音楽特別講義「グラミー賞受賞者が教える! 曲作り」第9回
公開日: 2020/07/13
グラミー賞受賞者サダハル・ヤギ(SADAHARU YAGI)さんが、前回に続き登場! 音楽特別講義『おウチで、仲良く、音楽作り』の第9回です。(構成・文:アッシュ・ヌクイ) 前回は、の続きでこれまでの音を一緒に録音してみました。今回は録音した音を再生してみながら音の違いを感じてみたいと思います! 音楽特別講義第9回「音のテイク2を録ってみよう」
用意するもの:
・スマホやボイスレコーダー等、録音機能のあるもの・「シャカシャカする楽器」(空のペットボトル等で第4回に作成したもの)・「トントンする楽器」(ダンボール等で第4回に作成のもの)・「音のかたまりを奏でる楽器」(コップやストロー等で奏でる第5回に用いたもの)
録音「テイク2」にチャレンジだ!
みんなの一発録りを再生して聴いてみよう。渾身の出来だったかな?もし満足できなかったら、もしもう1回チャレンジしたかったら「テイク2」を録ってみよう!
「テイク2」を良くするためには?
では、「テイク2」を良くするためにはどう工夫すればいいのだろう?前回ヒントとして、スマホ(レコーダー)のマイクから近い場所と遠い場所に分けて、それぞれの音を録ってみよう、とお話しました。ボク達が録った音は、次の5つの音だね。
*「シャカシャカ」する音*「トントンする」音*コップに水を入れて奏でる「音のかたまり」(もしくはストロー楽器)*キミの歌声(カレーライスへの気持ちがこもった歌声!)*お父さんお母さんの歌声
この5つの音の違いを、感じながら「テイク1」を聴いてみよう!(お父さまお母さまにご協力いただきます。前回録音した「テイク1」をスマホやボイスレコーダー等で再生してくださる、と助かります!)ポイントは、この5つの音の違いを、感じながら聴いてみること!
はっきり聞こる音、ぼやけて聞こえる音
どう聞こえた?大きく聞こえる音小さく聞こえる音はっきり聞こる音ぼやけて聞こえる音
を感じられた?
スマホの近くで録音した音ほど「大きく」「はっきり」聞こえて、遠いほど「小さく」「ぼやけ」て聞こえたんじゃないかな。もし、この音の違い、ボクたちは「音像(おんぞう)」と呼ぶのだけれどこの「音像」の違いが分かったらすごいことだよ!
どの音を近くにする? 遠くにする?
この5つの音をスマホから離れて好きにセッティングしてみよう。どの音を「大きく」「はっきり」させたいか、どの音を「小さく」「ぼやけ」させたいか、みんなの自由自在にセッティングしてみよう。それから、もともと大きい音を出す楽器を小さい音にしたい場合、小さい音を大きくさせたい場合はどうする? なんてのを考えながらセッティングするのも面白い。マイクとの距離感や音の大きさをどう奏でるかでも違いが出るよね!
では、準備ができたら「テイク2」を録ってみよう!(お父さまお母さまにご協力いただきます。お父さんお母さんに再度声を出してもらえると幸いでございます。そしてスマホやボイスレコーダー等で録音してくださる、と助かります!)
もし、できたら、1歩ずつ、近くしたり遠くしたりしてみてその違いも感じてみよう。ボクなんかは聴きながら音を寄せていく作業が大好きだ。マイクから同じ距離でも、音の場所がマイクから「まっすぐ」か「斜め」かでもまた違いが分かって面白いよ。録音って思ったより奥が深いでしょ? さて、満足いく「テイク2」が録れたら、次回は、音の再生についてもう少し詳しくお話しするよ。
Profile:SADAHARU YAGI (サダハル・ヤギ)ロサンゼルスを拠点に活動するレコーディングエンジニア/プロデューサー。日本人として史上初となる3度のグラミー・アワードを獲得。ロックやブルース、ゴスペル、ラテン・ポップなど、幅広いジャンルの音楽を手がける。