マラソンの歴史はいつから始まった?名前の由来や42.195キロ走る理由

身近な疑問

ワンダー 2

公開日2025.05.26

マラソンと聞くと、「長い距離を走る大変なスポーツ」というイメージを持つ人が多いかもしれません。しかし、どうしてそんなに長い距離を走るのか知っていますか? 実はマラソンの始まりには、昔の戦いで国を守ったある兵士のエピソードが関係しています。そして、42.195キロメートルという長さにも、きちんとした理由があるのです。 この記事ではマラソンがどのように始まり、今のようなスタイルになったのかを、わかりやすく紹介していきます。さあ、マラソンの歴史をいっしょに見ていきましょう。

この記事をいいねと思ったらクリック!

マラソンの歴史はいつ頃に始まった?

マラソンは、今では世界中で人気のあるスポーツですが、そのはじまりはとても昔のことです。なんと、約2500年前の古代ギリシャまでさかのぼります。
ここでは、マラソンがどうやって生まれたのか、そして「マラソン」という名前にどんな意味があるのかを紹介します。

マラソンの始まりは古代ギリシャの戦い

マラソンのもとになったのは、「マラトンの戦い」と呼ばれる戦いです。この戦いは紀元前490年ごろ、古代ギリシャとペルシャという国のあいだで行われ、ギリシャ軍はこの戦いで勝ちました。
その勝利をアテネという町に伝えるため、フェイディピデスという兵士がマラトンという場所からアテネまで走ったと言われています。その距離は約42キロメートル。今のマラソンとほぼ同じです。
フェイディピデスは、町の人たちに「勝ったぞ!」と伝えたあと、力つきて倒れてしまったという話が残っています。このできごとが、のちにマラソンという競技のきっかけになったのです。

「マラソン」という名前の由来

「マラソン」という言葉は、フェイディピデスが走り出した町の名前「マラトン」からきています。
このできごとにちなんで、長い距離を走る競技を「マラソン」と呼ぶようになりました。つまり、「マラソン」という言葉は、ひとつの町の名前がもとになっていて、その背景には人々に大切な情報を伝えようとする思いが込められているのです。

オリンピックでのマラソンはいつから始まった?

マラソンは、古代ギリシャの物語から生まれましたが、スポーツとして広まったのは、オリンピックがきっかけです。
では、オリンピックでマラソンが正式な競技になったのは、いつ頃だったのでしょうか?ここでは、マラソンとオリンピックのつながりや、なぜ「42.195キロメートル」になったのかについて見ていきましょう。

1896年のアテネオリンピックで正式競技に

マラソンがオリンピックの正式な競技として登場したのは、1896年のアテネオリンピックです。この大会は、現代のオリンピックとして最初に開かれたもので、このとき古代ギリシャの伝説をもとにマラソン競技が行われました。
この大会をきっかけに、マラソンは世界中で知られる競技となり、今では世界中で大会が開催されるようになりました。

マラソンの距離が42.195キロメートルの理由

今ではマラソンといえば「42.195キロメートル」ですが、最初からこの距離だったわけではありません。
1908年にイギリスのロンドンで開かれたオリンピックでは、イギリス王室の希望で、スタート地点をウィンザー城にすることになりました。そこからゴールの競技場までの距離が、ちょうど42.195キロメートルだったのです。
そして、1924年の第8回パリオリンピックから正式な競技距離として採用されました。

日本のマラソン選手が最初に走ったオリンピックとは

日本人が初めてオリンピックのマラソンに出場したのは、1912年にスウェーデンで開かれたストックホルムオリンピックです。
そのときの選手は、金栗四三(かなくり しそう)さん。「日本マラソンの父」として知られています。
金栗さんは、はるばる日本からヨーロッパへ行き、オリンピックに出場しました。当時は今のような旅客機もなく、船とシベリア鉄道を使った長旅は大きなチャレンジだったのです。
彼の挑戦は、日本のマラソンの歴史を動かし、今では多くの日本人ランナーが世界で活躍するきっかけになりました。

