なぜ左利きの人と右利きの人がいるの?左利きにおすすめのスポーツ
公開日: 2024/08/23
世の中のほとんどの人が右利きということは知っている人が多いと思いますが、なぜ左利きの人も存在するのでしょうか?この疑問に迫りつつ、左利きならではの利点について探ります。実は世界の約90%もの人が右利きで、左利きの人はとても少数派です。しかし、右利きと左利きの違いは単なる習慣や選択の違いだけではありません。 この記事では、なぜ左利きの人と右利きの人がいるのか、その理由を探るとともに、左利きの人におすすめのスポーツについて紹介します。
- 目次
- 左利きの人はなぜ少ない?世界や日本における割合
- なぜ人によって違う?「左利き」と「右利き」の不思議
- サウスポー選手も大活躍!左利きにおすすめのスポーツは?
- 左利きのなぞから多様性に目を向けてみよう
左利きの人はなぜ少ない?世界や日本における割合
左利きの人は、右利きの人と比べて少数派です。左利きの割合とその背景について詳しく見ていきましょう。
世界人口の約10%が左利き
世界人口のおよそ10%が左利きであると推定されています。国によって左利きの割合は若干差があり、オランダやノルウェーなどはその他の国々と比較して左利きの人が多い傾向があります。とは言え、オランダやノルウェーなどでも大多数が右利きであることは変わりません。左利きの割合が少ない理由の一つには、社会での生活の利便性があります。多くの道具や設備が右利き用に作られているため、左利きの場合は多少使い勝手が悪くても、右利き用の道具や設備を使わざるを得ません。例えば、ハサミやキッチンの器具、手帳やノートの綴じ位置など、日常的に使用する多くのアイテムが右利きの人向けに作られています。そのため、たとえ本来の利き手が左であったとしても、生活の不便さを考慮して、右利きに矯正する人が多いのです。
日本人の左利きの割合は人口の約11%程度
日本における左利きの割合について見てみましょう。日本では全人口の約11%が左利きとされています。この割合は文化や教育の影響を強く受けており、過去には矯正が試みられたこともありますが、近年では自然な利き手を尊重する風潮が広がっています。また、日本における左利きの割合は、戦前(第二次世界大戦より前の時代)と比べて増加傾向があります。戦前は左利きの場合には矯正されることが一般的で、左手を使うことが教育の場で推奨されていませんでした。例えば、箸の持ち方や書道などの場面で、左手を使うことが矯正されるケースが多かったのです。しかし、現代ではそのような矯正の必要性が見直され、左利きの子供を無理やり右利きに変えることが少なくなりました。
なぜ人によって違う?「左利き」と「右利き」の不思議
利き手の違いは、脳の働きと深く関係しています。一般的に、左利きの人は右脳が優位に働く一方で、右利きの人は左脳が優位になることが多いと考えられています。
左利きになる理由
左利きになる理由については様々な説があるものの、詳しい理由はまだ解明されていません。一説によれば、左利きになる理由は遺伝的な要因や胎児のときの環境が関係しているとされています。研究によると、左利きの親を持つ子供が左利きになる可能性が高いことが示されています。例えば、両親が共に左利きだった場合、左利きの子供が生まれる確率は約4分の1であるというデータがあります。この研究から、左利きになる理由として遺伝が影響していると考えることができます。また、生まれる前の胎児期にどのように脳が発達するかも利き手に影響すると考えられています。具体的には、胎児期に母親の体の中で分泌されるホルモンの影響で左右の脳の発達度合いが変わり、それが利き手を決める要因になるとされています。詳しくは次の章で解説します。
利き手は脳と関係が深い?
一般的に、左脳は右半身を、右脳は左半身を制御しています。そのため左脳が発達している場合、右半身の制御が優れているため、右利きになる可能性が高くなります。一方で右脳が発達していると、左半身のほうが器用に動かせるため左利きになりやすいです。このように、利き手は脳の左右の発達と深い関係があります。
利き手が決まるのはいつ頃?
