バナナを食べるとき、ほかの果物のように種がないのに気づいたことはありますか?りんごやメロンには種がありますが、バナナには見当たりませんよね。 実は、もともと野生のバナナには種がありました。しかし、私たちが普段、食べているバナナには種がありません。では、なぜ私たちが食べるバナナには種がなくなったのでしょうか?そして、種がないのにどうやって育てているのでしょうか? この記事では、バナナに種がない理由や野生のバナナとの違い、バナナの栽培方法などをわかりやすく説明します。
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そもそもバナナは何種類ぐらいあるの?

世界には300種類以上のバナナがあります。大きく分けると、「そのまま食べるバナナ」と「料理に使うバナナ」の2種類があり、国や地域によってさまざまな方法で食べられています。それぞれどんな特徴があるのかを見てみましょう!
生で食べるバナナ
みなさんがスーパーで見かける、黄色くて甘いバナナは「生食用のバナナ」です。日本でよく食べられているのは「キャベンディッシュ種」というバナナで、世界中で人気があります。
このバナナは、皮をむいたらそのまま食べられるのが特徴です。甘くてやわらかく、ジュースやお菓子にもよく使われます。朝ごはんに食べたり、おやつにしたりと大活躍の果物ですね。
料理に使うバナナ
このバナナは、皮が緑色や黒っぽいものが多く、甘みが少ないのが特徴です。そのままでは食べず、焼いたり、ゆでたり、揚げたりして食べます。
たとえば、東南アジアやアフリカ、中南米では、バナナをスライスして油で揚げた「バナナチップス」や、焼いてホクホクにした「グリルバナナ」などが人気です。
日本ではあまり見かけませんが、料理用バナナはお米やパンのように主食として食べられることもあります。「バナナがごはん代わり?」とびっくりするかもしれませんが、国によって食文化はさまざまですね。
もし海外に行く機会があれば、料理用バナナの味を試してみるのもおもしろいかもしれませんよ。
バナナの種はどこにあるの?

バナナを食べると、果肉の中に大きな種がないことに気づきます。しかし、昔のバナナには種がありました。では、なぜ今のバナナには種がないのでしょうか?
・普段食べているバナナには種がない
スーパーで売られているバナナの果肉の中に、小さな黒い点があるのを見たことはありますか?これは、昔バナナにあった種のなごりですが、もう発芽する力はありません。現在、日本で売られているバナナは、この種がないバナナばかりです。種がないことで、口当たりがよく、手軽に食べられるため、世界中で人気の果物になっています。
・野生のバナナには種がぎっしり!
自然界で育つ野生のバナナには、もともと種がたくさん詰まっていました。今でもフィリピンやマレーシアなどの一部の地域では、種ありの野生バナナが見られます。現地の人々は、種を取り除いて食べたり、料理に使ったりすることもあります。しかし、果肉よりも種のほうが多く、食べるのにはあまり向いていません。
現在では種があるバナナは野生のバナナの中でもごく一部しか残っておらず、日本の奄美地方などに自生しているバナナは、ほとんどが種なしです。これは、普段食べているような種なしのバナナが自然界で増えていったためと考えられています。では、どうして普段食べているバナナには種がなくなったのでしょうか?
バナナに種がないのはなぜ?

バナナに種がないのは、自然界での変化と人間の工夫が関係しています。
・始まりは突然変異
もともと野生のバナナにはたくさんの種がありました。しかし、ある時、自然界で「突然変異(とつぜんへんい)」と呼ばれる急な変化が起こり、種がほとんどできないバナナが誕生しました。
この種なしバナナは、果肉がたくさんあって食べやすかったため、人間にとって都合がよく、次第に広まっていきました。こうして、種なしバナナは長い時間をかけて受け継がれ、今では世界中で一般的なバナナになったのです。
・種がないバナナの栽培方法は?
バナナには種がないので、普通の植物のように種をまいて育てることができません。そこで、「株分け(かぶわけ)」という方法で増やします。
バナナの根元には「子株(こかぶ)」という新しい芽が生えてきます。この子株を育ててから、親株から切り離し、土に植えると新しいバナナの木になります。これがバナナを増やす一番よく使われる方法です。
また、大きなバナナ農園では「組織培養(そしきばいよう)」という特別な方法を使って、1本のバナナから1000本以上の苗を作ることもあります。この方法を使うと、病気に強いバナナを育てることができます。
こうして、種がなくてもバナナはしっかり育ち、世界中でたくさん作られているのです。
・種がないバナナは世界中で人気に!
バナナは、食べやすくて甘みが強いことから、多くの国で人気があります。そのまま食べるだけでなく、スムージーやデザートの材料にもよく使われています。
特に、日本でよく見かける「キャベンディッシュ種」という品種は、種なしバナナの代表的なものです。このバナナは病気に強く、大量に育てやすいため、世界中で広く栽培されています。
しかし、キャベンディッシュ種のバナナも新しい病気に弱いという問題を抱えています。そのため、農家や科学者たちは、病気に強い新品種の開発を進めているのです。
バナナ以外にも種がない果物ってあるの?

バナナには種がありませんが、実はほかにも種がない果物がたくさんあります。
では、ほかの種がない果物はどのようにして増やされているのでしょうか?
・種のない果物
種のない果物は日本でも人気が高く、広く栽培されています。代表的な種なし果物には、次のようなものがあります。
*種なしブドウ
*種なしスイカ
*種なしミカン(温州みかんなど)
*種なしカキ
これらの果物は、種を取り除く手間がなく、そのまま食べられるため、小さい子どもから大人まで人気があります。
・種のない果物の増やし方
種のない果物は、種をまいて育てることができないため、特別な方法で増やされています。
例えば、種なしブドウは、植物ホルモンを使って種ができるのを防ぎ、接ぎ木(つぎき)という方法で増やします。これは、冬の間に種なしブドウの枝を切り取り、「台木」と呼ばれる別の苗木に接着して新しい木を育てる方法です。
また、オレンジやレモンなどの柑橘(かんきつ)類では、接ぎ木を使って病気に強い実を増やします。種なしスイカは、特別な交配によって種ができにくくなるように工夫されています。このように、種なしの果物は、それぞれの特徴に合わせたさまざまな技術を使って育てられているのです。
果物の秘密をもっと探してみよう!
普段は気にしていなくても、よく考えてみたらバナナには種がないなんて、不思議ですよね。今のようなバナナが食べられるようになったのは、突然の変化や、人間の工夫があったからでした。
そして、バナナだけでなく、種なしブドウや種なしスイカなど、種がない果物はほかにもあります。それぞれ特別な育て方をされていて、私たちが食べやすいように工夫されているのです。
次にバナナや種なしの果物を食べるとき、「これはどうやって作られたのだろう?」と考えてみると、新しい発見があるかもしれません。もしかしたら、自分で果物を育ててみたくなるかもしれませんね!
果物のひみつを知ると、いつものおやつやデザートがちょっと特別に感じられるかもしれませんよ。