カブトムシの育て方ガイド!卵・幼虫・さなぎを上手に育てるポイント

身近な疑問

ワンダー 3

公開日2025.08.18

夏の昆虫の王様といえば、カブトムシですよね。お店で買ったり、森で捕まえたりして「育ててみたい!」と思っている人も多いのではないでしょうか。 この記事では、成虫のカブトムシのお世話はもちろん、卵から幼虫、そしてさなぎへと成長する過程の育て方までを解説します。初めてカブトムシの飼育に挑戦する方でもスムーズに準備できるように、必要な道具や育て方のポイントも分かりやすくまとめました。 ぜひ、親子で一緒にカブトムシの飼育に挑戦し、小さな命の成長を見守ってみませんか。

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まずはカブトムシを育てる準備をしよう

カブトムシをおうちに迎える前に、安心して快適に暮らせる環境を整えてあげることが大切です。ここでは、飼育に必要な道具や、飼育ケースを置くのに向いている場所など、準備のポイントを紹介します。

カブトムシ飼育に必要な道具

カブトムシの飼育用品は、ホームセンターやペットショップ、昆虫専門店などでそろえることができます。初めてで何を買えばよいのか迷う場合は必要なものが1つになった「飼育セット」を選ぶと便利です。


*飼育ケース:フタ付きで、空気の通り道があるプラスチック製のケースを選びましょう。
*昆虫マット(土):カブトムシ専用に作られた「発酵マット」を使いましょう。これはカブトムシのすみかになるだけでなく、メスが卵を産む場所や幼虫のエサにもなります。
*エサ:成虫には、栄養バランスが良く管理も簡単な昆虫ゼリーがおすすめです。
*登り木・落ち葉:カブトムシがひっくり返ったときに起き上がるための足場になります。
*エサ皿:ゼリーをマットの上で転がりにくくし、清潔に保つために使います。
*霧吹き:マットの表面が乾いてきたときに、湿り気を与えるために使います。
*スプーン:ゼリーを交換したり、マットを掃除したりするときにあると便利です。

飼育ケースの置き場所と環境づくり

カブトムシは、暑さと直射日光がとても苦手です。そのため、飼育ケースは家の中でも涼しく、静かで直接日の当たらない場所に置いてください。玄関や、日が差し込まない部屋の隅などがよいでしょう。
また、マットの湿り気も大切です。マットの表面が乾いてきたら、霧吹きで水をかけてあげましょう。手で軽く握ったときに水がたれず、お団子のように固まるくらいがちょうどよい湿り気のサインです。

カブトムシを手に入れる方法

カブトムシは、7月〜8月上旬に行動が活発になります。この時期になると、ペットショップやホームセンターで購入できます。オスとメスのペア(つがい)で売られていることも多いです。
また、自分で捕まえに行くのも、夏の楽しい思い出になります。
カブトムシは夜行性なので、探しに行くなら早朝か夜がチャンスです。クヌギやコナラといった木の樹液が出ている場所に集まるので、昼間のうちに樹液の出ている木を探しておくのが見つけるコツです。

【注意】外国産のカブトムシについて
ヘラクレスオオカブトのような外国産のカブトムシも人気ですが、日本のカブトムシとは温度管理や育て方が異なります。飼育に挑戦する場合は、カブトムシの種類に合った育て方を本やインターネットでしっかり調べてから始めましょう。

成虫のカブトムシの育て方と毎日のお世話

準備が整ったら、いよいよカブトムシとの生活がスタートです。
成虫が元気に過ごすためのお世話の仕方を紹介します。

エサの与え方と交換のタイミング

エサの昆虫ゼリーは、1日に1〜2回様子を見て、無くなっていたり汚れていたりしたら新しいものと交換しましょう。エサ皿に入れておくと、マットが汚れにくくなります。スイカやメロンなどの果物も食べますが、水分が多すぎてフンが水っぽくなることがあるため、基本的には昆虫ゼリーを与えるのが安心です。

快適に過ごすための温度・湿度管理

成虫のカブトムシが元気に過ごせるのは25℃前後の涼しい気温です。30℃を超える真夏の暑さは弱ってしまう原因になります。飼育ケースは、なるべく涼しい場所に置きましょう。どうしても室温が高くなる場合は、クーラーが効いた部屋に移動させたり、凍らせたペットボトルをケースのそばに置いたりして、涼しい環境を作ってあげてください。ただし、冷やしすぎや急激な温度変化には注意し、カブトムシが直接冷たいものに触れないようにしましょう。

