雨が降る仕組み│梅雨はなぜ雨が多い?なぜ大雨になるの?

公開日: 2024/07/05

日本の多くの地域では、夏を迎える前にたくさんの雨が降る梅雨の季節がやってきます。雲しか見えない空の上から水滴が次々と落ちてくる様子は、考えてみると不思議な光景ですよね。この記事では、雨が降る仕組みをできるだけわかりやすく解説します。

目次
なぜ雨は降るの?
梅雨の仕組みは?なぜ雨が降り続けるの?
大雨が降る仕組みは?
天気雨の仕組みは?晴れて雲がないのになぜ雨が降る?
雨を通して地球のことを考えてみよう

なぜ雨は降るの?

雨が降る仕組みは、まだ完全に解明されたわけではありませんが、基本的なメカニズムは多くの人達の研究によって少しずつ分かってきました。

雨の正体

雨が降る仕組みを知るために最も重要なポイントは、雨の正体です。実は、雨の元になっているのは、私たちの周りの空気の中にもある目に見えない水で、この水が大きな塊になったものが雨の水滴です。

私たちの周りの空気の中に目に見えない水があるというのは、どういうことでしょうか?水を含むさまざまな物質は、空気やガスのような「気体」、水道から出てくる水のような「液体」、氷のような「固体」という3種類の状態になります。そして、私たちの周りの空気の中には、気体の状態の水(水蒸気)が含まれています。空気の粒が目に見えないように、水蒸気も普段は目に見えません。

身近な例では、冷たい飲み物が入ったコップに付く水滴によって、水蒸気があることを実感できます。これは、空気中の水蒸気が冷やされると、水蒸気同士が集まって液体の水になるために起こる現象です。実は、雨が降る仕組みは、コップの周りの水蒸気が冷やされて液体の水になる現象とよく似ています。

雨が降る仕組み

山の頂上は気温が低いように、雲があるような空の上も、地上と比べて冷たい空気で満たされています。空気中に含まれる水蒸気は、上昇気流という上向きの空気の流れに乗って空高く運ばれ、上空の冷たい空気で冷やされます。冷やされた水蒸気は、とても小さな水滴(雲粒)や氷(氷晶)になります。とても小さくて軽い粒は、上昇気流に支えられて上空にとどまるので、空に浮かぶ雲が形成されます。

雲の中にたくさん水滴ができると、水滴同士がぶつかったりしてどんどん大きな粒に成長します。そして、上昇気流では支えきれない重さになった水滴は地表に落下し始めます。水滴が落下している間も周りの水滴と衝突して成長が続き、地表に近づく頃には、私たちが目にするような大きさの雨粒になります。

雨雲が黒っぽい理由

雨が降る時の雲の色は、降らない時の雲の色と比べて黒っぽいことが多いですよね。これは、雲の中にある水滴の量と関係しています。雲の中に水滴がたくさん集まっていると、太陽からの光をブロックしてしまうため、黒っぽく見えるのです。

さきほど解説したように、水の粒が多いほど大きな水滴ができやすく、雨が降りやすいことから、雨雲は黒っぽいことが多くなります。

梅雨の仕組みは?なぜ雨が降り続けるの?

暑い夏に先立って雨の日が続く梅雨は、雨が降りやすい条件が揃っている季節です。この時期の日本列島を取り巻く空気の状況を、雨が降る仕組みと合わせて考えてみましょう。

梅雨の仕組み

先に説明したように、水分を空高く運んで雲を作るには上昇気流が重要な役割を担っています。上昇気流が起こりやすい場所の一つに、暖かい空気と冷たい空気がぶつかっているところ(前線)が挙げられます。なぜなら、暖かい空気は冷たい空気よりも軽いので、2つの空気がぶつかると暖かい空気が上にはじかれて上昇気流が発生するからです。

梅雨の時期の日本では、南に暖かい空気の塊があり、北に冷たい空気の塊ができています。この2つの空気の塊が日本列島の上空で押し合いをするので、雨を降らせる雲がたくさん作られやすい状況が続きます。7月頃になると南の暖かい空気の勢力が優勢になり、冷たい空気を追い払って「梅雨明け」が起こります。

大雨が降る仕組みは?

