納豆はどうしてネバネバしているの?ネバネバの正体と栄養素や成分
公開日: 2024/07/19
納豆を食べるときに皆さんは何回くらい箸で混ぜますか。何度も混ぜているとネバネバが増して、納豆の糸が長く引くようになります。この糸やネバネバの正体は何なのだろうと気になったことのある人もいるでしょう。そこで、納豆がネバネバしている理由やネバネバの栄養素や成分について解説します。
- 目次
- 納豆のネバネバの正体
- 産地によって違う糸の引き方
- 納豆はたくさんかき混ぜるとおいしくなる?
- 納豆に含まれる栄養素や成分
- 納豆をよりおいしく食べるためのアレンジレシピ
- 納豆のネバネバには栄養がたっぷり!いろいろなアレンジで食べてみよう!
納豆のネバネバの正体
納豆のネバネバは、一度指や食器に付くとなかなか取れないほどの強さです。しかも「納豆のにおい」としか表現できない独特なにおいもあります。納豆特有のネバネバの正体を解説します。
ネバネバの生みの親は納豆菌
そもそも納豆特有のネバネバはどのように生まれるのでしょうか。ご存じの人も多いでしょうが、納豆の原料は大豆(だいず)です。大豆は納豆だけではなく、豆腐やみそなどの原料でもあります。大豆から作られている他の食品は納豆のようなネバネバやにおいがありません。
このネバネバの秘密は、納豆を作る過程で大豆に付着させる「納豆菌」にあります。煮たばかりの温かい大豆に納豆菌と呼ばれる細菌をかけると、納豆菌は大豆のなかのたんぱく質を養分にしてどんどん増えていきます。納豆菌は人肌程度に温かい環境が大好きです。室温40度の部屋に約20時間置くと、納豆菌が増えて大豆は納豆になります。私たちが食べる納豆には、1グラムあたりになんと約10億個の納豆菌が存在しているといわれています。
納豆のネバネバ成分は発酵によるもの
納豆菌がネバネバ成分を出しながら大豆を納豆にしていくことを「発酵」といいます。発酵とは、微生物の働きによって食材を変化させ、よりおいしく長期保存できるようにする作用のことです。例えば、しょう油や漬け物、チーズなども納豆と同じ発酵食品です。
納豆作りで起こる発酵では、納豆菌が大豆のたんぱく質を分解しながら独特のネバネバとにおいを作り出していきます。この発酵によって作り出される物質は「ポリグルタミン酸」と「フラクタン」です。納豆のネバネバはポリグルタミン酸がバネのような構造になっていることが原因です。糖の一種であるフラクタンには粘り成分はありませんが、ポリグルタミン酸のネバネバを安定させる働きがあります。
納豆のおいしさはポリグルタミン酸のおかげ
納豆のネバネバに含まれているポリグルタミン酸はうまみ成分の1つです。和食に欠かせない「だし」になる昆布はグルタミン酸が多く含まれている食材です。納豆を食べておいしいと感じる理由はグルタミン酸の仲間であるポリグルタミン酸が含まれているからといえます。
産地によって違う糸の引き方
納豆は原料となる大豆の産地や品種によって糸の引き方が違います。例えば、アメリカやカナダで生産された大豆でできた納豆はネバネバ度が強いといわれています。ネバネバと糸を引く納豆は日本人にとても人気です。
日本の納豆はヘルシーな食べ物として海外でも注目されているのですが、外国では納豆のネバネバが苦手の人も多くいます。納豆をもっと海外で普及させるため、ネバネバ成分が少ない大豆の開発も進められています。
納豆はたくさんかき混ぜるとおいしくなる?
