自由研究でプラスチックについて考えてみよう!おすすめアイデア3選

理科実験

ワンダー 4

公開日2025.08.04

プラスチックは、文房具やおもちゃ、ペットボトルなど、私たちの身の回りでたくさん使われているとても便利な素材ですが、その一方で、プラスチックごみが増えることで、海や自然が汚れてしまうという大きな問題も起こっています。 この記事では「プラスチック」をテーマにした自由研究にぴったりのアイデアを3つ紹介します。 楽しく学びながら、プラスチックとの上手なつき合い方を一緒に考えてみましょう!

この記事をいいねと思ったらクリック!

まずはプラスチックについて知ろう!

自由研究を始める前にプラスチックがどんなものか、今どんな問題が起きているのかを知っておきましょう。

プラスチックは何からできているの?

プラスチックは、主に「石油」から作られます。石油を加熱したり、化学の力で変化させたりして、いろいろな種類のプラスチックができます。もとの形を変えやすく、自由に加工できるのも大きな特徴です。

プラスチックのよいところは、以下のような点です。

*軽くて持ち運びやすい
*水にぬれても大丈夫
*壊れにくくて長持ちする
*電気を通さない
*いろいろな色や形にできる

おもちゃや食べ物の容器に電気製品など、さまざまな場面で使われています。

環境に影響を与える「プラスチックごみ問題」とは?

その一方で、プラスチックは大きな問題を抱えています。それは「ごみ問題」です。

ポイ捨てされたプラスチックごみは、自然の力で分解されて土に還るまでに数百年以上という非常に長い時間がかかります。
そして、川から海へと流れ出たプラスチックごみは海の環境を汚します。さらに、ウミガメがビニール袋を好物のクラゲと間違えて食べてしまうなど、海の生き物たちの命を危険にさらすこともあるのです。
この問題は、持続可能な世界を目指す国際的な目標であるSDGs(エスディージーズ)の目標14「海の豊かさを守ろう」にも深く関わっています。

小さなプラスチック「マイクロプラスチック」とは

海に流れ出たプラスチックは、波や日光にさらされて、どんどん小さく砕けていきます。5ミリ以下になったものを「マイクロプラスチック」と呼びます。マイクロプラスチックは目に見えにくく、回収が難しいため、海の生き物がえさと間違えて食べてしまうことがあります。
このようなごみは、海の生態系(生き物たちのつながり)にも悪い影響を与えるおそれがあるのです。

【自由研究1】身の回りのプラスチック製品を調べてみよう

わたしたちの家や学校には、どれくらいのプラスチック製品があるのでしょうか。
身近なところからプラスチックを探し出し、記録してみましょう。

準備するもの

*ノート、筆記用具
*カメラ(スマートフォンでもOK)
*はかり(必要に応じて)

自由研究のやり方

1.探す場所を決める
「キッチン」「自分の部屋」「文房具」などテーマを決めて探すとまとめやすくなります。

2.プラスチック製品を探して記録する
見つけたプラスチック製品の写真を撮り、名前や使われている場所や特徴(かたい、やわらかいなど)をノートに記録します。

3.分類してみる
使い道(容器・おもちゃなど)や種類(ペットボトル・食品トレーなど)で分けてみましょう。

4.気づいたことや考えたことをまとめる
「なぜここに多く使われているのか?」「プラスチックでなかったらどうなる?」など感じたことや考えたことを書きましょう。

注意点

*家の中を調べるときは、大人に声をかけてから行いましょう。
*小さな部品やとがったものにはさわらないように気をつけましょう。

発展アイデア

【低学年向けアイデア】
*写真やイラストを使って記録カードを作ってみましょう。
*どうやったらプラスチックごみを減らせるか考えてみましょう。

【高学年向けアイデア】
*家庭で1日に出るプラスチックごみの重さを数日間記録し、1か月、もしくは1年でどれくらいの量になるか計算してみましょう。
*住んでいる地域でプラスチック製品(ペットボトルやトレーなど)がどのように分別・回収されてリサイクルされているかを調べてみましょう。

