ライト兄弟は何をした人?飛行機を発明した挑戦が世界に与えた影響

身近な疑問

ワンダー 1

公開日2025.06.02

今では、飛行機で世界中どこへでも行ける時代になりましたが、昔の人たちにとっては、長時間自由に飛ぶことは「夢のようなこと」でした。 「人が鳥のように空を飛ぶことなんて、本当にできるのかな?」 そんなふうに考えていた時代に、「絶対に空を自由に飛んでみせる!」と挑戦し、世界で初めて動力(どうりょく)を使って空を飛ぶことに成功したのが、アメリカのライト兄弟です。 彼らの努力がなければ、今のように飛行機で海外旅行をしたり、荷物を運んだりすることもできなかったかもしれません。 この記事では、ライト兄弟がどんなふうに飛行機を作ったのか、そして2人の発明がどれほど世界を変えたのかを、わかりやすく紹介していきます。

この記事をいいねと思ったらクリック!

ライト兄弟は何をした人?

ライト兄弟は、まだ誰も成功していなかった「動力付きの有人飛行」を、世界で初めて完成させた兄弟です。
彼らは自分たちの手で飛行機を作り、エンジンの力で空を飛ぶことに成功しました。
では、そんなすごい飛行機を作ったライト兄弟とは、どんな人物だったのでしょうか?

人類初の動力飛行に成功した兄弟

ライト兄弟が初めて飛行に成功したのは、1903年のことです。エンジンを使って動く飛行機を自分たちで作り、実際に空を飛ばすことができました。
それまでにも空を飛ぼうとした人はいましたが、うまくいきませんでした。うまくいかなかった理由は、飛行機の羽が十分に空気をつかまえられなかったり、エンジンが弱すぎて飛ばせなかったりしたからです。また、飛行機を上手に操縦する方法がわからなかったことも失敗の原因です。ライト兄弟は、これらの問題をひとつひとつ解決し、ようやく空を飛ぶことができたのです。

ライト兄弟の生い立ち

ウィルバー・ライト(兄)とオーヴィル・ライト(弟)は、アメリカで生まれた兄弟です。子どものころから、2人はとても好奇心が強く、身のまわりのものを使っていろいろな工作を楽しんでいました。
ある日、お父さんがくれた「羽ばたき式のおもちゃのヘリコプター」に夢中になり、それが「空を飛ぶこと」への興味のはじまりだったとも言われています。
大人になった2人は、自転車店を始め、自転車のしくみや風の使い方を学ぶ中で、「空を飛ぶしくみ」にも強くひかれていきました。
その後、どうやって夢を実現していったのか。2人の工夫と挑戦の物語は、次の章で詳しく紹介します。

ライト兄弟の飛行機づくりのエピソード

ライト兄弟は、いきなりエンジン付きの飛行機を作ったわけではありません。
「どうすれば人が空を飛べるのか?」という大きな謎に挑むため、2人はさまざまな実験や観察を何度も繰り返し、少しずつ答えを見つけていきました。
ここでは、飛行機を作るまでにライト兄弟がどんな工夫をしたのか、4つのポイントに分けて紹介します。

グライダーの研究

ライト兄弟が最初に作ったのは、エンジンのない「グライダー」という乗り物です。グライダーは、自分の力だけでは空に飛び立つことができません。風の力や、上の方にのぼる空気の流れ(これを「上昇気流」といいます)を利用して、空を滑るように飛びます。
2人はこのグライダーを何度も作り直しながら、どんな形の翼がよく飛ぶのか、どうすればバランスよく飛べるのかを調べました。そして、風の強さや角度を記録しながら、少しずつグライダーの形を改良していったのです。

鳥の飛行を観察

ライト兄弟は、「どうして鳥はあんなに自由に空を飛べるのだろう?」と不思議に思いました。

そこで、鳥の飛び方をよく観察してみると、翼を広げたり、少しねじったりしながら、風をうまく使っていることに気づきます。
「この動きを真似すれば、飛行機も安定して飛べるかもしれない」
そう考えた2人は、飛行中に翼の形を変えてバランスをとる「操縦のしくみ」を作り出しました。
このアイデアが、空を安全に飛ぶための大きなヒントになったのです。

自転車技術の応用

ライト兄弟は自転車屋さんでもありました。そこで学んだ「軽くて丈夫な本体の作り方」や「バランスをとるコツ」は、飛行機づくりにそのまま応用しました。
自転車と同じように、飛行機にもバランスをとるしくみが必要だと考え、風に流されないようにするための工夫をたくさん加えたのです。
また、エンジンの力をスムーズに伝えるためのしくみも、自転車の経験から生まれたものでした。