納豆はよくかき混ぜたほうがおいしくなるという説を聞いたことがある人もいるでしょう。たくさんかき混ぜると粘りが強くなるので、納豆自体が変化しているように感じるかもしれません。しかし、実際にはかき混ぜる回数によってうまみ成分や栄養素が変化することはありません。
ただし、納豆をたくさん混ぜるとネバネバの糸が空気を含みなめらかな舌触りになります。舌触りが良くなることで、多くの人がおいしさを感じやすくなるようです。また、30回以上混ぜると納豆のネバネバに含まれている栄養が身体に取り入れやすくなります。
納豆に含まれる栄養素や成分
納豆は栄養豊富な食材です。原料の大豆自体も「畑の肉」と呼ばれるほど栄養豊富ですが、納豆になることでより栄養が増えます。納豆の主な栄養素と働きは次の通りです。
・たんぱく質:筋肉や臓器など身体をつくる
・食物繊維:腸内をきれいにする
・ビタミンB2:脂質を効率よく代謝させダイエットに効果がある
・ビタミンK:出血時に血液を固めたり骨を形成したりする
・ナットウキナーゼ:血管の詰まり「血栓(けっせん)」と溶かす
納豆に含まれる栄養素のなかで特に注目されているのがナットウキナーゼです。ナットウキナーゼは名前の通り納豆にしか含まれていない成分です。ナットウキナーゼには、心筋梗塞(しんきんこうそく)や脳梗塞(のうこうそく)といった突然死の要因になり得る血栓を溶かす効果があります。ナットウキナーゼの効果は睡眠中に高まるので、夕食時に食べるのがおすすめです。
納豆をよりおいしく食べるためのアレンジレシピ
納豆を食べるとき、いつも同じようにタレとからしをかけるだけの人も多いでしょう。定番の食べ方でもおいしいのですが、食材を少し足すだけでアレンジを楽しめます。納豆のアレンジレシピを3つご紹介します。
納豆かけバターご飯
納豆とバターは意外な組み合わせですが、コクが出てうまみが増します。ご飯をおかわりしたくなるおいしさです。
【材料:1人分】
・納豆(1パック)
・温かいご飯(1杯)
・バター(10グラム)
【作り方】
1.温かいご飯の真ん中を少しへこませてバターを入れる
2.納豆に付属のタレを入れてかき混ぜる
3.バターがご飯の中で溶けたら、納豆をかける
納豆とオクラのネバネバ
納豆とオクラがネバネバした食材同士をあわせるとヘルシーなおかずになります。ご飯だけはなく、そばや冷や奴にかけてもおいしいのでおすすめです。
【材料:1人分】
・納豆(1パック)
・オクラ(5本)
・(小さじ1杯)
・オクラを湯がくための水
【作り方】
1.オクラは水洗いして塩もみする
2.鍋に水を入れて沸騰させ、オクラを2分間湯がく
3.オクラを5~6ミリ程度の輪切りにする
4.納豆をボウルなどに入れて混ぜ合わせ、カットしたオクラを入れる
5.納豆に付属されているタレを入れて混ぜ合わせる
トマトとオリーブオイルの洋風納豆
トマトとオリーブオイルがイタリアンに欠かせない食材を納豆とあわせると、洋風のおしゃれなおかずになります。
【材料:1人分】
・納豆(1パック)
・ミニトマト(3個)
・オリーブオイル(適量)
【作り方】
1.ミニトマトを半分にカットする
2.納豆と付属のタレをボウルなどでかき混ぜる
3.カットしたミニトマトをあわせる
4.オリーブオイルを垂らして完成
納豆のネバネバには栄養がたっぷり!いろいろなアレンジで食べてみよう!
日本の伝統的な食材である納豆。季節を問わずいつでも手軽に食べることができる食品です。納豆は海外でもヘルシーな食べ物として人気が高まっています。納豆菌から作られるネバネバ成分にはたくさんの栄養が含まれているので、大豆のまま食べるよりも身体に良いといえます。
もしかすると納豆が苦手の人もいるかもしれませんが、健康のためにぜひ食べてほしい食材です。納豆はタレを入れて混ぜる人が多いと思いますが、実はさまざまな食材を入れるとアレンジできます。ここでご紹介した調味料や野菜などを入れたアレンジレシピで、普段とは違う納豆の味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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