音楽特別講義「グラミー賞受賞者が教える! 曲作り」第5回
公開日: 2020/06/12
グラミー賞受賞者サダハル・ヤギ(SADAHARU YAGI)さんが、前回に続き登場! 音楽特別講義『おウチで、仲良く、音楽作り』の第5回です。(構成・文:アッシュ・ヌクイ)
前回は、カレーライスの歌を作ってみよう、ということで「シャカシャカする音」「トントンする音」をまず作ってみました。音の下味ができてきたので、今回はさらに音の味を足していきたいと思います!
音楽特別講義第5回「音の味を足していこう!」
用意するもの:
・スマホやボイスレコーダー等、録音機能のあるもの
・コップもしくはカップ(水を入れます)
・スプーン、もしくはお箸(コップを軽く叩きます)
・太めのストロー4本
・はさみ
・セロテープ
どんな音の味を足していく?
よし、今回はシャカシャカやトントンと違う種類の音を足してみようか。カレーライスに、お野菜と違うお肉とかお魚のような栄養が欲しいようにね。
前回の復習をちょっとしてみよう。「シャカシャカする音」「トントンする音」を自由に出してみて。
シャカシャカシャカー、って速くできるし遅くもできるね。
トントントン、って大きく出せるし小さくも出せる。
そう、どちらの音も「音の強さ」「音の速さ」を自由に変えられるね。
「音の強さ」や「音の速さ」以外に、音が変わるものってあるかな? 何だろう?
もう気づいた子もいるね。
そう、第3回「音を奏でよう!」で、3つのコップに違う量の水を入れて音を鳴らしたよね。音の高さや低さも変えられる。もう、いろんな高さ低さの音をみんな出せてる。
そしたら「音の高さ・低さ」も「カレーライスの歌」に足してみたら、美味しい音になるかもしれない。試してみよう!
曲を作るときもカレーライスと同じように、いろんな材料を入れてみて、自分だけの曲を作ってみていいんだ。いつもお母さんお父さんはみんなのために栄養タップリの料理を作ってくれてるよね。だからキミが音楽を作るときも、きみだけの栄養タップリの曲を作ってみても面白いんじゃない? なので、今回から、カレーライスみたいに、いろんな音をつかって曲作りにチャレンジしてみようかと思う。
でこぼこの音の階段
音にも高い低いってあるからまるで階段みたいだよね。例えば、みんなも聞いたことのあるドレミファソラシドみたいな。ボク達は、ドレミファソラシド以外の7つ階段で、でこぼこの階段で音遊びをしてみよう!
もうみんなコップと水を使って音を奏でられるよね。3つのコップに3つ違う水の量を入れれば3つの音が鳴る。4つ違う量なら4つの音が出せる。
コップじゃなくても音の高さや低さが変えられるものなら何でもいいからチャレンジしてみよう。
今回は、コップ以外で、ボクから超簡単な手作り楽器を紹介してみるよ。
その1:ストローパイプ
・太めのストロー(タピオカを吸えるようなもの)を用意してみます。
・4つのストローをはさみで切って4つそれぞれの長さ変えます。
・4つのストロー並べてセロテープで繋げます。
完成形は写真のようになります。
まるで4つのパイプが並んだ楽器みたいになったかな。
ストローの口(4つ)に息を吹きかけて、4つの音を出してみよう。
その2:ストロー笛
・ストローの端を、三角形に切ります。(切り口で切らないように注意してね。)
完成形は写真のようになります。
(端の三角形の部分を柔らかく潰しておくと、音が出やすくなります。)
端の三角形の部分口に加えて、息を吹き出すと、アヒルの鳴き声とかおならみたいな音が出るよ。ストローの持つ場所で、音の高さ、低さ、が変わったりするのわかるかな?
この2つに限らず、キミの口笛でもいい。音の高さや低さが変えられるものを好きに足してみよう。
音の階段で「だ・い・す・き」
試しに「だ・い・す・き」って、4回音を出してみて。
コップを「だ」「い」「す」「き」って4回叩いてみてもいい、ストローや口笛を「だ」「い」「す」「き」って4回吹いてもいい。「だ」「い」「す」「き」って4回音を出してみて。
好きな順番で好きなように音を出してみよう。思うがままに。
ポイントは、これまでと同じ。キミの「だいすき」という気持ちがこもってること。
できたら4回以上自由に音を出してみていいよ。
・だ・い・す・き
・だいすきだいすき!
・だーいスキスキー
・だだだ、だいすっき!
(ここで、お父さまお母さまにご協力いただきます。音を表現しているお子様の様子を、スマホやボイスレコーダー等で録音してくださる、もしくは貸してくださる、と助かります。講義のモットーが「楽しく」なので、お子様の表現をポジティブにリアクションくださると幸いです!)
いろんな音の出し方があるよね。色々な音を試しているうちに、「お、これいい感じ!」、もう1回聴いてみたくなるお気に入りの「だ・い・す・き」があったかな。何回も繰り返したくなる「だ・い・す・き」。そんな音のかたまりがあったら、キミの「カレーライスの歌」は間違いなく美味しい音になってるはず。
「シャカシャカ」「トントン」「だ・い・す・き」
さて、「シャカシャカ」、「トントン」、「だ・い・す・き」、と3つの種類の音が集まってきた。カレーライスの歌はもう目前だ。あとは、どんなカレーの味にしていくかだ。次回は、キミだけの味づけにチャレンジしてみよう!
Profile:
SADAHARU YAGI (サダハル・ヤギ)
ロサンゼルスを拠点に活動するレコーディングエンジニア/プロデューサー。日本人として史上初となる3度のグラミー・アワードを獲得。ロックやブルース、ゴスペル、ラテン・ポップなど、幅広いジャンルの音楽を手がける。
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