子供が特定の手を頻繁に使い始めるのは2歳から4歳の間であり、その期間に利き手が徐々に明確になります。物を持ったり、遊び道具を使ったりする際に、特定の手を利用する頻度が高くなると、その手が利き手として固定されていきます。
左利きは無理に矯正しないほうがいい?
左利きを無理に矯正しようとすると、精神的なストレスが生じ、自信のなさに影響する可能性があります。無理に利き手を変えようとすることで、子供自身が自分の特性を否定して自信を失う原因となるからです。左利きを無理に矯正することは避け、自然な発達を尊重するようにしましょう。
サウスポー選手も大活躍!左利きにおすすめのスポーツは?
左利き(サウスポー)はスポーツで有利になるという話を聞いたことはありませんか?実は左利きは少数派であるという理由から、スポーツにおいて利点になることが多いのです。ここでは、左利きにおすすめのスポーツと、その理由について解説します。
左利きが有利なスポーツ
左利きの特性を十分に活かせるスポーツには、野球やサッカー、テニスや卓球、そしてボクシングや空手などがあります。それぞれのスポーツにおいて、左利きが有利な理由を具体的に見ていきましょう。野球・サッカー野球やサッカーでは、左利き(サッカーの場合は利き足が左)の選手は有利な立場を取ることができます。多くの選手や対戦相手が右利きであり、左利きのプレーヤーに対する特別な準備が難しいからです。例えば野球では、左利き(左投げ)の投手がバッターに対して右投げ投手とは全く違う角度からボールを投げることで打ち取りやすくなります。特に、左投げの投手が左打ちのバッターに対して投げる場合、ボールの軌道がわかりにくく、バッターは対応が難しくなります。これにより、左投げの投手は貴重な戦力として重宝されることが多いのです。サッカーでも、利き足が左の選手は特にサイドのポジションで特性を発揮します。左足でのクロスボールやシュートは相手ディフェンダーにとって予測が難しく、ゴールのチャンスを増やします。また左サイドからのカットインや、左足を巧みに使ったフリーキックは得点機会を大幅に増加させます。テニス・卓球テニスや卓球でも左利きの選手が有利になる場面が多く見られます。例えば、左利きのプレーヤーがフォアハンドでクロスに打つ際、右利きの選手はバックハンドで返球することになるため、効果的に攻められます。また、左利き選手の回転がかかったサーブは右利きの選手にとってボールの軌道の予測が難しくなります。このように、テニスや卓球において左利きであることは、プレーで優位に立ちやすいというメリットがあるのです。ボクシング・空手ボクシングや空手でも左利きの選手が優位に立ちやすいです。左利きの攻撃は、右利きの相手にとって防御しにくいものとなるからです。ボクシングでは、左利きの選手が繰り出すサウスポースタイルからのパンチは相手にとって避けにくく、攻撃のチャンスを増やします。空手でも、突きや蹴りのタイミングが右利きの相手とは異なるため、効果的な攻撃を繰り出せます。左利きの選手ならではの独特な攻撃パターンが有効に働くため、ボクシングや空手においても左利きが有利とされています。
サウスポー選手が有利になりやすい理由
左利きの選手への対策をとるのが難しいことが、多くのスポーツで左利きが有利になりやすい大きな理由です。そもそも左利きの選手自体が少ないことから、練習や模擬試合において、左利きの選手と相対する機会が少なく、対策を十分に練れません。例えば野球では、左投げ投手に対する打撃練習が限られたり、サッカーでも左利きの選手のドリブルやシュートを体験することが難しかったりします。このように、事前の対策が取りにくいことが左利きの選手が試合で有利な状況を作り出しやすい理由となっています。
左利きのなぞから多様性に目を向けてみよう
本記事では、左利きの人が少ない理由や世界と日本での割合、利き手が決まる仕組み、そして左利きに有利なスポーツについて取り上げました。利き手に限らず、同じ人間という生き物でありながら、たくさんの違いがあるのは面白いことですよね。ぜひ身近な人との「違い」について目を向け、多様性について考えるきっかけにしてみてください。