恐竜絶滅はいつの時代?たくさんいた恐竜が絶滅してしまった理由
公開日: 2023/08/31
人類がまだ誕生していなかった遠い昔、巨大な恐竜が地球上を支配していた時代がありました。しかし、古い化石などから得られる情報によると、過去のある時点を境にそれらの恐竜たちが生きた形跡が急に途絶えています。いったい、恐竜たちに何が起きたのでしょうか?この記事では恐竜が生きた時代と、恐竜が絶滅した理由について解説します。
- 目次
- 恐竜が地球に誕生したのは2億3千年前くらい!たくさんいた中世代ってどんな時代?
- 地球に隕石が衝突!絶滅した恐竜と生き延びた鳥類
- 恐竜絶滅の理由は巨大隕石衝突説がとても有力であるものの、他にも説がある
- 巨大隕石衝突説だけじゃない!恐竜が絶滅した理由
- 恐竜絶滅の謎は現在でも多くの人を魅了し続けている
恐竜が地球に誕生したのは2億3千年前くらい!たくさんいた中世代ってどんな時代?
恐竜が生きていたのは、中生代と呼ばれる時代です。中生代はおよそ2億5千万年前から6600万年前頃の時代のことで、中生代に入る直前には、地球上の生物の大部分が死滅する大量絶滅が起きたと考えられています。
・恐竜の生きていた中生代は古いほうから「三畳紀(さんじょうき)」「ジュラ紀」「白亜紀」に分けられる
中生代は、さらに三畳紀、ジュラ紀、白亜紀の3つの時代に分けられます。これらの時代の境界は、当時の地層から推定される気候や生物種によって定められています。
・三畳紀
この時代の陸地は現在の大陸のように分かれておらず、大陸同士がくっついた「パンゲア大陸」とよばれる塊でした。三畳紀から白亜紀の間にこのパンゲア大陸が分離したことで地理的な隔たりが生まれ、それぞれの地域で特性が異なる生物への進化が促されました。
これまでに見つかった最古の恐竜の化石から、最初の恐竜が現われたのは今から2億3千万年ほど前の三畳紀の後半であると考えられています。最初期の恐竜は、体長が大きくても2.5メートル程度で、陸上で素早い2足歩行ができる爬虫類でした。
・ジュラ紀
三畳紀からジュラ紀に移り変わる時代にも、大量絶滅があったと考えられています。大量絶滅が起こる時代には生物種間の競争が激しくなり、生き残った生物種が大きく繁栄するきっかけとなります。
ジュラ紀の気候や大気中の二酸化炭素濃度は、光合成を行う植物の成長に適したものでした。光合成とは、太陽の光のエネルギーを使って大気中の二酸化炭素から栄養を作り出す働きで、温暖な環境で効率が良くなる特性があります。ジュラ紀に起こった植物の生育範囲の拡大や大型化は、植物を栄養源とする動物たちの繁栄にもつながります。恵まれた気候の影響もあって、この時代に恐竜の進化や大型化が進みました。この時代には恐竜の一種から現在の鳥類につながる種が生まれたと考えられています。
・白亜紀
白亜紀は1億4500万年前ごろに始まり、6600万年前まで続きます。白亜紀の気候は比較的温暖で、動植物の成長に適した環境が維持されていました。
白亜紀は恐竜がさらに繁栄した時代です。白亜紀には恐竜の進化が進み、地球上のさまざまな場所に多種多様な恐竜が出現しました。よく知られているティラノサウルスやトリケラトプスは、この時代に繫栄した恐竜です。しかし、そんな恐竜たちは、白亜紀末期を境に地球上から一斉に姿を消してしまいます。
地球に隕石が衝突!絶滅した恐竜と生き延びた鳥類
隕石の衝突によって恐竜が絶滅したことを耳にしたことがある人は多いかもしれません。でも、なぜ隕石の衝突で恐竜が地上から姿を消してしまったのでしょうか。ここではその背景やシナリオについてお伝えします。
・恐竜が絶滅したのは今から約6600万年前
現在に恐竜の痕跡を伝える化石などの研究によって、恐竜が姿を消したのは約6600万年前であることが分かっています。同じタイミングであらゆる生物に及ぶ大量絶滅が起こり、恐竜を含む地球上の生物全体の7割ほどの種が絶滅したと推定されています。