【自由研究2】砂浜でマイクロプラスチックを集めてみよう

海に行ける機会があれば、砂の中にまざっているマイクロプラスチックを探してみましょう。この実験は、海洋ごみ問題を身近に感じるきっかけになります。

準備するもの

*スコップ、バケツ
*目の細かいザルやふるい
*ピンセット
*白い皿やトレイ(観察用)
*ノートとカメラ
*ごみを持ち帰る袋

自由研究のやり方

1.安全な砂浜を選ぶ
必ずおうちの人と一緒に行ける、安全な場所を選びましょう。

2.砂を集める
波打ちぎわに打ち上げられたごみがたまっている場所の砂をスコップでバケツに入れます。

3.砂とごみを分ける
バケツに海水を入れ、砂をよくかき混ぜます。砂は下に沈み、プラスチックなどの軽いごみが浮いてきます。

4.ザルでこす
上のほうの水をすくって、ザルでこします。残ったものからマイクロプラスチックをピンセットで取り出しましょう。

5.観察して記録する
集めたマイクロプラスチックを白いお皿の上に置き、色や形、大きさなどを観察して記録します。どんな色のものが多いか、何の破片かを考えてみましょう。

注意点

*夏の砂浜はとても暑くなります。帽子をかぶり、水分をとって、熱中症に気をつけましょう。
*生き物がいる場所なので、集めたごみはきちんと持ち帰って処分しましょう。

発展アイデア

【低学年向けアイデア】
*砂とマイクロプラスチックの違いを比べてみましょう。
*海岸には、他にどのようなごみが落ちているか観察してみましょう。

【高学年向けアイデア】
*違う場所の砂浜でも同じように調査し、集まるマイクロプラスチックの種類や量にちがいがあるか比較してみましょう。
*SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」について調べてみましょう。

【自由研究3】牛乳からプラスチックを作ってみよう

プラスチックは石油から作られますが実は牛乳に含まれる「カゼイン」というたんぱく質を使って、プラスチックに似たものを作ることができます。環境にやさしい土の中で分解されるプラスチックを作ってみましょう。

準備するもの

*牛乳 200ml
*お酢
*なべ
*コンロ
*布(こし布やガーゼなど)
*ボウル
*スプーン
*クッキーの型など

自由研究のやり方

1.牛乳を温める
なべに牛乳を入れ、コンロで温めます。沸騰(ふっとう)させないようになべのまわりがフツフツするくらいが目安です。

2.お酢を加える
火を止めてお酢を入れて混ぜると、白いかたまりができます。これは「カゼイン」というたんぱく質が変化したものです。

3.水分をこす
ボウルの上に布を広げ、なべの中身をゆっくりと流しこみます。布に残った白いかたまりを水分がなくなるまで手でしっかりと絞ります。

4.形を作る
布から取り出したかたまりを手でよくこね、粘土のような手触りになったら、クッキーの型で抜いたり好きな形を作ったりしましょう。

5.乾燥(かんそう)させる
形を整えたら、風通しのよい場所で数日間しっかりと乾燥させます。水分が完全になくなるとカチカチにかたいプラスチックのような物質になります。

注意点

*火や熱いなべを使いますので、必ずおうちの人と一緒に行ってください。
*牛乳は温かいうちにお酢を加えないと固まりません。
*実験で作ったプラスチックは食べられません。

発展アイデア

【低学年向けアイデア】
*普段使っているプラスチックとの違い(においや手触りなど)をまとめてみましょう。
*完成したカゼインプラスチックを土の中に埋め、時間とともにどう変化するか(分解されるか)を観察してみましょう。一般的なプラスチック片と比較すると、違いがよくわかります。

【高学年向けアイデア】
*お酢の量を変えてみて牛乳がかたまる様子や、できあがったプラスチックの性質(せいしつ)がどう変わるかを比較してみましょう。
*プラスチックごみ問題に対し、海外ではどのような対策が行われているか調べてみましょう。

自由研究を通してプラスチックと上手につきあう方法を考えよう

今回の自由研究を通してプラスチックがとても便利な反面、自然や生き物に悪い影響を与えることもあるとわかりました。
大切なのは「プラスチックを使わないこと」ではなく、「必要なときに正しく使い、正しく捨てること」です。
そのためには、ごみの量を減らす(リデュース)、繰り返し使う(リユース)、資源として再利用する(リサイクル)という「3R」の考え方が重要になります。

この夏休みの研究をきっかけに、ごみの分別に協力したり、マイボトルを使ったりなど自分にできる小さな行動を始めてみませんか。
一人ひとりの工夫が、未来の環境を守る大きな力になります。

コンテスト

関連記事

人気記事

関連動画

  1. ワンダースクール
  2. 部活トップ
  3. 自由研究特集
  4. 自由研究の記事一覧
  5. 自由研究でプラスチックについて考えてみよう!おすすめアイデア3選