亀の寿命はどれくらいあるの?長生きの理由と飼育の方法

公開日: 2024/07/12

ゆっくりと歩く姿がかわいい亀。鳴くことがなく散歩も必要ないことから、飼育しやすいペットとして人気があります。「鶴は千年、亀は万年」ということわざがあるように、亀は長生きする動物のイメージを持っている人も多いのかもしれません。さすがに1万年生きている亀はいませんが、種類によっては人間よりも長生きするものもあります。そこで、亀の平均寿命や長生きする理由、上手な飼育方法を解説します。

目次
亀は長生きするの?
亀の寿命が長い理由
亀を長生きさせる飼育方法
亀を飼育するうえでの注意点
亀は陸上生物のなかで最も長寿!飼育時も優しく見守って長生きしてもらおう!

亀は長生きするの?

「鶴は千年、亀は万年」ということわざの通り、長寿のイメージがある亀。実際にはどのくらい長生きするのでしょうか。ひとくちに亀といってもサイズや住んでいる環境は幅広く、種類によって平均寿命は異なります。そこで、亀の平均寿命や長生きした亀の例をご紹介します。

日本でペットとしてよく飼われている亀の平均寿命

ペットショップなどで販売されていて日本でよく飼育されている亀は次の4種類です。それぞれの平均寿命をご紹介します。・ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ):約20~30年・クサガメ(ゼニガメ):約10~20年・ニホンイシガメ・キボシイシガメ:約10~20年・スッポン:約25年ペットで飼われている犬の平均寿命は約15年、猫は約16年といわれています。飼育環境によって寿命は変わってきますが、犬や猫と比較しても亀は長生きをするペットといえるでしょう。

日本に生息する亀のなかではウミガメが長寿

ペットとして飼われている亀よりも、暖かい海に生息するウミガメは長生きです。たとえば、沖縄地方に生息するタイマイの平均寿命は約30~50年といわれています。アオウミガメやアカウミガメのなかには約70~80年生きる種類もいます。

世界の亀のなかで平均寿命が長い種類

海外に生息する亀のなかには、100年以上生きるものもいます。特に長生きしている記録があるのは、次の3種類の亀です。・アルダブラゾウガメ(セーシェルセマルゾウガメ):190歳以上・ホウシャガメ:推定188歳以上・ガラパゴスゾウガメ:約175歳長生きしている亀はほとんどが陸で暮らす大型の種類です。ホウシャガメとガラパゴスゾウガメは絶滅危惧種となっていて、個人での飼育はできません。

最高齢の亀としてギネス認定された「ジョナサン」

最高齢の亀としてギネス認定されたのは、南大西洋に浮かぶセントヘレナ島で暮らしているアルダブラゾウガメのジョナサンです。ジョナサンは2022年に推定190歳を迎えたので、日本でいうと江戸時代後期から生きていることになります。ジョナサンは亀だけではなく、陸上動物としても最高齢の生き物とギネスから認定されています。2021年時点でジョナサンはほとんど目が見えておらず、においもわからなくなっているそうです。しかし、キュウリやキャベツといったエサを与えればしっかり食べているので、今後も長生きして記録更新をする可能性があります。

過去最高に長生きの亀といわれているのは「アドワイチャ」

正確な記録は残っていないものの、過去最高に長生きした亀と考えられているのはアルダブラゾウガメの「アドワイチャ」です。アドワイチャは18世紀頃にインド洋に浮かぶセイシェル諸島で捕獲されました。当初アドワイチャはイギリス人将校のペットとして暮らし、1875年からはインドのコルカタにあるアリポーア動物園で飼育されました。2006年に死亡するまで、アドワイチャは130年間動物園で飼育されていたことになります。記録をつなぎ合わせると推定250年以上生きたのではないかと考えられています。