過去の失敗を分析

ライト兄弟は、過去に空を飛ぼうとした人たちの失敗もていねいに調べました。
「なぜこの飛行機は落ちてしまったのか?」「どこがうまくいかなかったのか?」を分析し、自分たちの飛行機では同じ失敗をくり返さないように工夫しました。
2人は、うまくいかなかったことを責めるのではなく、「次にどうすればいいか」を考え続けたのです。そうした積み重ねが、ついに夢を現実に変える力になりました。

フライヤー号が初めて空を飛んだ日

何年もかけて準備を続けてきたライト兄弟。
ついに1903年12月17日、自分たちで作った飛行機「フライヤー号」を飛ばす日がやってきました。
場所はアメリカのノースカロライナ州、キティホークの近くにある「キルデビルヒルズ」という丘です。風が強くて広いこの土地は、飛行の実験にとても向いていました。
最初に操縦をしたのは、弟のオーヴィル・ライト。
フライヤー号はエンジンを動かし、ゆっくりと地面を走り出しました。
そして、そのまま地面からふわりと浮かび上がり、空中を進んだのです。
飛行時間は約12秒で、飛んだ距離は約36メートル。
時間と距離は短くても、「人が乗って、エンジンの力で空を飛んだ」ことに大きな意味がありました。
その後、兄のウィルバーも操縦を行い、この日だけで4回の飛行に成功しました。最後の飛行では、59秒間でおよそ260メートルも飛んだのです。
この小さな成功が、やがて世界の空の広がりを変えるきっかけになりました。
飛行機の時代は、ここから始まったのです。

ライト兄弟の発明が与えた影響

1903年の初飛行をきっかけに、飛行機の技術はどんどん進み、今では世界中の人が空を旅する時代になっています。
では、飛行機が生まれたことで、私たちのくらしはどのように変わったのでしょうか。

空の移動が当たり前になった

ライト兄弟が飛行機を発明したおかげで、遠くの国へも短い時間で行けるようになりました。昔は船で何日もかけて行っていた外国も、今では飛行機なら数時間です。旅行や仕事だけでなく、荷物や食べ物なども、すばやく世界中に届けられるようになりました。

新しい技術の発展につながった

飛行機を作るためには、軽くて丈夫な材料や、パワフルで安全なエンジンが必要です。
そのため、研究や開発が進み、新しい技術が次々と生まれました。これらの技術は、飛行機だけでなく、車やロケットなど、ほかの乗り物にも使われています。飛行機の発明は、乗り物全体の進化にもつながったのです。

宇宙開発にもつながった

「もっと遠くまで行きたい」という人間の思いは、空をこえて、やがて宇宙へと向かいました。飛行機の発明から始まったこの流れは、ロケットや人工衛星の開発、そして人が宇宙に行く時代へとつながっていきます。飛行機の発明が、宇宙の世界への第一歩になったのです。

戦争にも使われるようになった

飛行機はとても便利な乗り物ですが、使い方によっては人を傷つけてしまうこともあります。
飛行機の発明から間もなく戦争でも使われるようになり、戦闘機や爆撃機といった軍事用の飛行機が作られました。
今でも、戦争や軍事の場面で使われることがありますが、その一方で、平和のために使われている飛行機もたくさんあります。たとえば、災害時の救助活動や、病気の人を助けるためのドクターヘリもそのひとつです。
飛行機は「どう使うか」がとても大切です。だからこそ、未来をつくる私たち1人ひとりが、その使い方について考えていくことが大切なのかもしれませんね。

ライト兄弟の挑戦は、未来の空へつながっている

この記事では、ライト兄弟がどのようにして飛行機を発明し、その発明が世界にどんな変化をもたらしたのかを見てきました。
もし、挑戦を続けなかったら、今のように海外旅行をしたり、世界中に荷物をすばやく届けたりすることは、まだ夢のままだったかもしれません。
さらに、飛行機の発明は人類のくらしを大きく変えただけでなく、宇宙への一歩にもつながる大きなきっかけとなりました。
これから先、もっと速くて、環境にやさしい飛行機が作られるかもしれません。あるいは、空を飛ぶ車があたりまえになる時代がやってくるかもしれませんね。未来の乗り物は、今よりもっと自由でワクワクするものになっていくでしょう。
さあ、みなさんなら、どんな乗り物を作ってみたいですか?


関連記事

人気記事

関連動画

  1. ワンダースクール
  2. トピックス一覧
  3. 身近な疑問の記事一覧
  4. ライト兄弟は何をした人?飛行機を発明した挑戦が世界に与えた影響