「この花の名前、なんていうのだろう?」「どうして植物には、いろいろな形の葉っぱがあるの?」ふと、そんな疑問を持ったことはありませんか。通学路や公園で何気なく見ている草花も、立ち止まってよく観察してみると、それぞれ不思議な形や特徴を持っていることに気づきます。 実は、植物たちの姿には「どうやって子孫(仲間)を増やすか」「どんな環境で生きているか」という、生き残りのための工夫が隠されているのです。 この記事では、世界や日本にどれくらいの植物があるのか、そして中学校の理科でも習う「植物の分類」の仕組みについて、わかりやすく解説します。
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植物の種類はどれぐらいあるの?
地球上には、名前がついているものだけで約20〜30万種の植物が存在するといわれています。そのうち、日本国内に自生しているものはおよそ7000種です。
環境に合わせて進化した植物たちは、私たちに四季折々(しきおりおり)の美しい景色を見せてくれます。
世界に自生する植物の種類
地球上には、すでに名前がついているだけでも何十万種類という植物が生きています。数え方によって諸説(しょせつ)ありますが、現在わかっている植物の種類は、およそ20〜30万種ほどです。
その中でも、花を咲かせる「被子植物(ひししょくぶつ)」が大部分を占めています。熱帯雨林(ねったいうりん)から、氷や雪におおわれた極寒(ごっかん)の地域まで、植物は環境に合わせて姿を変えながら、地球上のあらゆる場所に根を張っています。
まだ人間が見つけていない新種(しんしゅ)もたくさんあると考えられており、実際の数はもっと多いかもしれません。
日本に自生する植物の種類
日本の国土は世界的に見れば広くありませんが、植物の種類はとても豊富(ほうふ)です。国内に自生する植物は7000種以上といわれ、そのおよそ3分の1は、日本以外では見られない「固有種(こゆうしゅ)」です。
なぜこれほど植物の種類が多いのでしょうか?それは、日本が南北に長く、四季の変化がはっきりしている島国だからです。春のサクラ、夏の新緑、秋の紅葉、冬の常緑樹(じょうりょくじゅ)といった日本の美しい四季の移ろいは、この多様な植物たちが作り出している風景なのです。
理科で習う植物の分類方法とは?
ここからは、中学校の理科で習う「植物の分類」について解説します。
植物を分類するとき、最初のポイントは「種をつくるか、胞子(ほうし)でふえるか」です。種子(しゅし)植物は花を咲かせて種で仲間を増やしますが、シダ植物やコケ植物は胞子(ほうし)を利用します。さらに「根・茎・葉の区別があるか」「維管束(いかんそく)があるか」といった体のつくりの特徴によって、グループ分けされていきます。
まずは「種があるか」どうかでわける
最初の分かれ道は、増やし方の違いです。
・種子植物:花を咲かせ、種をつくってふえる植物
・胞子でふえる植物:花は咲かせず、「胞子」とよばれる小さな粉のようなもので増える植物
まずはこの2つの大きなグループを意識しましょう。
花を咲かせ種で増える「種子植物」とは
花を咲かせ、種をつくって仲間をふやす植物を「種子植物」といいます。アサガオ、ヒマワリ、サクラ、マツ、イネなど、私たちが普段「植物」と聞いてイメージするものの多くがこれに当たります。
<種子植物の主な特徴>
・花を咲かせる(めしべ・おしべを持つ)
・種をつくって増える
・根・茎・葉の区別がはっきりしている
・水や栄養を運ぶための管である維管束(いかんそく)がよく発達している
現在、地球上でもっとも種類が多く、広い範囲で繁栄(はんえい)しているグループです。
胞子でふえる「シダ植物」と「コケ植物」とは
種をつくらない植物は、さらに体のつくりによって「シダ植物」と「コケ植物」に分けられます。
・シダ植物は「花も種もないが、根・茎・葉がある仲間」