亀の寿命が長い理由

亀が他の動物と比べて長生きできるのはなぜなのでしょうか。亀が長生きする理由を解説します。

ゆっくりと生きているから

『ウサギとカメ』というイソップ寓話(ぐうわ)があるように、「亀はゆっくりと動く生き物」だというイメージを持っている人は多いでしょう。皆さんの想像通り、亀はのんびりと生活している生き物です。動きだけではなく、成長や老化のスピードもゆっくりしています。ゆっくり生きることで亀は老いにくく、長寿になっていると考えられます。

かたい甲羅で守られているから

亀の背中にはかたい甲羅がついています。甲羅によって天敵から身を守れるため、弱肉強食の自然界でも生き延びることができると考えられます。

適応能力が高いから

亀は環境の変化に強い生き物です。温度や湿度の変化への適応能力が高く、身体が負担を感じにくいつくりになっています。体力を使う暑い夏には「夏眠(かみん)」を寒い冬には「冬眠」をしてエネルギーの消費を抑えることで、老化を防止しています。

亀を長生きさせる飼育方法

ペットとして飼える亀の平均寿命は約10~30年です。しかし、飼育環境が良ければ亀はもっと長生きします。そこで、亀が長生きする飼育方法をご紹介します。

気温や湿度を適切に管理する

亀は気温や湿度の変化に順応性のある生き物ですが、過度な気温の変化は病気の原因になります。亀を飼育するのに適している温度は23~28度です。エアコンやヒーターを使いながら、適切な温度管理をしましょう。

定期的に日光浴をさせる

亀の健康には週に一度30~60分程度の日光浴が有効です。日光浴で、骨や甲羅の成長に欠かせないビタミンDを吸収したり甲羅を清潔に保てたりします。また、体温を上げるためにも日光浴は効果的です。

ストレスを与えない

亀が長生きするためにストレスは厳禁です。飼っているとかわいくてついつい構いたくなってしまうかもしれませんが、ほどほどにしなければ亀のストレスになります。嫌がってそうだと思ったら、触るのをやめましょう。

清潔な環境を保つ

亀が生活をする水槽はいつも清潔に保っておきましょう。食べ残しのエサや排泄物は早めに取り除き、月に一度は亀を出して水槽をまるごと洗います。

亀を飼育するうえでの注意点

亀を飼育するうえで事前に知ってほしい注意点が2つあります。ペットとして亀を迎え入れる前に、ぜひ確認しましょう。

冬眠はリスクもある!赤ちゃんや弱っている亀は冬眠させないようにしよう

亀は寒い季節になると冬眠をします。冬眠で体力消耗を防ぐ効果があるのですが、赤ちゃんの亀や弱っている亀は冬眠中に死んでしまうこともあります。冬眠させないようにするためには、1年中適切な温度に保つことが大切です。

亀は長生き!途中で自然に戻すのは厳禁!

亀はもともと長生きの生き物です。飼育環境によっては想像以上に長生きする可能性もあります。しかし、途中で飼育できなくなったとしても、自然に戻してはいけません。その地域の生態系を壊すことにつながるからです。長い付き合いになる可能性があるからこそ、亀を飼うときは最後までお世話をする覚悟を持ちましょう。

亀は陸上生物のなかで最も長寿!飼育時も優しく見守って長生きしてもらおう!

亀は陸上生物のなかで長生きする生物です。現在最高齢の亀はなんと190歳を超えています。250年以上生きたと考えられている亀もいるほどです。亀特有のゆったりとした動きで省エネして、成長や老化のスピードを遅くしていることが長生きする要因の1つと考えられています。日本で飼育できる亀の多くは平均寿命が10~30年。しかし、飼育環境を整えればもっと長生きすることもあります。長い付き合いになるからこそ、飼育する前には最後までお世話をする責任があることをしっかりと心に留めなければなりません。飼うことを決めた際は、ペットの亀が本来のペースで生活できるようにあまり構いすぎずに優しく見守りましょう。

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