小学生もプレゼン!?子供の頃から人前で話す力を磨くメリットとは?

公開日: 2019/03/29

「相手に自分たちの考えを伝え、行動してもらうための技術」であるプレゼンテーションは大人だけでなく、子供にとっても身に着けておくと人生の大きな力になります。

目次
プレゼン(プレゼンテーション)とは
小学生の子供のプレゼン力を上達させる方法
プレゼン力は人間力

プレゼン(プレゼンテーション)とは

プレゼンテーションとは、大きなスクリーンに資料を映し出し多くの人の前で説明すること。そんな風に思っている人はいませんか?ゲームやパソコンの新製品発表会など、テレビなどで見かける風景を思い浮かべて「プレゼンテーションは大人がすることで、子供には関係ない」と思っている人も少なくないかもしれません。

しかし、それは大きな間違いです。
なぜなら、プレゼンテーションとは「相手に自分たちの考えを伝え、行動してもらうための技術」のことだからです。
カリスマ性や話術がなくても、目的や状況をしっかりと分析することができれば、誰にでもできるのがプレゼンテーションの良いところ。プレゼンテーションはしっかりと学習すれば、必ず身につけることができるスキルであり、人生のさまざまな場面で生かすことができるものなのです。

そこで今回は、プレゼンスキルを磨く方法やメリットについてお話ししましょう。

小学生の頃からプレゼンスキルを磨くメリット

先ほどお話しした通り、プレゼンテーションとは「誰かに対して自分の考えを話し、聞いてもらい、理解してもらい、行動してもらう」ための技術です。
小学生であれば、企画を立て、資料を用意して計画的にプレゼンテーションを行う機会はほとんどありません。しかし、小学生でも日常のありとあらゆる場面でプレゼン力は試されています。

例えば、子供が友達と一緒に遊ぶ場面を想像してみてください。あなたのお子さんは「みんなでサッカーがしたいな」と思っています。しかし、友達の中には鬼ごっこがしたい人、ドッジボールがしたい人、みんなでゲームがしたいと思っている人もいるかもしれません。
そんな時こそ、プレゼンテーションのタイミング。
お子さんはみんなにサッカーの魅力を伝え、プレーすればどんなに楽しいかを伝えます。プレゼンテーションに成功すれば「やってみたい」「一緒にサッカーをしてみたい」という気持ちになった友達が、一緒にサッカーを楽しんでくれるでしょう。

この時のポイントは、友達を「説得」するのではなく「納得」してもらうことです。人は「自分が選ばされた」、「押し付けられた」と感じるものよりも、「自分が選んだ」と感じるものにより大きな魅力を感じます。お子さんに「説得」されたから仕方なくサッカーをするのではなく、「サッカーをやりたい」と友達自身が思ってやるのでは、楽しさや満足度が大きく違うのです。つまり、自分も楽しく、相手も楽しく過ごすための一つの方法がプレゼンテーションなのです。

プレゼンテーションがうまいということは、自分の気持ちや物事をしっかりと理解し、それを分析することができ、さらに相手の立場や気持ちを考えた上で人に伝えることができるということです。
これはコミュニケーションを行うための基本的な力と同じ。つまり、プレゼン力がある人はコミュニケーション力が高い人でもあるのです。高いプレゼン力とコミュ力が備われば、世界中のどんな国でも大丈夫。お子さんは自分らしく生きていくことができるはずです。

プレゼンの基本的な流れ

それでは、お子さんをプレゼンテーションの達人にするために、まずはプレゼンテーションの構成について学んでいきましょう。
プレゼンテーションの構成は、イントロダクション、ボディ、クロージングの3パートで組み立てるのが基本です。この3つをしっかりと組むことで、伝えたいことをしっかりと漏らさずに伝えることができます。

イントロダクション

まずは聞き手の興味を引きつけるための「導入」です。この部分にインパクトを残すことができれば、プレゼンテーションはぐっと成功へと近づくでしょう。
この部分ではプレゼンのテーマや目的を明確にしていきますが、単純にテーマを述べるのではなく、関連するユニークなデータや聞き手への質問からスタートするなど、聞き手が「はっ」としたり、思わず考えさせられたりするようなドラマチックな演出をするのも◎です。

ボディ

ボディはプレゼンのメインパートです。ここでは伝えたいことを、明確にわかりやすく伝えることが大切になります。
ボディの部分を構成する上で最大のポイントは「言いたいことを最初に言う」こと。
結論をもったいぶって最後にしてしまうと、聞き手は何が言いたいかわからないと感じ、途中で興味をなくしてしまいます。そこで、まずは最初に結論を簡単に述べるとよいでしょう。
結論を述べたら次になぜそう思うのか?そうした場合どうなるのか?を伝えます。聞いている人が「なるほど」と思わず納得するような理由を伝え、「そうすればいいのか」とイメージさせることで、聞く人に安心感と信頼感を与えることがあなたの意見に安心感と信頼感を付与することができます。

クロージング

最後にボディを受けてプレゼンテーションを完結させます。伝えたいことはすでにボディで伝えていますが、この部分で繰り返すことでより印象的なプレゼンテーションになります。
締めくくりの部分ですから、最初に質疑応答を行い、聞き手の疑問を解決したりすることもおすすめです。

小学生の子供のプレゼン力を上達させる方法

それでは子どもたちのプレゼン力をアップするにはどのような方法があるのでしょうか?