シダ植物は、花を咲かせず種もつくりませんが、体には根・茎・葉の区別があります。ワラビ、ゼンマイ、スギナ(春に出る“ツクシ”の親)などが代表的です。
<シダ植物の主な特徴>
・花や種はつくらない
・葉の裏などに胞子嚢(ほうしのう)という袋があり、その中の胞子(ほうし)で増える
・根・茎・葉の区別がある
・種子植物と同じように、維管束を持つ
見た目は葉が大きく広がっているように見えますが、実は地下に茎(地下茎:ちかけい)が埋まっていることが多いのも特徴です。
・コケ植物は「もっとシンプルな体のつくり」
コケ植物は、さらに体のつくりがシンプルな仲間です。日当たりの悪い湿った場所で見かけるゼニゴケ、スギゴケなどが代表例です。
<コケ植物の主な特徴>
・胞子でふえる
・根・茎・葉の本当の区別がない
・地面にくっついている細い部分は「仮根(かこん)」とよばれ、体を固定するのが役目
・水や栄養は、体の表面全体からしみこませるようにして取り入れる
維管束がないため、水を吸い上げる力が弱く、乾燥した場所では生きられません。そのため、岩や木の表面など、水を得やすい場所に張り付くように生えています。
水の中でくらす「藻類」という仲間
ワカメやコンブ、ミカヅキモなどの「藻類(そうるい)」も、広い意味では植物の仲間に含まれます。
<藻類の主な特徴>
・多くは水の中でくらす
・根・茎・葉の区別がない
・胞子や細胞分裂(さいぼうぶんれつ)などでふえる
根や茎がない点はコケ植物と似ていますが、水中で生活し、体全体で栄養を取り込む点が特徴です。中学校の理科では、これらをまとめて「水中の植物のなかま」として扱うことが多いです。
種子植物をさらに分類すると?
最も種類の多い「種子(しゅし)植物」は、さらに細かく分類されます。
まずは「胚珠(はいしゅ)」が包まれているかどうかで「被子(ひし)植物」と「裸子(らし)植物」にわかれ、被子植物はさらに「子葉(しよう)」の枚数などで「単子葉類(たいんしようるい)」と「双子葉類(そうしようるい)」にわけられます。
「被子植物」と「裸子植物」にわけられる
種子植物は、将来「種(たね)」になる部分である「胚珠(はいしゅ)」がどこにあるかによって、2つのグループに分けられます。
・被子植物
被子植物は、胚珠(はいしゅ)が「子房(しぼう)」という袋の中におさまっている植物です。花が咲いたあと、子房(しぼう)がふくらんで果実になり、その中に種ができます。
<被子植物の主な特徴>
・胚珠が子房に包まれている
・きれいな花びらや、がくを持つものが多い
・アサガオ、タンポポ、サクラ、イネなど
・裸子植物
裸子植物は、子房を持たず、胚珠がむき出しになっている植物です。
<裸子植物の主な特徴>
・胚珠がむき出しで、外から見える
・目立つ花びらがなく、地味な「おばな・めばな」をつける(松ぼっくりなど)
・マツ、スギ、イチョウ、ソテツなど
被子植物は「双子葉類」と「単子葉類」にわけられる
被子植物は、さらに「子葉(しよう)」の枚数で2つに分類されます。子葉(しよう)とは、種から発芽(はつが)したときに最初に出てくる葉っぱのことです。
・双子葉類
双子葉類は、最初に出てくる子葉が「2枚」のグループです。
<双子葉類の主な特徴>
・子葉が2枚
・葉の筋(葉脈:ようみゃく)が網目状(あみめじょう)になっている(網状脈:もうじょうみゃく)
・根は、太い「主根(しゅこん)」と、そこから枝分かれする「側根(そっこん)」からなる
・ホウセンカ、アブラナ、アサガオ、エンドウなど
・単子葉類(たんしようるい)
単子葉類は、子葉が「1枚」だけのグループです。
<単子葉類の主な特徴>
・子葉が1枚
・葉脈が平行にスッと伸びている(平行脈:へいこうみゃく)
・根が同じ太さの細い根ばかりの「ひげ根」になっている
・イネ、トウモロコシ、ユリ、ススキ、チューリップなど
双子葉類は花びらの形で「合弁花類」と「離弁花類」にわけられる
理科の授業では、双子葉類をさらに「花びらのつき方」で2つに分けて学びます。
