空気が冷たく澄みわたる冬は、星空観察にぴったりの季節です。なかでもオリオン座は形がわかりやすく明るい星が多いため、初めて星を探す小中学生でも見つけやすい、冬の夜空の主役ともいえます。
オリオン座の真ん中には、ほぼ等間隔(とうかんかく)に並ぶ「三つ星」があり、見つけやすい目印になります。さらに、左上に赤っぽく見えるベテルギウス、右下に青白く見えるリゲルという、色のちがう明るい星(一等星)があるのも特徴です。
この記事では、オリオン座を確実に見つけるための手順や、星の色がちがって見える理由、そして少し切ない神話まで、わかりやすく紹介します。読み終わるころには、きっと今夜の夜空を見上げるのが楽しみになりますよ。
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このトピックスのもくじ
オリオン座とは?
オリオン座は冬を代表する星座で、真ん中に並ぶ「三つ星」と、それを取り囲むように見える四辺形(しへんけい)の形が特徴です。
11月ごろから夜遅い時間に見えはじめ、12月〜2月ごろは夜の早い時間でも見つけやすくなります。天体観測が初めてでも形をつかみやすく、街の明かりがある場所でも見つけやすい、冬の夜空の主役です。
砂時計に見える形と「三つ星」の目印
オリオン座を探すとき、一番の目印になるのが真ん中に並んだ「三つ星」です。
同じくらいの明るさの星が、ほぼ等間隔(とうかんかく)でまっすぐ一列に並んでいるので、夜空の中でもパッと目を引きます。
この三つ星を中心に、周りにある明るい星をつないでいくと、全体が「砂時計」のような形に見えてきます。
日本では古くから、この形が日本の楽器の「鼓(つづみ)」に見えることから、「鼓星(つづみぼし)」と呼んで親しんできたともいわれます。
街灯がある都会の空でも、まずはこの三つ星を見つけるところから始めると分かりやすいです。
11月から2月に見やすい「冬の夜空の主役」
オリオン座は冬の星座として有名です。
11月ごろから目立ちはじめ、12月〜2月は夜の早い時間でも見つけやすくなります。
星座は東の空からのぼり、南の空を通って、西の空へ沈むように見えます。
そのためオリオン座も、季節が進むほど、早い時間に南の空で見つけやすくなります。まずは南の方角を向いて、真ん中の三つ星を探すところから始めてみましょう。
赤と青白の色の違い ベテルギウスとリゲル
オリオン座には、色がはっきりちがって見える明るい星(一等星)が入っています。
左上のベテルギウスは赤っぽく見え、右下のリゲルは青白く見えます。星の色は、星の表面の温度と深い関係があります。また、三つ星の下には「オリオン大星雲(だいせいうん)」も見つかります。
赤っぽく見える星「ベテルギウス」
オリオン座の左上で、オレンジ色っぽく赤く光って見えるのが「ベテルギウス」です。
この星は、年を重ねて大きくふくらんだ「赤色超巨星(せきしょくちょうきょせい)」というタイプの星だと考えられています。星は年を取っていくと、表面の温度が下がって赤っぽく見えることがあるからです。
ベテルギウスは将来、星の最後に起きる大きな爆発である「超新星爆発(ちょうしんせいばくはつ)」を起こす可能性があるといわれることもあります。ただし、いつ起きるかは分かっていません。「いつか遠い場所で起きるかもしれないけれど、時期はだれにも分からない」と覚えておきましょう。
青白く光る星「リゲル」
ベテルギウスとは反対に、夜空の右下で青白く輝いて見えるのが「リゲル」です。
「右下」といっても、オリオン座は日や時間によって傾いて見えるので、見える向きは少し変わります。リゲルは「オリオンの体でいうと左足あたり」にある星として説明されることもあります。
リゲルが青白く見えるのは、とても温度が高い星だからです。星の色は温度と関係があり、温度が低いと赤っぽく、高いと青白く見えます。
星それぞれの色のちがいを楽しみながら、見比べてみてくださいね。
三つ星とオリオン大星雲
三つ星の下に、縦に並ぶ星々が見えることがあります。
その真ん中付近をよく見ると、ぼんやりした光のモヤのようなものが見つかることがあります。これが有名な「オリオン大星雲(だいせいうん)」です。
星雲(せいうん)とは、宇宙のガスやちりが集まっている場所のことです。オリオン大星雲では、今も新しい星が生まれていると考えられています。
※オリオン大星雲は、月が明るい夜や街の明かりが強い場所だと見えにくいことがあります。双眼鏡があると見つけやすいです。
オリオン座の見つけ方と、冬の星空の楽しみ方
オリオン座を見つけるには、まず一直線に並ぶ三つ星を探し、周囲の明るい星をつないで砂時計の形をイメージします。見つけた後は、他の星と結んで「冬の大三角」を作ってみるのも楽しいですよ。
オリオン座の見つけ方
オリオン座を見つけるステップは3つです。
1.三つ星を見つける:まずは空を広く見渡します。一直線に並んだ3つの星を探しましょう。これがオリオン座の目印、三つ星です。
2.上下の明るい星で囲む:三つ星が見つかったら、その上側に2つ、下側に2つ、明るい星があるのを探します。三つ星を真ん中にして、この4つの星をつなぐと、大きな縦長の四角形(砂時計のような形)ができあがります。