雨を降らせるメカニズムは、周囲の環境によってとても活発になったり、反対にほとんど機能しなかったりします。世界の中でも日本は比較的雨が降りやすい地域と言われていて、大雨によって被害が出ることもあります。

大雨の仕組み

日本に大雨を降らせる代表的な原因の一つは、台風です。台風は、日本の南の暑い地域の海上で発達した、巨大な雲の塊です。太陽の熱で海の水の温度が上昇すると、液体の水の蒸発も進みます。この水蒸気が上昇気流で上空に運ばれると、大きな積乱雲へと成長していきます。台風の雲は水分をたくさん含んでいるので降水量が多く、雨が続く時間も長いので、危険性が高い気象現象です。

日本の場合、四方を海に囲まれているため、台風以外にも水蒸気を豊富に含む湿った空気が発生しやすい環境にあります。この湿った空気が陸上に向かって流れ込んだ時、地形や他の空気の塊などの影響で上昇気流が発生すると、大雨を降らせる雨雲へと成長してしまうことがあります。

ゲリラ豪雨の仕組み

近年、「ゲリラ豪雨」と呼ばれるタイプの大雨の危険性がよく知られるようになりました。ゲリラとは、もともと正式な軍隊ではない人達が不意打ちのように戦いを仕掛けることを指す言葉で、ゲリラ豪雨が突然起こるため予測が難しいという特徴を表しています。ちなみに、ゲリラ豪雨は正式な名称ではなく、気象庁では「局地的大雨」や「集中豪雨」と呼んでいます。

ゲリラ豪雨が発生する原因として考えられるのは、夏の太陽光です。強い日光で空気が暖められて発生した上昇気流が、上空の冷たい空気にぶつかると、雲の形成が急速に進みます。その結果、強い雨を降らせるような雲が短時間で発生することがあります。

人間の活動によって発生する熱がゲリラ豪雨の被害を大きくしてしまう可能性も指摘されています。特に、アスファルトで舗装された都市部では、日差しによって多くの熱が発生します。暑い日にはエアコンを使いますが、エアコンは部屋の外に熱を排出してしまいます。

天気雨の仕組みは?晴れて雲がないのになぜ雨が降る?

雨が降っている時に空を見上げると、多くの場合、自分の真上に雲がかかっています。しかし、まれに雨が降っているのに雲が見当たらないことはありませんか?ここまで、雲が雨の原因であると解説してきたのに、何か変な感じですね。雲が無いのに雨が降る「天気雨」はなぜ起こるのでしょうか?

天気雨の仕組み

実は、天気雨も普通の雨も、雨を降らせる基本的な仕組みは同じです。違うのは、雨が地表に届いた時の雨雲の状況です。

最も単純なのは、雨が風で流されてきた場合です。この状況では、雨が降った場所の真上に雲が無くても、少し離れた場所にある小さな雲が雨の原因になっている可能性があります。
 
他には、雨を降らせた雲が消えてしまうケースもあります。雨粒が落ちてくるスピードは、大体秒速5メートルから10メートルくらいと言われていて、雨雲がある地上数千メートルの位置から地表に届くまでに10分ぐらいかかります。そのため、地表の人が雨に気が付くころには、雲が風で流されてしまっていることがあります。

雨を通して地球のことを考えてみよう

今回の記事で解説したように、雨は、海や地上から上昇していった水分がもう一度地表に戻ってくる現象です。そこには、地球で起こっているあらゆる現象が影響を与えています。

生き物にとって必要不可欠な水を供給する「恵みの雨」でもありますが、同時に、災害につながる危険性も併せ持っています。最近の日本では、地球温暖化や都市の開発による影響が雨を通して現れる機会が増えていることもあり、雨は地球からのメッセージという考え方もできるのかもしれませんね。


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