清少納言はどんな人?「枕草子」を書いた平安の才女を紹介

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公開日2026.02.16

「春はあけぼの」という有名な書き出しを知っていますか。これを書いたのは、今から約千年前、平安時代に活躍した清少納言(せいしょうなごん)です。 彼女が書いた「枕草子(まくらのそうし)」は国語の教科書でも取り上げられる作品ですが、「清少納言って、どんな人?」「『枕草子』には何が書いてあるの?」と思う人も多いのではないでしょうか。 この記事では、清少納言がどのような生涯を送り、どんな性格の人物だったのか、そして彼女が残した功績を紹介します。

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清少納言はどんな人?

清少納言は、平安時代の中ごろに活躍した女性作家です。彼女は皇后(こうごう)に仕える「女房(にょうぼう)」として働きながら、日本の文学史に残る名作「枕草子」を書き上げました。

清少納言の生い立ち

清少納言は、966年 (康保3年)ごろに生まれたと考えられています。彼女の家は、「清原(きよはら)」氏という、代々学問や漢詩、和歌(わか)が得意な一族でした。

特に、父親の「清原元輔(きよはらのもとすけ)」は有名な歌人で「小倉百人一首」にも歌が選ばれています。そんな家庭環境で育った清少納言は、幼いころからたくさんの本に親しみ、漢詩や和歌などの高い教養を身につけました。

中宮定子に仕えた女房としての生活

清少納言は、大人になってから一度結婚し、子どもを産んだといわれています。その後、一条天皇の皇后であった中宮・定子(ちゅうぐう ていし)に仕える女房として、宮中で働くことになりました(これを「出仕(しゅっし)」といいます)。

女房とは、皇后などのそばで身の回りの世話をしたり、話し相手になったり、手紙のやり取りを手伝ったりする、現代でいう秘書にも近い役割です。

宮中で働き始めた経緯(いきさつ)にはいくつかの説がありますが、清少納言はすぐに中宮定子から信頼される存在となりました。「枕草子」には、定子を中心とした華やかな宮中での生活や、行事、人間関係の様子がいきいきと描かれています。

清少納言の性格と考え方とは?

清少納言は、日常の美しさや趣(おもむき)を「をかし」として大切にしました。明るく知的な性格で、鋭い観察眼を持っていたとされます。「源氏物語」で知られる紫式部が心の奥深さを描いたのに対し、清少納言は日常の輝きを描きました。

「をかし」の心とは

「枕草子」の中で、清少納言が大切にしていたのが「をかし」という言葉です。「をかし」とは、現代の言葉でいうと「趣(おもむき)がある」「美しい」「すてきだ」といった意味です。

彼女は自然の風景や人のしぐさ、言葉の響きなど、何気ない日常の中に美しさやユーモアを見つけるのが得意でした。例えば「春はあけぼの」では、夜が明けていく空の色の変化を見て「美しい」と感じ取ります。

悲しみや苦しみよりも、「心が動く一瞬の美しさや、おもしろさ」を描くことに価値がある、それが清少納言の考え方でした。

明るく知的で行動的な人物像

「枕草子」に書かれたエピソードから浮かび上がる清少納言は、明るく知的で、自分の意見をはっきりと述べることができる女性です。また、見たこと・感じたことをすぐに書き残す行動力もありました。

彼女の文章はとても知的であるのに軽やかで、観察が鋭いのにユーモラスです。宮中での生活を通して、人間観察の達人でもあったことが伺えます。

紫式部との性格のちがい

同じ時代に「源氏物語」を書いた紫式部とは、作風や価値観がよく対比されます。

紫式部が人間の心の奥深くにある悩みや悲しみを描こうとしたのに対し、清少納言は日常の中にある輝きを切り取りました。紫式部が残した日記には、清少納言に対する少し厳しい言葉も見られますが、どちらも平安文学を代表する才能豊かな女性であったことに変わりはありません。

清少納言が残した作品と功績

代表作「枕草子」は、「随筆(ずいひつ)」というジャンルを確立した作品です。宮中生活や自然の美しさを描き、平安貴族の感性を今に伝えます。また、父・清原元輔ゆずりの才能で、優れた歌人としても活躍しました。

「枕草子」を執筆

「枕草子」は「随筆(ずいひつ)」と呼ばれるジャンルの文学です。
随筆とは、作者が心に浮かんだことや見聞きしたことを形式にとらわれず自由に書いた文章のことで、今でいうエッセイのようなものです。
この作品には、大きく分けて3つの内容が含まれています。

1.「春はあけぼの」のように自然の美しさを描いた部分
2.「うつくしきもの」(かわいらしいもの)など、テーマごとに「〇〇なもの」を集めて紹介する部分
3.中宮定子との宮中生活の思い出を記した日記的な部分

