ハットトリックとは?できたらサッカーの試合でヒーロー間違いなし!

公開日: 2023/08/31

サッカーの試合やニュースで、ハットトリックという言葉を聞いたことがありますか?これは、サッカーでよく使われている言葉で、得点力の高さを証明する勲章としての意味合いがあります。 この記事では、ハットトリックとは何か?の解説に加え、ハットトリックの語源や、ハットトリックより凄いプレーの呼び名、サッカー以外のスポーツでのハットトリックの使われ方などを紹介します。最後まで読むと、さまざまな面からハットトリックについての知識を得られますよ。

目次
試合でヒーローになれちゃう!サッカーのハットトリックとは?
ハットトリックに関する凄い記録!ギネス記録を持っていたのは日本人選手!
帽子がプレゼントされたから!ハットトリックの始まりは?
サッカーでハットトリックより凄いプレーの呼び方は?
サッカー以外のスポーツでもハットトリックってあるの?
ハットトリックは皆が興奮する特別なもの!

試合でヒーローになれちゃう!サッカーのハットトリックとは?

サッカーのハットトリックとは、1人の選手が1試合で3ゴールを決めることです。サッカーは得点が入りにくいスポーツなので、1点も入らずに試合が終わることも珍しくありません。

例えばJリーグでは、1試合の平均得点は1.26点(2022年度/J1)です。そのためハットトリックを達成すると勝利の確率が高くなりますし、その偉業にヒーローのような扱いを受けられるかもしれません。

ハットトリックに関する凄い記録!ギネス記録を持っていたのは日本人選手!

ハットトリックに関するギネス記録は、元日本代表の中山雅史(ゴン中山)選手が2つ持っていました。連続記録と、最速記録です。まずは、1998年にJリーグで4試合連続ハットトリックを記録。2016年にクロアチアの選手が5試合連続ハットトリックを達成するまで、実に18年もの間ギネスに認定されていました。

ただし、クロアチアの選手の記録は地域リーグのもの。国内トップリーグに限定すると、未だ中山選手の連続記録は破られていません。2000年には、試合開始後3分15秒でハットトリックを達成。国際試合における最短ハットトリックを樹立しました。

これらはとても名誉な記録だといえるでしょう。当時は新聞などが大きく取り上げ、中山選手の功績を称えていました。

帽子がプレゼントされたから!ハットトリックの始まりは?

ハットトリックという言葉は、サッカー用語のように思っている方も多いのではないでしょうか。ハット(hat)は帽子、トリック(trick)は奇術を意味しているのですが、実はイギリス発祥のクリケットという球技で使われたのが始まりのようです。

クリケットは野球の元になったスポーツで、インドなどの南アジア諸国では圧倒的な人気を誇っています。投手(ボーラー)はボールを投げてウィケット(木製の門のような形をしたもの)を倒すとアウトを取れ、打者(バッツマン)はそれをされないようボールを打ち返します。

3人の打者を連続でアウトにするのはとても大変で、野球で3球3振を奪うよりも困難といわれます。そのため、その奇術を使ったかのようなすごいプレーを褒め称えて、観客たちがお金を出し合って選手に上等な帽子を贈りました。これがハットトリックの由来です。

サッカーもイギリスで人気があるスポーツなので、同じイギリス発祥のクリケット由来の用語があるのは不思議ではないでしょう。

サッカーでハットトリックより凄いプレーの呼び方は?

