夏休みの自由研究、テーマはもう決まりましたか? 「何を調べればいいのかわからない」という人におすすめなのが、「未来のエネルギー」をテーマにした自由研究です。 電気やガスなどのエネルギーは、わたしたちの生活にとって大切なものです。しかし、その多くは火力発電などで作られており、地球温暖化(ちきゅうおんだんか)や環境問題の原因にもなっています。 そこで今、地球にやさしい新しいエネルギーに注目が集まっています。この記事では、未来を支える「再生可能エネルギー」をわかりやすく紹介します。さらに、太陽の力を使った簡単な実験にもチャレンジできるので、自由研究にぴったりです。楽しみながら、地球と未来について考えてみませんか?
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この記事のもくじ
未来の社会に必要なエネルギーとは?

これからの社会を支えるためには、どんなエネルギーがふさわしいのでしょうか。
まずは、今のエネルギーが抱える問題や、なぜ新しいエネルギーが必要なのかを知っておくことが大切です。
化石燃料が抱える問題点
わたしたちが今使っている電気の多くは、「化石燃料(かせきねんりょう)」というエネルギーから作られています。
化石燃料とは、昔の生き物や植物が長い年月をかけて地中で変化したもので、石炭・石油・天然ガスなどです。
とても便利なエネルギーですが、次のような大きな問題があります。
1.地球温暖化を進める
化石燃料を燃やすと「二酸化炭素」というガスが出ます。
このガスがたくさん出ると、地球の温度が上がってしまいます。これが地球温暖化です。
2.いつかなくなってしまう
化石燃料は地中に限られた量しかありません。
使い続けると、いつかはなくなってしまう「限りある資源」なのです。
新エネルギーが必要な理由
地球の環境を守りながら、これからも安心してエネルギーを使い続けるためには、化石燃料に頼らない方法を考える必要があります。
そのために注目されているのが、自然の力を使って電気を作る「クリーンエネルギー」です。太陽の光や風、水の流れなどは、どれだけ使ってもなくならないので、次の世代にも引きつぐことができます。
環境への負担が少なく、ずっと使えるエネルギー。それが、これからの時代に必要とされている新しいエネルギーなのです。
次世代エネルギーとして注目されている「再生可能エネルギー」とは?

これからの社会を支えるエネルギーとして、世界中で注目されているのが「再生可能エネルギー」です。
これは自然の力を使い、何度でもくり返し作ることができる、地球にやさしいエネルギーのことです。
ここでは、代表的な5つの再生可能エネルギーについて紹介します。
太陽の光を使う「太陽光発電」
太陽の光を使って電気を作る方法です。家の屋根に取りつけられた黒いパネルを見たことがあるかもしれません。それが「太陽光パネル」です。
太陽の光は世界中どこにでもふりそそぎ、燃料もいらないため、環境にやさしい発電方法です。ただし、夜や雨の日には発電できないという弱点もあります。
風の力を使う「風力発電」
風車のような大きな装置が風で回り、その力を使って電気を作ります。昼でも夜でも、風があれば発電できるのが特長です。
しかし、風がないと発電できず、鳥がぶつかってしまう「バードストライク」といった課題もあります。
水の流れを使う「水力発電」
水力発電は、ダムにためた水を高いところから流し、その勢いで水車を回して電気を作る仕組みです。雨が降れば水がたまり比較的安定して電気を作ることができます。ただし、大きなダムを作るには自然の風景や動物のすみかに大きな影響を与えてしまうこともあり、環境とのバランスが大切になります。
地面の熱を使う「地熱発電」
地熱発電は、地球の内部にある高い熱を利用して電気を作る方法です。火山の多い日本では、この熱を利用しやすいといわれています。地熱の力で水をあたためて蒸気を作り、その蒸気でタービン(羽根車)を回すことで電気が作られます。天気に左右されにくいのが強みですが、火山の近くなど、発電所を作れる場所が限られているのが課題です。
生き物の力を使う「バイオマス発電」
バイオマス発電は、食べ物の残りや家畜のふん、木くずなど、本来ならすてられてしまう「生き物由来のもの」をエネルギーに変える方法です。これらの材料を燃やしたりガスにしたりして電気を作ります。ごみを減らしながら電気を作れるのがメリットですが、材料をあつめたり運んだりするのに時間やお金がかかるという課題もあります。
※バイオマス発電では二酸化炭素が出ますが、材料となる植物は成長中に二酸化炭素を吸収します。こうした仕組みを「カーボンニュートラル」と呼び、全体として地球にやさしいとされています。ただし、バイオマス発電の方法によっては、カーボンニュートラルとはいえない場合もあります。
未来エネルギーの実験!「ペットボトル×太陽光」で水をあたためよう

太陽の力で水があたたまる仕組みを、身近な材料を使って調べてみましょう。
難しい道具は必要ありません。安全に気をつけながら、おうちの人といっしょにチャレンジしてみてください。
この実験では、ペットボトル2本に同じ量の水を入れ、1本だけに黒い紙を巻いて日光に当てることで、色による温度の変化をくらべます。
・準備するもの
*ペットボトル2本
*黒い画用紙または黒い布
*温度計
*ダンボール(ペットボトルを置く台として使います)
*粘着テープやセロハンテープ
*軍手(やけど防止のため)
*時計
*実験メモ用紙やノート
*水
・実験手順
①黒い紙を1本のペットボトルに巻きつけ、テープでとめます。もう1本はそのままにしておきます。
②どちらのボトルにも同じ量の水を入れ、温度を測って記録します。
③太陽の光が当たる場所に2本のボトルをならべます。お昼すぎ(12時~15時ごろ)が適しています。
④15〜20分ごとに水の温度を測り、その都度ノートに記録します。天気のようすも書いておくとよいでしょう。
⑤1〜3時間ほど続けて、結果をグラフにまとめると違いがはっきりわかります。
・注意点
*必ず保護者の人といっしょに行いましょう。
*ペットボトルが熱くなることがあるので、軍手を使ってやけどに注意してください。
*暑い日は、こまめに水を飲んだり、帽子をかぶったりして、熱中症に気をつけましょう。
・実験の発展アイデア
【低学年向けアイデア】
*ペットボトルの置き場所を変えて、日なたと日かげで温度の上がり方を比べてみましょう。
*黒い紙のかわりに赤や白など色ちがいの紙を使って、どの色が一番よく温まるか実験してみましょう。
【高学年向けアイデア】
*ペットボトルの大きさを変えて、どの大きさが温まりやすいか調べてみましょう。
*アルミホイルで反射板を作って、太陽の光を集める工夫をしてみましょう。
*実験結果をグラフにまとめて、なぜそのような結果になったのか自分なりに考えてみましょう。
*SDGsの目標7「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」について調べ、実験とつなげて考えてみましょう。
未来のエネルギーについて学んだことを発表してみよう!
これからの社会では、自然の力を使った再生可能なエネルギーが重要になります。地球温暖化や資源枯渇の問題を解決するために、私たちはクリーンなエネルギーを選ぶことが求められています。
この記事では、さまざまな再生可能エネルギーについて学びました。それぞれの特徴や課題を理解することができました。
太陽の力で水をあたためる実験を通じて、自然のエネルギーを身近に感じられたのではないでしょうか。
自由研究では、「調べたこと」や「実験したこと」を自分の言葉でまとめることが大切です。グラフやイラストを使えば、より伝わりやすくなります。
未来のエネルギーについて考えることは、地球の未来について考えることです。学んだことを発表し、身近な人にも伝えてみましょう。それが、地球を守るための第一歩となります。