「枕草子」は、随筆というジャンルの草分け的な存在であり、平安時代の貴族がどんな生活をしていたかを知るための貴重な記録でもあります。

歌人としても活躍

清少納言は随筆家としてだけでなく、優れた歌人(和歌を作る人)でもありました。
父・清原元輔から受け継いだ和歌の才能は、宮中でも高く評価され、彼女の和歌は平安時代の和歌集である「後拾遺和歌集(ごしゅういわかしゅう)」などにも収められています。

文学や後世への影響

「枕草子」は、日常のささいな出来事の中に「美」や「おもしろさ」を見つけ出し、それを軽やかな文章で表現するスタイルで、後の時代の作家たちにも大きな影響を与えました。

千年以上前に書かれたにもかかわらず、その鋭い観察眼(かんさつがん)や豊かな感性は、現代の私たちが読んでも共感できる部分が多くあります。

清少納言に関する豆知識

「清少納言」は本名ではなく、一族の姓「清原」と官職名に由来する通称です。また、枕草子には、中宮定子との機知に富んだ逸話が残されています。

清少納言の名前の由来

「清少納言」というのは本名ではありません。平安時代の貴族女性は本名を公にしないことが多く、彼女の本名もわかっていないのです。

「清少納言」は、宮中で使われた女房名と呼ばれる通称です。「清」は一族の姓「清原」から取られています。「少納言」は朝廷の官職名ですが、なぜこの名前が使われたのかについては、はっきりとわかっていません。

「雪のいと高う降りたるを」のエピソード

「枕草子」には、清少納言の頭の回転の速さを示す有名なエピソードがあります。ある冬の寒い日、雪がとても高く積もっていました。中宮定子が、清少納言や他の女房たちに「香炉峰(こうろほう)の雪はいかが」と問いかけます。これは、中国の古い詩にある「御簾(みす)を上げて外の雪景色を見る」という場面を踏まえた難しい問いかけでした。
他の女房たちが戸惑う中、清少納言はすぐに立ち上がり、部屋の仕切りである御簾(みす)をさっと巻き上げ、外の雪景色が定子から見えるようにしました。この詩の内容を知っていた清少納言の行動に、定子は大いに感心したと伝えられています。

清少納言の晩年

清少納言が仕えた中宮定子は、若くして亡くなってしまいます。大切な主人を失った清少納言は宮中を退きますが、その後の生涯、特に晩年については詳しい記録がほとんど残っていません。

どこでどのように暮らし、いつ亡くなったのかもはっきりとはわかっていないため、日本各地には「ここが清少納言の墓だ」と伝わる場所がいくつか残されています。

清少納言はどんな人?日常に「をかし」を見つけた才女

この記事では、清少納言がどんな人物であったかを紹介しました。
清少納言は、平安時代の宮中で活躍した、知的で感性豊かな女性でした。「枕草子」を通して、日常の中にある輝き「をかし」を見つけ出す、前向きで鋭い視点を示しています。悲しいことや暗いことよりも、心にとまる美しさやおもしろさを大切にする姿勢は、現代を生きる私たちにも通じるものがあります。

自然や日常のふとした瞬間を「美しいな」「おもしろいな」と感じる気持ちは、千年たっても変わりません。次に何か「すてきだな」と思う瞬間があったら、ぜひ清少納言のように、その気持ちを言葉にしてみてください。きっと、あなたの中にも「をかし」の心が見つかるはずです。

清少納言についてのQ&A

Q.清少納言ってどんな人?

A.清少納言は、平安時代中期に中宮定子に仕えた才女で、「枕草子」を書いた女性です。鋭い観察力とユーモアを持ち、日常の中に「をかし」を見つける感性で知られています。文学や文化に大きな影響を与えた日本を代表する女流作家です。

Q.「枕草子」にはどんな内容が書かれているの?

A.「枕草子」は、自然の美しさや季節の移ろい、人々の生活などを清少納言の視点で描いた随筆です。日記やエッセイのように、自由な形式で書かれており、平安時代の貴族の暮らしや感性を今に伝える貴重な文学作品です。

Q.「をかし」ってどういう意味?

A. 現代語で「趣がある」「美しい」「すてきだ」という意味です。清少納言はこの「をかし」という感覚をとても大切にしており、四季の風景や宮中の出来事の中に、心が動くような美しさや面白さを見つけ出して文章にしました。

Q.清少納言と紫式部とはどんな関係だったの?

A.同じ時代に活躍したライバル的な存在だと考えられています。清少納言は中宮定子に、紫式部は中宮彰子に仕えました。紫式部は日記で清少納言を批判していますが、直接の交流はなかったようです。作風も対照的だとよく比較されます。

Q.中宮定子ってどんな人?

A. 一条天皇の皇后で、清少納言が心から敬愛した主人です。知的で美しい女性だったといわれています。彼女を中心としたサロン(文化的な集まり)はとても華やかで、清少納言はその中で才能を発揮し、定子を支え続けました。

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