成虫の飼育でよくあるトラブルと対策

カブトムシの飼育でよくある問題と、その対策を紹介します。

*オス同士のケンカ:オスを複数同じケースに入れると、するどいツノでケンカをし、お互いを傷つけてしまうことがあります。これを避けるため、オスは1匹ずつ別のケースで飼うのが基本です。

*コバエの発生:エサの食べ残しやフンをそのままにしておくと、コバエが発生しやすくなります。エサはこまめに交換し、マットの表面が汚れてきたら、その部分だけ取り除いてあげましょう。フタと本体の間にコバエ防止シートをはさむのも効果的です。

*転んで起き上がれない:ケースの中がツルツルだと、カブトムシはひっくり返ったときに自分で起き上がれず、そのまま弱ってしまうことがあります。登り木や落ち葉を入れて、足場をしっかり作ってあげることが大切です。

*成虫の寿命について:成虫になったカブトムシの寿命は残念ながら長くはありません。1〜3か月ほどで、夏の終わりと共にその一生を終えることがほとんどです。短い間でも大切にお世話をして、その一生を最後まで見届けてあげましょう。

卵・幼虫・さなぎを上手に育てるポイント

成虫のオスとメスを一緒に飼っていると、うまくいくと卵を産み、次の世代へと命をつないでくれます。卵からさなぎ、そして成虫になるまでの育て方を見ていきましょう。

卵を産ませる準備と管理方法

メスが安心して卵を産めるように、昆虫マットをケースに15cmほどの深さまで入れて、底から5cmくらいはスプーンの背などで少し固めてあげましょう。栄養のあるマットを使うことが、元気な幼虫を育てるコツです。交尾を終えたメスは、マットの奥深くに潜って産卵を始めます。
産卵から2週間ほど経つと、白くて丸い卵から幼虫がかえります(ふ化)。卵はとてもデリケートなので、見つけても指で直接さわらず、そっと見守りましょう。

幼虫が生まれたら、親の成虫とは別のケースに移してあげるのがおすすめです。成虫がマットを歩き回ることで、小さな幼虫を傷つけてしまうのを防ぐためです。移動させるときは、スプーンでマットごとやさしくすくって移しましょう。

幼虫の育て方とマットの交換時期

幼虫にとって、昆虫マットはすみかであり、大切なごはんです。
幼虫の数が多い場合は、大きめのケースを用意するか、市販の飼育ボトルや小さなケースで1匹ずつ育てると元気に育ちやすくなります。幼虫はマットを食べながらフンをします。マットの表面に黒くて丸いフンがたくさん見られるようになったら、マット交換のサインです。およそ2〜3か月に1度が交換の目安です。交換する際は、古いマットを3分の1ほど残して新しいマットと混ぜてあげると、幼虫が新しい環境に驚きにくくなります。
ただし、幼虫があまり動かなくなる冬(11月〜3月ごろ)のマット交換は、ストレスになるので控えましょう。

さなぎのお世話方法と羽化までの見守り方

幼虫の体が黄色っぽくシワシワになってきたら、さなぎになる準備を始めたサインです。
4月〜6月頃に、幼虫はマットの中で蛹室(ようしつ)というさなぎでいるための部屋を作ります。そして、その中で動かない「さなぎ」になります。この蛹室は非常にこわれやすいため、この時期はケースをゆすったり、マットを掘り返したりしてはいけません。静かな場所で、無事に成虫になるのを見守りましょう。

さなぎになってから約3週間後、いよいよ成虫の姿になります(羽化)。羽化したばかりのカブトムシは体がまだ赤っぽく、やわらかい状態です。自分でマットの上に出てくるまで、1週間〜10日ほど待ちましょう。自力で出てきたら、成虫の飼育がスタートです。

カブトムシの育て方を通して命について学ぼう

この記事では、カブトムシの育て方や準備から成虫のお世話について、そして卵からさなぎまでの成長のポイントを紹介しました。
成虫の期間は短いですが、幼虫から育てれば約1年という長い期間、カブトムシの成長を観察できます。飼育日記をイラスト付きでつけてみたり、クワガタムシなど他の昆虫と育て方を比べてみたりすれば、夏休みの自由研究にもぴったりです。

1つの命を大切に育てる責任感と、その一生を見届ける感動は、きっとあなたにとって忘れられない経験になるはずです。この記事を参考に、ぜひ親子で一緒にカブトムシを育て、命の不思議や大切さを間近で感じてみてください。

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