しゃっくりはなぜ出るの?原因や止まらない時に試してみたい方法

公開日: 2023/04/27

突然「ヒック、ヒック」と音が出てしまう「しゃっくり」は、自分ではコントロールができない不思議な体の動きです。特に、授業中や図書館など静かな場面ではとてもやっかいな問題です。この記事では、しゃっくりが出る原因やしゃっくりの対処法を解説します。

目次
しゃっくりはなぜ出るの?
これって本当なの?しゃっくりの噂!
しゃっくりが止まらない時に試してみたい方法
やらないほうがいい、しゃっくりの止め方
どうしても、しゃっくりが止まらなかったら?
しゃっくりの正しい知識を持とう

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しゃっくりはなぜ出るの?

・しゃっくりが出る体の仕組み

しゃっくりの原因となるのは、肺の下あたりにある「横隔膜(おうかくまく)」の筋肉の痙攣(けいれん)です。横隔膜は普段私たちが自然に行う呼吸で重要な役割を担っています。横隔膜が収縮すると肺が大きく膨らむため、空気を吸い込むことができます。

しゃっくりと言えば「ヒック」のような特徴的な音を連想しますが、この音は横隔膜から出ているわけではありません。人間は喉にある声帯(せいたい)を振動させて声を出していて、声帯に囲まれた空間を声門(せいもん)と呼びます。しゃっくりが出る時に横隔膜の痙攣に連動して声門が急に閉じるので「ヒック」という音が発生します。

・しゃっくりが出る理由

しゃっくりが出る理由について、明確な結論は出ていません。一般的には横隔膜などの筋肉を動かす指令を出す脳の部位や、その指令を伝える神経(迷走神経や横隔神経)が刺激されて起こると考えられています。アルコールを飲んだ時や、熱いものや辛いものを食べると横隔膜が刺激されてしゃっくりが出やすくなります。

これって本当なの?しゃっくりの噂!

・お母さんのお腹にいる赤ちゃんも、しゃっくりが出る!

赤ちゃんは、お母さんのお腹の中で外の世界で生きるための準備を整えています。その中には、手や足だけでなく、呼吸に必要な横隔膜を動かす練習も含まれると考えられています。胎内でしゃっくりをしているような動きは数十分間続くこともあるようです。

・しゃっくりが100回出たら死んじゃう!

「しゃっくりが100回出たら死ぬ」という噂がありますが、これは根拠のない迷信です。しゃっくりが100回出たとしても、それが原因で人が死ぬことはありません。それでは、なぜこのような迷信が広まったのでしょうか。考えられる理由には、しゃっくりが出るメカニズムが関係しているかもしれません。

先ほど解説したように、しゃっくりは横隔膜などの筋肉の動きをコントロールする脳の部位や神経が刺激されて起こります。実は、まれに病気が原因で脳や神経が刺激され、しゃっくりが出ることもあります。お酒や食べ物などの原因は短時間で解消されますが、脳の病気や内臓のトラブルが起こるとすぐには解消されません。そのため、病気が原因のしゃっくりは長く続くこともあります。昔は、医学が発達していなかったので病気の原因がわからず、周囲の人からもすぐにわかるしゃっくりという症状に注目が集まった可能性はあります。

現代ほど算数や数学教育を受けていない人が多い時代には、「とてもたくさん」というイメージで「100」という数字を使っていました。多くの経験を積んだという意味の「百戦錬磨」や、華やかな人や物がたくさん集まっているという意味の「百花繚乱」は今でもよく使う言葉です。

・しゃっくりが68年間も続いた人がいる

さまざまな世界記録を収録した「ギネスブック」によると、アメリカ人のチャールズ・オズボーンさんは68年もの間しゃっくりをし続けたそうです。しかも、そのペースは1分間に40回から20回程度と言われています。仮に、1分間に20回で計算するとたった5分で100回に到達してしまうので、「しゃっくりが100回出たら死ぬ」というのはやはり迷信のようです。ちなみに、このチャールズ・オズボーンさんのしゃっくりは96歳の時に止まり、彼はその約1年後に病気でお亡くなりになったそうです。

しゃっくりが止まらない時に試してみたい方法

皆が静かにしなければいけない場面など、しゃっくりをどうしても止めたいシチュエーションもあります。身近な悩み事であるしゃっくりに対して、昔からさまざまな民間療法が提案されてきました。民間療法の中には医学的な根拠がなく、単なる経験が伝えられているだけのものもあるので注意が必要です。

・深呼吸をする

いつでもできる対処法の1つは、大きく深呼吸をすることです。しゃっくりの原因である横隔膜は呼吸と密接に関連しているので、意識的にゆっくりと呼吸することで横隔膜の痙攣を和らげる効果を狙っています。

・大声で好きな色を叫ぶ

大きな声を出すためには、大きく息を吸いこむ必要があります。また、声を出すために目一杯空気を吐き出すことも深呼吸と共通しています。叫ぶ内容については、いろいろな説が伝えられているので特に理由はないのかもしれません。

・好きな歌を1曲、心を込めて歌う

大きく息を吸って吐くことに加えて、リラックス効果を狙った対処法です。歌うためには息の吸い方や吐き方を意識的にコントロールする必要があるので、深呼吸や叫ぶことと似ています。

・コップ1杯の水を飲む

コップの水を飲むのも有名な方法です。何かを飲むとしゃっくりに関係する神経が刺激されるため、しゃっくりを止める効果が期待されています。

・うがいをする

歌を歌う、水を飲むことと似ていますが、うがいも呼吸を意識的にコントロールする方法です。一時的に呼吸しない時間を作ると、体内の二酸化炭素濃度が上昇するので、しゃっくりが止まる説もあります。

やらないほうがいい、しゃっくりの止め方

良く知られているしゃっくりを止める方法の中には、危険な方法も存在します。次に紹介する4つの方法はしないようにしましょう。

・後ろから驚かせる

背後から大声を出したり体を触ったりする行為は、驚いた拍子にケガをする可能性があるので危険です。

・体をくすぐる

急な動きでケガをしたり、十分な呼吸ができない状態が長く続いたりする恐れがあります。

・息を長い時間止める

あまりに長い時間呼吸を止めると脳の酸素が足りなくなります。酸素不足が続くと脳の機能に障害が残ることや死に至る危険もあります。

・たくさんの水を一気に飲む

飲み込む時に水が肺に入ってしまうリスクがあります。また、あまりに大量の水を飲むと体内の状態が崩れる「水中毒」になる可能性もあります。

どうしても、しゃっくりが止まらなかったら?

ほとんどの場合、時間がたてばしゃっくりは止まります。まずは様子をみてみましょう。この記事でも紹介したように、脳や内臓の病気による刺激がしゃっくりの原因になっていることもあります。2日以上しゃっくりが続く場合や、痛みなどで生活に支障をきたしている場合には病院で医師の診察を受けることがおすすめです。

しゃっくりの正しい知識を持とう

しゃっくりは誰にでも起こる自然な現象で、ほとんどの場合治療の必要はありません。良く知られている対処法には危険が伴うものもあるため、身の回りの人にも安全な対応を勧めましょう。

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