あなたが向いているバスケットボールのポジションは?それぞれの役割と求められるテクニック

公開日: 2022/06/30

バスケットボールを始めるとき、まず自分がどのポジションに向いているのか、迷ってしまうかもしれません。そもそも選手全員が状況に応じて攻めと守りの両方を担うバスケットボールでは、それぞれのポジションの役割がどのように分担されているのかを理解するのも、最初のうちは時間がかかります。

この記事ではバスケットボールの基本的なポジションや、それぞれの役割、求められるスキル、そしてどのような人が向いているかについて、詳しく解説します。自分自身や子どもがこれからバスケットボールを本格的に始めようと思っている時の参考にしてください。

目次
各ポジションの紹介
5つの基本ポジション
ポイントガードの役割・必要なテクニック・どんな人が向いている?
シューティングガードの役割・必要なテクニック・どんな人が向いている?
スモールフォワードの役割・必要なテクニック・どんな人が向いている?
パワーフォワードの役割・必要なテクニック・どんな人が向いている?
センターの役割・必要なテクニック・どんな人が向いている?
最初はポジションにこだわりすぎないで
現代バスケは全てのテクニックが必要
将来の身長はわからない
競技全体への理解を深めることが大切
まとめ 早い段階で決めつけず、全ポジションの経験を

各ポジションの紹介

まずはバスケットボールにおける各ポジションの役割と求められる能力について、それぞれ紹介していきます。

5つの基本ポジション

バスケットボールのポジションは基本的に5つ――ポイントガード・シューティングガード・スモールフォワード・パワーフォワード・センターに分類されます。


各ポジションは1〜5の番号で呼ばれることもあります。

1番 → ポイントガード
2番 → シューティングガード
3番 → スモールフォワード
4番 → パワーフォワード
5番 → センター

このポジション分けはあくまで「基本」であり、戦術によってはシューティングガードのかわりにポイントガードを2名同時に起用したり、センターを控えに置いてパワーフォワードを2人同時起用したりといった例外もあります。しかし、多くのチームでは上記5分類で各ポジション1人ずつ出場することが一般的です。

ポイントガードの役割・必要なテクニック・どんな人が向いている?

・ポイントガードの役割とは?

ポイントガードの役割とはいわば「コート上の監督」です。チーム全体のオフェンスやディフェンスの指揮をとります。

ここでこんな疑問を抱くかもしれません。「ベンチにいる監督が基本的な戦術の指示を出すはずなのに、なぜチーム内にもう1人、司令塔が必要になるのか?」

その理由は、相手チームが裏を取ろうとしてくるため、常に予想外の状況が発生するバスケットボールという競技の特性があります。状況に合わせ、攻めと守りのバランスを柔軟に判断し、瞬時に指示を出すことでチーム全体の意思統一を図るのがポイントガードの役割なのです。

かつては低身長の選手が担当するポジションと見なされていましたが、最近では大型化が進み、ある程度の身長が要求されるケースも増えました。

・ポイントガードに必要なスキルとは?

ポイントガードに主に必要なスキルは、コミュニケーション能力、ボールハンドリング、パスの正確性、ゴールに向かってドライブしていく能力など多岐にわたります。

コート上の監督という役割上、監督やチームメイトとのコミュニケーション能力は必須です。監督の言葉を理解した上で、状況を瞬時に判断し、明確な指示を出すことによってチームの意思統一を図ることが求められるからです。

ドリブルやフェイントによってボールを自由自在に操るボールハンドリング能力もポイントガードにとって、自陣から敵陣へとボールを運ぶ上で大切な能力です。

相手ディフェンスの穴を見つけ、カットされることなく正確にパスする能力や、ドリブルしながらゴールに近づいていくドライブの能力も求められます。厳しいマークのスキを突いてインサイド(ゴール近く)へドライブすることで、効率よく得点を狙うことができるからです。

・ポイントガードに向いている人

ポイントガードに向いている人は相手の伝えたいことをしっかりと理解し、自分の意志をわかりやすく周りに伝えられる人です。また、自チームの強みを把握し、相手チームの弱みを最大限に突く戦術を選択する上で必要な、分析する力のある人が向いています。

シューティングガードの役割・必要なテクニック・どんな人が向いている?

・シューティングガードの役割とは?

シューティングガードは主にゴールから遠いアウトサイドからシュートを狙うことを求められます。

先ほども触れた通り、バスケットボールはインサイドからのシュートが最も得点効率が良いため、相手チームはインサイドからの得点を最優先で防ごうとします。

インサイドを固められた場合、アウトサイドのディフェンスが緩くなることがあります。シューティングガードはそのスキをついてシュートを狙うことが求められるのです。

この他、シューティングガードはドライブをしてゴールを狙ったり、自陣から敵陣へとボールを運んだりといった役割を担うこともあります。

・シューティングガードに必要なスキルとは?

