次の皆既日食はいつ?スケジュールや部分日食、金環日食との違い

身近な疑問

ワンダー 1

公開日2025.06.09

ある日、空が急に暗くなり、まるで夜が来たように感じたら、それは「皆既日食(かいきにっしょく)」かもしれません。 皆既日食は太陽が月のかげに入り、一時的に見えなくなる不思議な現象です。この皆既日食はどこで見ることができるのでしょうか?また、「部分日食(ぶぶんにっしょく)」や「金環日食(きんかんにっしょく)」との違いは何でしょうか? この記事では、皆既日食についてわかりやすく紹介しながら、今後見られる日食のスケジュールについてもお伝えします。 空の不思議をいっしょにのぞいてみましょう。

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皆既日食とはどんな現象?

まずは、皆既日食の仕組みや見え方について詳しく見ていきましょう。

皆既日食とは月が太陽を完全にかくす天文現象

皆既日食は、月が太陽の前にぴったりと重なって、太陽を全部かくしてしまうときに起こります。
いつもは太陽が空を明るく照らしていますが、このときだけは、昼間なのに空が急に暗くなり、まるで夜のようになります。
そして、皆既日食のときにだけ見られるのが「コロナ」という光の輪です。コロナは太陽の外側にある白い光で、普段はまぶしくて見えませんが、このときだけ姿を現します。
また、皆既日食の前後には、「ダイヤモンドリング」とよばれる現象が見られることもあります。これは、太陽の光が月のすきまから少しだけこぼれたときに、ダイヤモンドのようにキラリと光る様子のことです。

日食の仕組み

月は、いつも地球のまわりを回っています。
そして、あるとき、太陽・月・地球がちょうど一直線に並ぶと、月が太陽の前にきて、その光をさえぎります。このとき、月の影が地球の上に落ちて、私たちの目には太陽がかくれて見えるのです。これが「日食」です。
ただし、月の影の落ち方によって、地上からの見え方に違いがあります。そのため、日食にはいくつかの種類があるのです。
次の章では、日食の種類について詳しく見ていきましょう。

部分日食や金環日食との違いは?

皆既日食のほかにも、太陽が月にかくされる日食にはいくつかの種類があります。
その中でもよく知られているのが、「部分日食」と「金環日食」です。
それぞれ、どんなふうに見えるのでしょうか?

部分日食とは

部分日食は、月が太陽の一部だけをかくすときに起こる現象です。このとき、太陽は欠けた三日月のような形に見えます。皆既日食のように空が真っ暗になることはありませんが、日光が弱まり、昼間でも薄暗く感じることがあります。

金環日食(きんかんにっしょく)とは

金環日食は、月が太陽の中心をかくす現象です。月は地球から見ると太陽より少し小さく見えることがあります。そのため、太陽のまわりに光のリングが現れるのです。
この光の輪が「金環(きんかん)」とよばれ、まるで金色の指輪のように輝くことから、「金環日食」とよばれています。空はうす暗くなりますが、皆既日食ほど暗くはなりません。金環日食もとてもめずらしく、美しい天文現象として知られています。

【豆知識】皆既月食(かいきげっしょく)とは

日食に似た現象に「皆既月食」があります。これは、月が地球の影にすっぽり入り、赤黒く見える現象です。月食は、太陽・地球・月の順番で一直線に並ぶときに起こります。皆既日食とは逆に、地球の影が月をかくしてしまうのです。

次の皆既日食はいつ?

「皆既日食を見てみたい!」と思った人もいるかもしれません。しかし、皆既日食はめったに見られるものではありません。では、次に世界や日本で皆既日食が起こるのはいつなのでしょうか?

2030年までに世界で見られる皆既日食や部分日食

2030年までに見られる主な日食は次のとおりです。

【出典】 「日食一覧」 (大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 国立天文台)
URL: https://www.nao.ac.jp/astro/basic/solar-eclipse-list.html

日本で次に日食が見られるのは、2030年6月1日です。この日は、北海道の多くの地域では、太陽がリングのように見える「金環日食」が午後から日没前にかけて観察できるでしょう。

日本で次に皆既日食が見られるのは?

日本で次に皆既日食が見られるのは、2035年9月2日です。この日は、北陸地方や関東地方の一部で皆既日食が起こります。太陽が完全にかくれ、昼間なのに空が暗くなる貴重な体験ができるでしょう。
そのほかの地域では多くの場所で、太陽の一部だけが欠ける「部分日食」として観察できます。場所によって見え方が違うため、近くの天文台や科学館の情報をチェックしてみるのがおすすめです。
また、日食は天気に大きく左右されます。くもりや雨だと、太陽が雲にかくれて見えなくなってしまうので、当日の天気予報もしっかりと確認しておくことが大切です。

日食の安全な観察方法

太陽はとても強い光を出していて、目で直接見ると大きなダメージを受けてしまうことがあるため、日食の観察には注意が必要です。
ここでは、安心して日食を楽しむための観察方法を紹介します。

ピンホールを使う

ピンホールとは、小さな穴を通して光を映し出す方法です。紙や厚紙に直径約1~1.5mmほどの穴を開け、地面や白い紙の上に太陽の光を映します。すると、穴を通った光が、欠けていく太陽の形を映し出してくれます。ピンホールを使うと、直接太陽を見ずに観察できるので安全です。

※注意点
映し出された太陽は小さいため、はっきり見たいときは紙の大きさや距離を調整して工夫してみましょう。

日食専用のグラスや遮光板を使用する

「日食専用のグラス」や「遮光板」は、太陽の強い光を弱める特殊なフィルターがついているので、安全に太陽を観察できます。特に、JIS規格(日本工業規格)に適合したものを選ぶと安心です。

※注意点
サングラス、黒い下じき、色ガラスなどは見た目が暗くても、目を守ることができません。必ず専用の道具を使いましょう。

太陽投影板に太陽を投影する

望遠鏡や双眼鏡を使って、白い紙などに太陽の像をうつして観察する方法もあります。これは「太陽投影」と呼ばれ、直接のぞかずにすむので、安全に楽しめます。

※注意点
望遠鏡をそのまま太陽に向けると太陽の強い光がレンズに集まり、高温になると機器がこわれたり、事故につながったりします。
望遠鏡を使うときは、専用のフィルターをつけるか、太陽を直接のぞかず、必ず投影で見るようにしましょう。

次の皆既日食にそなえよう

日食はとても不思議で、めずらしい天文現象です。特に、皆既日食は昼間なのに空が暗くなる、まるで魔法のようです。しかし、日本で見られるチャンスはそう多くありません。次に皆既日食が起こるときは、安全に観察できるように、しっかり準備しておきましょう。
また、日食には部分日食や金環日食もあります。たとえ皆既日食が見られなくても、太陽の形が変わるようすを観察するのは、とてもおもしろい体験になります。次の日食がいつなのか、カレンダーにメモしておくとよいかもしれません。
「次の日食を見てみたい!」と思ったら、観察の方法や注意点もふりかえってみましょう。安全に注意しながら、天文ショーを楽しんでください。


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