ハットトリックの達成は困難ですが、更に難易度の高いプレーがあります。ここではその凄いプレーの種類と呼び方を3つ紹介します。

・ダブルハットトリック

同じ選手が1試合で6ゴール決めることです。ハットトリックの2倍(ダブル)の6ゴールなので、ダブルハットトリックといいます。チーム全体で6ゴールを決めることも非常に稀なので、大きな力の差や運がない限りお目にかかることができないプレーです。

Jリーグの試合では、ダブルハットトリックを達成した選手はたった1人しかいません。そのときの得点は8点で、1試合の最多得点選手として記録されています。(2023年7月時点)

・トリプルハットトリック

同じ選手が1試合で9ゴール決めることです。ハットトリックの3倍(トリプル)の9ゴールなので、トリプルハットトリックといいます。

ちなみに、4・5得点はハットトリック、7・8得点はダブルハットトリックと呼び名のままです。3得点ごとに呼び名が変わると覚えておくとよいでしょう。

・パーフェクトハットトリック

右足、左足、頭でそれぞれ1回ゴールを決めることをパーフェクトハットトリックと呼びます。ただ点を取るだけでなく、シュートを打つ部位の指定があることで、達成の難易度が格段に上がっています。

サッカー以外のスポーツでもハットトリックってあるの?

クリケットが由来のハットトリックという言葉。サッカーに限らずラグビーやホッケーなどの他のスポーツでも使われていて、3つ達成するのが困難な事柄にその名前がついています。

詳しい事柄がわからなくても、「ハットトリック=凄い」とイメージは伝わりやすいかもしれません。どのようなスポーツのどのような場面でハットトリックが使われているのかをご紹介します。

・ラグビー

同じ選手が1試合で3回のトライかドロップゴールを決めることをハットトリックと呼びます。
トライとは特定のエリアでボールを地面につけて得点する、ドロップゴールとはワンバウンドさせてからボールを蹴ってゴールに入れることをいいます。

・ホッケー

アイスホッケーやフィールドホッケーも、サッカーと同じように、得点が困難なスポーツです。同じ選手が1試合で3ゴール決めることをハットトリックといいます。NHL(北アメリカのプロアイスホッケーリーグ)などでは、帽子をリングに投げ入れる風習が続いています。

・野球

1イニング(回)の間に、投手が3人の打者を3球3振させることをハットトリックといいます。「3者凡退」と言葉があるように、3人連続でアウトを取ることは珍しくありません。しかしそれぞれ3球ずつとなると難易度が大きく高まります。ハットトリックと呼び名はついていませんが、メジャーリーグでは、1試合でホームランを3本打った選手にファンが帽子を投げて祝福したこともあります。

・モータースポーツ

F1などのモータースポーツでは、1つの大会で「ポールポジション」「決勝レースでのファステストラップ」「優勝」の3つを取ることをハットトリックと呼びます。ポールポジションは、決勝レースの1番前のスタート位置のこと。予選で最速のラップタイムを記録するとこの位置に入れます。ファステストラップは、1周あたりのタイムが1番早いドライバーやそのタイムを指します。上記の3つに加えて「決勝レースで全ての周回で1位」を達成すると、グランドスラムと呼びます。

・ダーツ

ダーツは、1スロー(回)で3本のダーツを投げます。3本全てがダーツボードの中心のブルエリアに入るのがハットトリックです。ブルエリアは2重円になっていて、3本全てを1番内側のインブルに入れると「スリー・インザ・ブラック」となります。

・登山

1年の間に、8,000メートル級の山を3つ登頂するのもハットトリックといいます。標高8,000メートル級の山は世界で14座あります。その頂上付近は酸素濃度や天候、地形などにおいて非常に過酷なため、トレーニングを積んだ人しか達成できないものです。また、1日で3つの山を縦走(山頂から下山せずに、そのまま次の山に向かうこと)することを3座ハットトリックと呼ぶ人もいます。

ハットトリックは皆が興奮する特別なもの!

ハットトリックについて解説しました。非常に困難なプレーなので、達成も見るのも稀なことが伝わったかと思います。しかしそれだけ特別で、プロに限らず社会人サッカーや学生のサッカーでも、ハットトリックを達成したら注目間違いなしです。チームの勝敗だけではなく、個々の選手の記録に注目するのも面白いかもしれません。

この記事をいいねと思ったらクリック!

1ワンダー