日本や世界で有名なマラソン大会の歴史

世界には、さまざまなマラソン大会があります。ここでは、日本と世界の代表的なマラソン大会について見ていきましょう。

ボストンマラソン(アメリカ)

ボストンマラソンは、1897年に始まった世界で最も古いマラソン大会です。前の年に開かれた第1回アテネオリンピックのマラソン競技に感動した人たちが、「アメリカでも大会を開きたい」と考えたことがきっかけでした。
それ以来、ボストンマラソンは毎年行われてきました。戦争や悪天候の年もありましたが、中止せずに乗りこえてきたのです。しかし、2020年は新型コロナウイルスの影響で大会が初めて中止となり、そのかわりにバーチャルレースが行われました。
この大会に出場するためには、決められた以上の速さで走らなければならない「予選タイム」があることでも有名です。そのため、多くのランナーにとって、ボストンマラソンはあこがれの舞台となっています。

ニューヨークシティマラソン(アメリカ)

ニューヨークシティマラソンは、1970年に始まりました。最初の大会は、ニューヨークにあるセントラルパークの中で行われ、参加者はたった127人しかいませんでした。
しかし、その後大会はどんどん大きくなり、今では毎年5万人以上が参加する世界最大級のマラソン大会になりました。1976年からは、ニューヨークの5つの区をすべてめぐるコースになり、多くの観客が声をかけて応援してくれる大会として人気があります。
ただのレースではなく、「街全体がお祭りのように盛り上がる」ことが、この大会の特徴です。マラソンがスポーツをこえて、人と町をつなぐイベントになっていることがよくわかります。

ロンドンマラソン(イギリス)

ロンドンマラソンは、1981年にはじまりました。きっかけは、ニューヨークシティマラソンに感動したイギリスのランナーたちが、「ロンドンでも同じような大会を開きたい」と考えたことです。
ロンドンマラソンの大きな特徴は、チャリティ(寄付)活動が大会の中心にあることです。走ることでお金を集め、さまざまな支援活動に役立てる「チャリティランナー」がたくさん参加しています。
また、コースではロンドン塔やバッキンガム宮殿など、イギリスの有名な場所を走ることができるため、歴史や文化を感じられる大会としても人気です。

東京マラソン(日本)

東京マラソンは、国際的にも有名な日本で行われるマラソン大会です。2007年に第1回が行われ、それまで別々に開催されていた市民ランナーの大会とトップ選手の大会が統合されて始まりました。
この大会は、2013年には「ワールドマラソンメジャーズ」に加わり、世界6大マラソンの1つとして認められました。
東京の名所を走るコースや、多くの人たちからの応援によって、東京マラソンはスポーツをこえた大イベントへと成長しています。毎年、国内外からたくさんのランナーが参加し、大きな注目を集めています。

マラソンの歴史を知ると、走ることがもっと楽しくなる

この記事では、マラソンの始まりや、「42.195キロメートル」という距離の理由、オリンピックとの関わり、そして日本や世界の有名なマラソン大会について紹介してきました。
マラソンは、古代ギリシャでの出来事をきっかけに生まれ、長い年月をかけて世界中に広まったスポーツです。今では記録を目指す人だけでなく、走ることを楽しむ人、チャリティ活動のために走る人など、さまざまな目的でたくさんの人が参加しています。
もしマラソンに少しでも興味を持ったら、まずは身近なランニングイベントや、短い距離の大会にチャレンジしてみるのもおすすめです。
また、走ることが苦手でも、「なぜ走るのか」「どうして続いてきたのか」を知ると、マラソンがちょっと違って見えるかもしれません。
大会に出るだけでなく、テレビで見たり、家族や友だちと応援したりするのも、マラソンの楽しみ方のひとつです。
これからも、いろいろな視点でマラソンを楽しんでいけるといいですね。


関連記事

人気記事

関連動画

  1. ワンダースクール
  2. トピックス一覧
  3. 身近な疑問の記事一覧
  4. マラソンの歴史はいつから始まった?名前の由来や42.195キロ走る理由