シューティングガードに必要なスキルは、高い確率でスリーポイント(以下3P)シュートを決める能力、ゴールに向かってドライブしていく能力、ボールハンドリング能力などです。

現代のバスケットボールでは3Pシュートの重要性が高まっています。3Pシュートを高い確率で決められる選手がいることで、相手チームはより広い範囲を守らなければいけなくなります。その分、インサイドにスペースが生まれやすく、オフェンスを有利に進められるようになります。

さらに、相手ディフェンスが3Pシュートを警戒し、外に出てきたときに空いたリング周りのスペースをドリブルでドライブし、得点を狙うことも可能になります。

また、ポイントガードの補助として自陣から敵陣にボールを運ぶ役割もあるため、高いハンドリング能力が必要とされます。

・シューティングガードに向いている人

シューティングガードに求められるのは、失敗を恐れない気持ちです。

というのも、シューティングガードにとっては3Pシュートを撃ち、相手にプレッシャーを与え続けること自体がとても重要な仕事だからです。99本続けて外しても、次の1本は絶対に決めるというように、失敗を恐れないで思い切りの良いプレイをできる人がシューティングガードに向いているといえます。

スモールフォワードの役割・必要なテクニック・どんな人が向いている?

・スモールフォワードの役割とは?

スモールフォワードは、チームのエースであるケースが多いポジションです。パスを受けて様々なエリアからシュートを狙う他、独力でチャンスメイクすることも求められます。

ディフェンスのマークを外してフリーの状態でシュートを狙ったり、ディフェンスとの1対1を制して得点を狙ったりすることもあります。

・スモールフォワードに必要なスキルとは?

スモールフォワードに求められるのは、3Pシュートを決める能力や、相手マークをかわすドライブのテクニックなどです。

最近では、3Pシュートの成功率の高さがスモールフォワードに求められる傾向が強まっています。そこを起点としてドライブや味方へのパスなど、さまざまなオフェンスパターンが展開できるからです。

・スモールフォワードに向いている人

スモールフォワードには状況をよく見て、瞬時に相手の裏を突く判断力、行動力を持つ人が向いています。


高い確率でシュートを決め続けるためには、相手の裏をついてマークを外すことが必要になります。そのためには、ディフェンスの狙いを先読みし、その裏をかくことができるよう、さまざまなパターンでシュートを撃てる能力が大切になります。

パワーフォワードの役割・必要なテクニック・どんな人が向いている?

パワーフォワードの役割とは?

パワーフォワードはゴール周辺からシュートを狙うことが多く、一般的には身長の高い選手が務めることが多いポジションです。

また、オフェンスを有利にするため3Pシュートも狙うこともあります。パワーフォワードが3Pエリアまで出て、相手の選手をゴール下から釣り出すことで、味方のスモールフォワードなどにとってドライブがしやすい状況を作ることができるのです。
また、ゴール周辺でプレイすることが多いため、リバウンド(相手選手がシュートを外したボール)を取ることもパワーフォワードが担う重要な役割です。
リバウンドを確実に取れるかどうかは、ゲームの勝敗に大きく関わるからです。

パワーフォワードに必要なスキルとは?

パワーフォワードは、リバウンドやシュートで相手選手に負けないための高い最高到達点、3Pシュートなどのアウトサイドシュートの能力、リング周りなどでの体のぶつけ合いで勝利するパワーなどが求められるポジションです。

パワーフォワードに向いている人

パワーフォワードに向いているのは、体のぶつかり合いを恐れない人です。ゴール近くでプレイすることが多いパワーフォワードは、相手との接触を恐れずにプレイできることが大切だからです。

センターの役割・必要なテクニック・どんな人が向いている?

センターの役割とは?

センターは最もゴールに近い位置でプレイするポジションです。主にインサイドシュートを狙ったり、インサイドに相手を引きつけてアウトサイドにパスを出したり、リバウンドを取ったりといった役割を担います。

センターはチームで最も身長の高い選手が務める傾向があります。インサイドでプレイする時間が長く、インサイドシュートを狙ったりリバウンドを取ったりすることが求められるからです。
ゴール近辺でセンターがボールを持つと、相手ディフェンス全体がシュートを警戒し、ゴール近くに縮まります。この時、別の位置にノーマークができることが多く、的確にパスを通す力が要求されることになります。

センターに必要なスキルとは?