・隕石の衝突により大量の塵が発生して太陽光線がさえぎられる
恐竜の絶滅の原因として、とても有力と考えられているのは隕石の衝突です。メキシコのユカタン半島には、この時代にできた直径160キロメートルのクレーターが発見されています。このクレーターの大きさから、この隕石の正体は直径10キロメートルを超える小惑星だったと推定されています。
この巨大な隕石の衝突が地球環境に大きな変化を引き起こし、恐竜の絶滅に至ったシナリオが想定されています。
*地球が寒冷化
巨大な隕石が地球に衝突すると、大量のチリが大気中に巻き上げられます。このチリが太陽の光を遮ってしまった結果、地球の気温が大きく低下した可能性があります。
*植物が激減
太陽光線が遮られ、気温が低下すると、光合成を行う植物の成長が難しくなります。光合成によって十分なエネルギーを確保できない植物は、急激にその量を減らすことになります。
*植物食恐竜の絶滅
植物の量が減ると、その植物を栄養源としていた植物食恐竜が生存できなくなります。温暖な気候でよく生育する植物を食べるため大型化が進んでいた恐竜たちは、必要とする植物の量も多く、この時代を生き抜くことは困難です。
*肉食恐竜の絶滅
植物食恐竜の数が減れば、その植物食恐竜を食べる肉食恐竜の数も減っていきます。このように、植物の減少が草食動物に影響を与え、草食動物の減少が肉食動物に影響を与え、食物連鎖の流れに沿って、絶滅の連鎖が起こったと考えられています。
*恐竜の系統群で鳥類だけが生き延びた
この6600万年前の大量絶滅ですべての恐竜は絶滅しました。しかし、現在でも地球上で繁栄している鳥類は、当時の恐竜から進化した、いわば恐竜の子孫であると考えられています。
恐竜絶滅の理由は巨大隕石衝突説がとても有力であるものの、他にも説がある
恐竜の絶滅を引き起こした原因は隕石の衝突であるのが、現在の定説です。しかし、当時の地球では、隕石の衝突の他にも大きな影響を与える現象が起きていた可能性が指摘されています。
巨大隕石衝突説だけじゃない!恐竜が絶滅した理由
実は、恐竜が絶滅した理由として、隕石の衝突以外にも諸説あるとされています。今回はそのうちのいくつかの説を紹介します。
・火山活動説
恐竜の絶滅の原因として、隕石の衝突以外に有力視されているのが火山活動説です。隕石衝突後の地球寒冷化のシナリオは、火山の噴火によって大気中に大量のチリが噴出した理由でも説明可能です。また、火山活動によって放出される二酸化炭素などの温室効果ガスによって地球が温暖化した可能性もあります。実際に、インドのデカン高原では、実際に、白亜紀末期ごろに大規模な火山活動があった形跡が確認されており、当時の火山活動が地球環境に与えた影響が研究されています。
・海洋変動説
なんらかの理由で、当時の海と陸地に大きな変化が生じた説もあります。例えば、陸地に対して海水面が下がったことで多くの陸地が干上がり、生態系に大きな影響を与えた可能性が考えられます。反対に、近年地球温暖化の影響として懸念されているように、海水面が上昇した結果、生物が生息できる陸地が小さくなって生態系のバランスが乱れた可能性も想定されています。
恐竜絶滅の謎は現在でも多くの人を魅了し続けている
約6600万年前、地球上を支配していた恐竜たちは突然姿を消してしまいました。現在の所、隕石の衝突が恐竜の絶滅を引き起こしたと考えられていますが、他の要因が複合していた可能性も残ります。6600万年前に何が起こったのかを明らかにするため、現在でも地球の環境と恐竜たちの生態の両面から研究が進められています。
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