・合弁花類(ごうべんかるい)
花びらが根元のほうでくっついて、一つの筒(つつ)や器のようになっているグループです。
<合弁花類(ごうべんかるい)の主な特徴>
・花びらがつながっている(引っ張るとスポッと抜けるイメージ)
・アサガオ、ツツジ、タンポポなど
ちなみに、タンポポやヒマワリは、一見すると花びらが分かれているように見えますよね。これは、大きな一つの花ではなく「小さな花」がたくさん集まってできた姿なのです。その小さな花を一つひとつ拡大して観察すると、根元がつながった「合弁花」の構造(筒状や舌状)になっていることがわかります。
・離弁花類(りべんかるい)
花びらが一枚ずつはなれているグループです。
<離弁花類の主な特徴>
・花びらが一枚一枚バラバラに散る
・サクラ、アブラナ、エンドウ、バラなど
このように順を追って分類していくと、その植物がどのような特徴を持ち、どのように進化してきたのかが見えてきます。
植物の種類や分類を知って観察してみよう
植物の世界はとても奥深く、種で増える「種子(しゅし)植物」、胞子(ほうし)で増える「シダ植物」「コケ植物」などに大きく分けられます。
さらに種子植物の中にも、種が包まれているか、子葉(しよう)が何枚か、花びらがくっついているかといった細かい違いがあります。
「この雑草は葉っぱの筋が平行で、ひげ根だから単子葉類(たんしようるい)だ!」「この花は花びらがくっついているから、合弁花類(ごうべんかるい)かな?」
そんなふうに考えながら、通学路や公園の草花を見てみてください。きっと、いつもの景色が植物図鑑(ずかん)のページのように見えてくるはずです。次はぜひ、安全に気をつけながら、本物の植物を観察してみてくださいね。
植物の種類と分類に関するQ&A
Q.植物の種類は大きく分けるとどうなりますか?
A.植物の種類は、増やし方によって大きく「種子(しゅし)植物」と「胞子(ほうし)でふえる植物」に分けられます。種子植物はさらに被子(ひし)植物と裸子(らし)植物に分類され、胞子でふえる植物にはシダ植物やコケ植物が含まれます。理科の授業では、これらの違いを根・茎・葉のつくりや花の有無などで整理して学びます。
Q.被子植物と裸子植物の違いは何ですか?
A.大きな違いは、種のもとになる「胚珠(はいしゅ)」のあり方です。被子植物は胚珠(はいしゅ)が「子房(しぼう)」という袋の中に包まれていますが、裸子植物は子房(しぼう)がなく胚珠がむき出しになっています。マツやイチョウなどの裸子植物は、目立つ花びらを持たないことも特徴の一つです。
Q.維管束とは何ですか?
A.維管束(いかんそく)とは、植物が根から吸い上げた水や、葉で作った養分を運ぶための「管の束」のことです。この組織は、体が大きく成長する種子植物やシダ植物に見られます。一方で、体のつくりが小さく単純なコケ植物や藻類(そうるい)には維管束がなく、体の表面から直接水分などを取り込みます。
Q.単子葉類と双子葉類の見分け方はありますか?
A.一番わかりやすいのは、発芽(はつが)したときの「子葉(しよう)の枚数」です。子葉が1枚なら単子葉類(たんしようるい)、2枚なら双子葉類(そうしようるい)です。また、成長した植物でも、葉脈(ようみゃく)が平行なら単子葉類、網目状(あみめじょう)なら双子葉類と見分けられます。根の形も違い、単子葉類は「ひげ根」、双子葉類は「主根(しゅこん)と側根(そっこん)」を持つのが特徴です。
Q.ワカメやコンブも植物の種類に入りますか?
A.ワカメやコンブなどの「藻類(そうるい)」も、広い意味では植物の仲間に含まれます。これらは主に水中で生活し、光合成(こうごうせい)を行いますが、陸上の植物のような根・茎・葉の区別がありません。胞子(ほうし)などで増える点はコケ植物やシダ植物と似ていますが、独自の進化を遂げたグループです。









































