ペットボトル噴水の作り方|準備する物と水が噴き上がる仕組みとは?

公開日: 2019/06/26

「楽しくてためになる自由研究のテーマはないかな?」 「身近なもので簡単に科学の実験をしてみたい」 そんなときにおすすめなのがペットボトルで簡単に作れる、ペットボトル噴水。ペットボトルの容器を使って、水が噴き上がる仕組みを学ぶことができます。 公園やショッピングモールなどで噴水を見かけたとき、どうしてあんなに勢いよく水が天に向かって噴き上がるのだろうと思ったことはありませんか?不思議なことが見つかったら、それは科学を学ぶ絶好のチャンスです。 それでは、ペットボトルとちょっとした道具だけで作れる、ペットボトル噴水で実験にチャレンジしてみましょう!

目次
ペットボトル噴水作りに必要な物
ペットボトル噴水の作り方
ペットボトル噴水の仕組み
ペットボトル噴水の実験動画
ペットボトル噴水で簡単に噴水の仕組みを学ぼう

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ペットボトル噴水作りに必要な物

500mlペットボトルの容器 2本
ストロー 2本
プラスチック用接着剤
ビニールテープ
キリ
ドライバー
マジック
ハサミ

ペットボトル噴水の作り方

1.ペットボトルのフタを2個用意して、接着剤をまんべんなくフタに塗り、合わせます。接着剤はムラがないように丁寧に塗りましょう。

・注意点
ペットボトルのフタは、必ず用意した2本のペットボトルのものを使いましょう。他のペットボトルのフタにすると、2本を締め付けるとき閉めづらかったり、閉まっても空気が漏れやすかったりする場合があります。

2.フタがくっついたら、ビニールテープでぐるぐる巻きにしましょう。テープがねじれないように、しっかりとキツく巻いていくのがコツです。

・注意点
ペットボトルのフタはポリプロピレン製のものが一般的です。木工用ボンドなどでは接着が難しいので、工作用のプラスチックに対応したボンドを使うようにしてください。フタの表面を接着したら、ボンドを両方から圧力をかけて、しばらく時間を置いておきましょう。

なお、横から見たときのフタとフタのすき間にも丁寧にボンドを塗って補強すると、しっかり接着ができます。ビニールテープはボンドで塗ってからすぐに巻いてもOKです。

3.次に、フタの内側からキリを通して2箇所穴をあけます。ちょうど豚の鼻のようなイメージの穴です。キリは尖っていて危ないので、フタをしっかりと持って、ケガをしないように注意して穴をあけましょう。

・注意点
キリの穴は6mm程度がおすすめです。さらに、穴と穴の間を3mmほど離すことがポイントです。あまり近すぎるとストローを差し込んだときに、折れてしまう可能性があります。

4.ドライバーなどを使って、キリであけた穴を大きくしていきます。タオルなどクッションになる布地の上にフタを置いて、ドライバーを垂直に突き立てて、ゆっくりと穴を大きくしていきましょう。穴のかたちはきれいな丸にならなくてもかまいません。3.と同じように、ケガをするので手で持って穴をあけないように注意してください。

・注意点
ドライバーで穴を大きくするときはあまり力を入れすぎないようにしてください。割れる原因になります。

5.2本のストローの曲がらない方の片端から約3センチのところと4センチのところにマジックでしるしを付けます。ハサミを使ってしるしのところに小さな穴をあけましょう。そして、ペットボトルのフタの穴にストローをそれぞれ差し入れます。このとき、ストローがそれぞれ1センチずつ外にはみ出るようにするのがポイントです。

・注意点
ストローをそのまま使うと長すぎるので、カットするとうまくペットボトルにハマります。なお、カットするのは蛇腹になっている側にしてください。また、ストローは直径が大きいものほど、噴き上がる時間が長くなります。いくつかの直径のストローを用意して、比べてみるとよいでしょう。

6.次に、片方のペットボトルの8分目くらいまで水を入れます。

・注意点
ペットボトルの肩ぐらいの位置まで水を入れます。あまり少なすぎたり、多すぎたりすると、噴水がうまくできないので後から水の量を調整してみましょう。

7.両方のペットボトルのフタをキッチリと閉めます。

・注意点
ボンドで接着していますが、力を入れると取れてしまいます。フタの部分をしっかりと持って閉めることが大切です。

8.フタが閉まったら、水が入った方のペットボトルを上にします。すると、ストローから水が噴水のように吹き出てきます。

・注意点
噴水を何度も楽しんでいると、水の勢いが落ちたり、水量が減ったりすることがあります。多くの場合、ペットボトルが割れて水漏れをしていたり、ペットボトルやストローのどこかに穴があいて空気が漏れたりしていることが原因です。ペットボトル噴水は一定期間楽しんだら消耗品だと思って、また新しいものを子供と一緒に作りましょう。

また、ペットボトルの容器を大きくすれば、その分大量の水で勢いよく噴き上がる噴水ペットボトルを作ることができます。ペットボトルの大きさを1Lや1.5L、2Lと変えていき、ストローの長さも変えていき、どのように噴水の勢いが変化するのかを比較するのも楽しい自由研究になるでしょう。

ペットボトル噴水の仕組み

ペットボトル噴水は、気圧と水圧の力を上手に利用したとてもシンプルな噴水です。ペットボトル噴水の原型は、古代ギリシャの数学者として活躍したヘロンという人が考えました。

ヘロンは紀元1世紀から2世紀にかけて、アレクサンドリアで活躍した科学者で、幾何学の「ヘロンの公式」をはじめ蒸気タービンの仕組みを発見するなど、現在にまで名を残しています。
ヘロンが紹介した化学の原理のひとつが、噴水の仕組みです。3個のタンクと3本のパイプを利用したもので、一般的にヘロンの噴水と呼ばれています。

今回の実験のポイントは、ストロー2本に2箇所ずつ穴があいていることです。この小さな穴があるかどうかで、噴水がうまく噴き上がるかが決まってしまいます。

最後に、水が噴き上がる仕組みについて説明しましょう。

まず、水の入ったペットボトルを上にしたとき、水は片方のストローAから下のペットボトルに落ちていきます。それにつれて、下のペットボトルの空気は、入ってきた水の分だけもう片方のストローBから押し上げられます。ストローBの2箇所の穴からさらに水が吸い込まれるので、空気と一緒に上へ持ち上げられ、上のペットボトル内で勢いよく水が噴き上がるのです。

この仕組みは、高等学校の化学の授業で学ぶことがある、「ベルヌーイの定理」を利用したものです。小学生に「ベルヌーイの定理」を説明しても、理解するのが難しいかもしれませんので、ストローの小穴が仕組みの鍵を握っていることだけを解説してあげましょう。

ペットボトル噴水の実験動画

今回の実験の手順がわかりやすく紹介されています。まず、最初に動画を見ながら作り方の流れをイメージしましょう。わかりづらいところは、動画をストップして、材料をチェックしながらちょっとずつ作ってみてください。
そして、ぜひ動画を見ながら実験してみてください。

ペットボトル噴水で簡単に噴水の仕組みを学ぼう

ペットボトル噴水は、ペットボトル2本とストロー2本というとてもシンプルな材料で水が噴き上がる仕組みが学べます。水の動きや空気の動きがどうなっているのか、水圧と気圧を知るきっかけになるおすすめの実験です。ぜひ、夏休みの自由研究の候補にしてみてはいかがでしょうか。

<参考>
日本ガイシ株式会社
https://site.ngk.co.jp/lab/no145/

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