プレゼン講座に通わせる

上達するための近道は、その道のプロから学ぶこと。現在では各地で短期や長期の子ども向けプレゼン講座やワークショップが開催されています。
中でも有名なのは「Tech Kids School(テックキッズスクール)」。こちらの講座は小学生にプログラミング学習の機会を提供し、テクノロジーに触れることで自らのアイデアを実現し、社会に能動的に働きかける人を育成することを目的にしています。

さまざまなアイデアをプログラミングによって形にし、スマートフォンアプリやゲームを作ってリリースするなど、活動は本格的なもの。さらには自分が開発した作品を成果発表会として、プレゼンテーションする機会もあります。
発表会に必要なプレゼンテーションのスライドも子供たちが自分で作らなくてはいけません。しかし、だからこそ知らない誰かに認めてもらうことができた喜びは、大きな自信へとつながるでしょう。これは、自宅ではなかなか体験することができない貴重な機会です。
成果発表会は「Tech Kids School 成果発表会」として東京・大阪・沖縄で開催され、スクール生ではない一般の観覧も可能となっています。

プレゼンの動画を撮って復習させる

夢中になってプレゼンを作っていると、どうしても独りよがりになってしまいがちです。そこで動画を撮って、客観的な目で確認することも大切です。
発表者と聞き手では、同じ内容のプレゼンでも感じ方が違います。大事なことだと思って繰り返していた事をしつこいと感じたり、十分だと思っていた説明が足りないなと感じたりすることもあるかもしれません。また、自分の話し方、立ち振る舞いなどを見ることで、新しい課題が見つかる場合もあるでしょう。
最初は自分の声や話し方を恥ずかしがるかもしれませんが、それは実際に聞き手が目にする姿であることを教えてあげましょう。現状を把握できれば改善することができますので、まずは一緒にビデオで確認しましょう。

人前で発表する機会を与える

人は「初めてのことに緊張する」生き物です。普段はあまり緊張しないタイプの人でも、いきなり大勢の人の前で自分の考えを話してと言われたら緊張してしまうはずです。プレゼンテーションの達人と言われたスティーブ・ジョブズ氏も、実は何度も何度も本番同様のリハーサルをくり返していたそうです。

人前で話すのが苦手なお子さんの場合、最初は一人で練習させ、次は鏡や人形の前でイメージトレーニングをし、徐々に兄弟や家族の前で……と、人を増やしていくとよいでしょう。少しずつ話すことに慣れてきたら、プレゼンテーションのイベントなどに参加させるのも素晴らしいことです。
最初の参加がうまくいかなかったとしても、実際に参加し、現場の空気を肌で感じることは貴重な経験になります。失敗も含めた経験を生かして次のプレゼンへと向かっていけば、自然と緊張しすぎることなく、本番の舞台に立つことができるようになるでしょう。

また、プレゼンの練習だけをするのではなく、普段から自分の意見や考えを発表する機会を持たせることも大切なことです。アメリカで3歳頃から幼稚園や学校で行われている「Show and Tell」は、自分の好きなものを紹介し合う小さなプレゼンの場です。
多民族異文化が当たり前のアメリカでは、自分の宝物を紹介し、先生やお友達のたくさんの質問に答える、という遊びを通して小さな頃から自然に自己表現の訓練を繰り返しています。一方日本では、自分の主張を発表する場は少ないと言えるかもしれません。そこで夕食後の時間などを利用し、家族で自分の考えを述べるような時間を設けてみるのはいかがでしょうか?
普段はお母さんに言えないお小遣いアップの交渉も、そのうちうまくプレゼンしてくるかもしれませんよ?

プレゼン力は人間力

大人が仕事でするものだと思っている人も多いプレゼンテーション。しかし、人生はプレゼンの連続です。これから進学する学校の入学試験や就職試験、好きな人への告白やプロポーズだってプレゼンテーションの場だと考えれば、子どもの頃から自分をアピールし、共感してもらうトレーニングをすることは人生の大きな力になります。
自分自身を表現し、誰かに共感してもらうことは、国際社会の中で見ても日本人が苦手とするところかもしれません。しかし、さまざまな人との交流を通して自分自身の夢をかなえていくためにも、プレゼン力に磨きをかけ、世界に向かって力強い一歩を踏み出せる人間へと成長してもらいたいものです。

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