センターに必要とされるスキルは、ゴール周辺から狙うシュートの成功率の高さ、最高到達点の高さ、ぶつかり合いで負けない体の強さなどです。

身長が高く、ゴールの近くでプレイする傾向のあるセンターは、インサイドシュートを高い確率で決める能力が期待されます。さまざまなステップや撃ち方でシュートを放ち、得点を奪うスキルが必要です。

リバウンドの獲得もセンターにとって大切な役割。身長が高いセンターがリバウンドを獲得することで得点のチャンスが生まれ、ディフェンスにおいても相手のシュートを防ぐことに繋がります。

狭いインサイドでのプレイに必要となるのが体のぶつかり合いにおける強さです。シュートを決めたりリバウンドを獲得したりするためには、相手選手に負けない体の強さが求められます。

センターに向いている人は?

センターに向いているのは、身長が大きく、体のぶつけ合いを恐れない強い精神を持ち、周りの動きを冷静に見る能力がある人です。

また、味方を信頼できるということもまた、センターに求められる大切な素質の1つです。というのも、厳しくマークされ、シュートを決めることが難しい状況では、味方へのパスによって有利な状況を生み出す可能性が開けるからです。

最初はポジションにこだわりすぎないで

ここまでバスケットボールの5つのポジションについて、それぞれの基本的な役割、そしてどのような人が向いているのかについて解説してきました。自分に向いているポジションを見つけることができたでしょうか? 実は子どものうちは、どのポジションが最も自分に向いているかを気にしすぎるよりは、全てのポジションを経験する方が、長い目でみれば効率的な上達につながるといえます。

現代バスケは全てのテクニックが必要

かつてのバスケットでは、ポジションごとにその役割がはっきりと分かれていました。現代のバスケットは各ポジションに本来求められている役割の範囲を超えたプレイが増え、1人ひとりの選手にさまざまな能力が要求されるようになりました。

例えば、ポイントガード同士の対戦で身長差がある場合は、身長が高い方がインサイドまで進入して得点を狙いやすくなります。センターも、外側に出て3Pシュートを狙ったり、司令塔としてインサイドにいるガードの選手へパスを出したりといったプレイが珍しくありません。

各ポジションに求められる役割が増えた結果、全てのポジションの選手が、バスケで求められるあらゆるスキルを一定以上持つことが求められるようになりました。ポジションにこだわらず、できるだけ多くのスキルを身につける必要性が増しているのです。

将来の身長はわからない

身長が高いとセンターやパワーフォワードなど、インサイドでのプレイで活躍したいと思いがちです。しかし子どものうちに、現在の身長に基づいてこのようにポジションを決めることはあまりおすすめできません。というのも、将来的にどれくらい身長が伸びるかは誰にもわからないからです。

たとえば身長170cm近くだった小学生時代にはセンターを務めていたがその後180cm近くで成長が止まり、高校ではガードを務めるという場合もあります。そんなとき、センターとしてのスキルだけを身につけていた場合、ゲームで活躍することが難しくなってしまいます。

反対のケースもあります。小学生で身長150cm台だったが、中・高で一気に190cmまで伸びた場合、スモールフォワードやセンターのスキルをある程度身につけていなければ、せっかくの体格を生かしたプレイを見せつけることが難しくなります。

子どものうちはできるだけ多くのポジションを経験し、それぞれの役割において必要となるテクニックを一定以上身につけておくことが大切です。

競技全体への理解を深めることが大切

全てのポジションを経験することは、バスケットボールという競技自体への理解度が高まり、上達が速くなるというメリットもあります。

例えば、センターを経験したことのあるポイントガードは、フォワードやセンターにパスを出す際、できるだけキャッチしやすいよう工夫できます。逆にセンターの選手がポイントガードを経験することで、より確実にパスを受けるための位置取りなどを判断できるようになります。


このように、子どものうちは全てのポジションを経験し、バスケットボールという競技全体への理解度を高めることでチーム全体がどのように動くかも予測することができるようになります。

まとめ 早い段階で決めつけず、全ポジションの経験を

バスケットボールには主に5つのポジションがあり、それぞれに求められる役割を理解することで、バスケットボールがさらに楽しめるようになります。さらには、効率的に上達することもできるでしょう。

自分に向いたポジションを見つけるためには、できれば全てのポジションをそれぞれ一度以上経験してみることが大切です。自分の能力についてあまり早い段階で決めつけることは避け、さまざまなことに挑戦し、自分の可能性を広げることでバスケットボールをいっそう長く、そして深く楽しめるようになります。

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