3.色で答え合わせ:四角形の上の方に赤っぽい星(ベテルギウス)があり、反対側に青白い星(リゲル)が見えるか確認しましょう。色が確かめられたら、それがオリオン座です。
「冬の大三角」につなげてみよう
オリオン座を見つけたら、そこをスタートに次は「冬の大三角」を見つけてみましょう。
1.赤っぽい星を基準にする:オリオン座の赤っぽい星「ベテルギウス」を三角形の1つ目の角にします。
2.三つ星の並びを伸ばす:次に、オリオン座の真ん中の「三つ星」に注目してください。三つ星の並びをそのまま同じ向きに(並びの延長線にそって)伸ばしていくと、夜空でとても明るく輝く星が見つかります。これが2つ目の星、「シリウス(おおいぬ座)」です。
※向きは日や時間で少し変わるので、「三つ星の並びを伸ばす」と覚えるのがコツです。
3.三角形を結ぶ:ベテルギウスとシリウスを見つけたら、その近くにもう一つ明るい星が見えるはずです。これが3つ目の星「プロキオン(こいぬ座)」です。
この3つの明るい星(ベテルギウス・シリウス・プロキオン)をつないでできる大きな三角形が、「冬の大三角」です。街の明かりがあっても見つけやすいので、ぜひ探してみてください。
観察するときの大切なルール
楽しい星空観察にするために、守ってほしい大切なルールがあります。
・必ず保護者の方と一緒に観察する
夜は暗くて危ないので、一人で出歩かないようにしましょう。必ずお家の人に付き添ってもらって観察してください。
・しっかり防寒(ぼうかん)する
冬の夜はとても冷えます。コート、マフラー、手袋などであたたかくして出かけましょう。
・周りの人の迷惑にならないようにする
近所の人は寝ているかもしれません。大声を出さない、他人の家の明かりをのぞかない、私有地に入らないなど、マナーを守りましょう。
少し切ない「狩人オリオンの神話」
星座には神話がつきものですが、オリオン座のギリシャ神話には、少し切ないお話があります。(※この話はたくさんある言い伝えの一つで、ほかにも別の結末があります。)
オリオンは、とても強くてハンサムな狩人(かりゅうど)でした。そんな彼と仲良くなったのが、月の女神(めがみ)アルテミスです。狩りが得意な二人は、一緒に山を駆けめぐり、お互いに仲良くなっていきました。
しかし、その関係をよく思わなかったのが、アルテミスの兄アポロンです。アポロンは、遠くの海にいるオリオンを見つけ、妹に「あの遠くの小さな的(まと)をねらえるかい?」と挑発(ちょうはつ)しました。
弓が上手なアルテミスは、見事に矢を命中させます。しかし、それが愛するオリオンだったと知り、深い悲しみに沈みました。アルテミスは「せめて空で会えるようにしてほしい」と神様に願い、オリオンは星座となって夜空に上げられたというお話です。
夜空で月がオリオン座の近くを通ることがあり、「アルテミスが会いに来ているみたいだね」と言われることもあります。
今夜はオリオン座を見つけてみよう!
今回は冬の星空を代表するオリオン座の見つけ方や特徴、そして神話を紹介しました。
オリオン座を見つけるポイントは、真ん中の「三つ星」と、赤っぽい「ベテルギウス」、青白い「リゲル」です。これさえ知っていれば、夜空の中でも見つけやすくなります。
寒い冬の夜でも、空気が澄んでいる今は星がひときわきれいに見えます。今夜の帰り道や寝る前に、ぜひ家族で夜空を見上げてみてください。オリオン座がきっと見つかるはずです。
オリオン座についてのQ&A
Q.オリオン座はいつの時期に見えますか?
A.オリオン座は、だいたい11月ごろから見えはじめ、12月〜2月にかけて特に見つけやすくなります。季節が進むほど、夜の早い時間でも見つけやすくなるでしょう。空気が澄んでいる冬の夜は、オリオン座の明るい星々がひときわ美しく輝きます。
Q.オリオン座はどの方角に見えますか?
A.冬の夜は、オリオン座は(目安として)南の空のあたりで見つけやすいです。時間帯によって位置は変わり、夜の早い時間は東寄りに見え、夜がふけるにつれて南の空へ動き、明け方には西寄りへ移っていくように見えます。まずは空を広く見て、三つ星を探すのがコツです。
Q.オリオン座を簡単に見つけるコツはありますか?
A.一番のコツは、中央にある「三つ星」を探すことです。ほぼ同じ明るさの3つの星が、ほぼ等間隔で一直線に並んでいるので、夜空の中で目立ちます。三つ星を見つけたら、その周りの4つの明るい星を探して砂時計の形をイメージしましょう。
Q.オリオン座の三つ星の下にあるモヤモヤしたものは何ですか?
A.「オリオン大星雲[理岡1.1][佐泉1.2](だいせいうん)」です。宇宙のガスやちりが集まり、新しい星が生まれている場所だと考えられています。肉眼では見えにくいこともあるので、双眼鏡があると見つけやすいです。
Q.オリオン座は都会の明るい夜空でも見えますか?
A.オリオン座の形(三つ星や明るい星の並び)は、都会でも見つけやすいことが多いです。ただし、オリオン大星雲のモヤは街の明かりや月明かりで見えにくいことがあります。









































