地球平面説)です。平面の大地の周囲は水(海)に囲まれていて、太陽や月、その他の星々は、大地を覆うような蓋の部分を通過していると考えていました。

・古代ギリシャ時代に気付いた!地球は実は丸いかも?

今から2500年ほど前のギリシャには、地球が丸いことに気づいた人達がいました。特に、現在の学問に大きな影響を与えたアリストテレスという偉大な学者は、月食の時に月に映る丸い影が、地球が丸いことの証拠だと気が付きました。

さらに、古代ギリシャでは優れた天体観測法と航海の技術が進んでいたことも地球が丸いことに気づく重要なポイントになりました。ギリシャ人は船で遠くに移動できたので、赤道の近くと北の地方では星の見え方が違うことも実際に確認できました。先ほど説明したような、船の帆先から少しずつ船の下の部分が見えてくる現象を見る機会も多かったと推測されます。

・大航海時代に証明された!地球は本当に丸い!

一部の学者が、観測結果などを元に地球が丸いらしいという予想をしたとしても、実際に地球の形を確かめるのは簡単ではありませんでした。本当に地球が丸いのであれば、同じ方向に進み続ければぐるっと1周して元の場所に戻ってくることができるはずです。これを世界で初めて実現してみせたのは、大航海時代の冒険家であるフェルディナンド・マゼランが率いた艦隊です。マゼランはスペインから船で南アメリカ大陸に到達し、その後太平洋を横断、東南アジアの島々を経由してアフリカ大陸に向かいました。

アフリカ大陸を回りこんで、スペインに戻ってきたのは航海を始めて3年後の1522年でした。ちなみに、マゼラン自身はこの航海の途中で戦死していますが、生き残った部下たちによって世界一周が達成されています。

・日本人が地球を丸いと知ったのは戦国時代!

大航海時代のヨーロッパからは、アジアにも多くの船が訪れていました。当時の日本は戦国時代の真っ只中で、一部の戦国大名はヨーロッパの知識を積極的に吸収しようとしていたことが知られています。有名な織田信長は、ヨーロッパの宣教師から送られた地球儀を持っていたようです。

・20世紀には宇宙から観測!青くて丸い地球を撮影!

20世紀になると人類が宇宙に行くことが可能になり、ついに人類がその目で丸い地球を確認できるようになりました。宇宙に行くための技術は、第二次世界大戦の後、アメリカとソビエト連邦の軍事的な競争の一環として急速に発展しました。1961年には、ソビエト連邦の宇宙飛行士であるガガーリンが、世界で初めての有人宇宙飛行を成功させました。ガガーリンが言ったといわれる「地球は青かった」という言葉は、初めて宇宙から地球を見た人の言葉として広く知られています。

人類が考える地球の形は時代とともに変化してきた

私たち人間が当たり前のように生活している大地について、人類は大昔からいろいろな想像をしてきました。科学技術の進歩によって人間が地球上のあらゆる場所に移動できるようになり、現在では宇宙から地球を見ることもできます。

かつては世界の中心と考えられてきた地球も、現在では広い宇宙に無数に存在する星の一つにすぎないことが判明しています。世界の中心ではなくなったとしても、生命が存在できる地球の尊さについては、多くの人に変わらず認識され続けています。

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