花火の色は、金属をふくむ成分が熱せられて光ることで生まれます。これを説明するときに、「炎色反応(えんしょくはんのう)」という言葉がよく使われます。
この記事では、花火の色が決まる仕組みをわかりやすく紹介します。色のちがいが生まれる理由や、花火の中にある「星」のひみつ、昔の花火と今の花火のちがいまで見ていきましょう。仕組みを知ると、花火大会がもっと楽しくなります。
※花火は危険な火薬を使っているため、絶対に分解したり、中を開けたりしないでください。観察するときや遊ぶときは、必ず大人といっしょに安全に楽しみましょう。
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このトピックスのもくじ
花火の色が決まる仕組みは「炎色反応」
花火がカラフルに光る大きな理由は、金属を含む薬品を熱したときに、決まった色の光が出る「炎色反応(えんしょくはんのう)」を利用しているからです。ここでは、なぜカラフルな色が出るのかという科学のふしぎと、使われている具体的な材料について見ていきましょう。
どうして色が出るの?
すべてのものをつくっている小さな粒(つぶ)を「原子(げんし)」といいます。原子の中にある「電子(でんし)」は、炎などの強い熱を受けると、エネルギーを受け取って、いつもとはちがう状態になります。
しかし、そのままではいられないため、電子はすぐにもとの安定した状態に戻ろうとします。このとき、受け取ったエネルギーの一部が「光」として外に出ます。出てくる光のちがいが、私たちの目には赤や緑、青などの色のちがいとして見えるのです。これが、花火の色が生まれる基本の仕組みです。
花火にはどんな材料が使われているの?
打ち上げ花火の中には、「星(ほし)」と呼ばれる火薬の粒がたくさん入っています。この星にまぜる薬品の種類を変えることで、さまざまな色を作り出しています。
・赤色系:ストロンチウムの化合物
・黄色系:ナトリウムの化合物
・緑色系:バリウムの化合物
・青や青緑に近い色:銅の化合物
・オレンジ色系:カルシウムの化合物
このように、どの薬品を使うかによって、花火の色が決まります。とくに青っぽい色は、ちょうどよい温度で燃やすのが難しいことで知られています。
明るく見せるための工夫もある
花火は高い空で開くため、遠くからでもはっきり見える明るさが欠かせません。そのため、色を出す成分のほかに、強い光を出すアルミニウムやマグネシウムなどの金属の粉が使われることもあります。
こうした材料を加えることで、花火はより明るく、よりはっきり見えるようになります。キラキラした光や、強くまぶしく見える光も、材料の工夫によって生み出されています。
花火の色のもとになる「星」のひみつ
打ち上げ花火がきれいな円を描いて広がるのは、中に入っている「星」の配置や作り方が工夫されているからです。星の仕組みを知ると、花火の見え方が少し変わってきます。
「星」って何?
花火玉の中には、小さな粒状の「星」がぎっしりつまっています。星は、色を出す薬品や火薬などを混ぜて作られます。打ち上げ花火では、こうした星が玉の内側に並べられ、中心には花火玉を開かせるための火薬が入っています。
花火が空で開くと、この星が四方八方に飛び散り、それぞれが燃えることで大きな光の輪が見えるようになっています。丸く広がる花火が多いのは、星が球形に近い形で配置されているからです。
色が途中で変わる花火はどうできる?
空中でパッと色が変わる花火を見たことはありませんか。これは、星の中に色のちがう薬品の層を何重にも重ねて作っているからです。
たとえば、星の外側に赤い成分、その内側に青色系の成分を入れておくと、火がついたときに外側から順に燃えていきます。そのため、最初は赤く見え、そのあと青や青緑に近い色へ変わって見えるのです。このような工夫によって、花火に色の変化をつけることができます。
昔の花火と今の花火では色がちがう?
昔の「和火」はオレンジ色が中心
江戸時代の花火は「和火(わび)」と呼ばれ、材料は主に硝石(しょうせき)、硫黄(いおう)、木炭の3つでした。今のような色を出すための化学薬品がまだ広く使われていなかったため、色は線香花火のようなオレンジ色や赤っぽい色が中心でした。
派手な色の数は少ないものの、やわらかく落ち着いた光には、洋火(ようび)とはまたちがう美しさがあります。
今の花火はカラフルな「洋火」
明治時代になると、海外から色を出すための化学薬品や新しい技術が入ってきました。これにより、赤、緑、青、紫といった鮮やかな色が出せる「洋火(ようび)」が広まりました。
私たちが今、花火大会で楽しんでいるカラフルな花火の多くは、この洋火の技術が発展したものです。最近では、昔ながらの和火と、色あざやかな洋火の両方を見せる花火大会もあります。
花火をきれいに見せるための打ち上げ方
花火の美しさは、色だけでなく「どこで、どのように開くか」というタイミングにも大きく関わっています。材料の工夫だけでなく、打ち上げ方の工夫も大切なのです。
花火はどうやってちょうどいい高さで開くの?
打ち上げ花火は、地上から筒(つつ)で打ち出されます。そして、花火玉がいちばんよく見える高さに達したところで開くように、導火線の長さや火薬の量が細かく調整されています。
高すぎても低すぎても、花火はきれいに見えません。そのため、ちょうどよい高さで開くように、花火玉はていねいに作られているのです。
今はコンピューターで打ち上げることも多い?
最近では、音楽に合わせて花火を上げる「ミュージック花火」が人気です。こうした演出では、コンピューターを使って、とても細かいタイミングで打ち上げをコントロールしています。
複数の場所から同時に花火を上げたり、決まった順番で花火を開かせたりといった複雑な演出も、こうした技術によって可能になっています。
花火の色に関するQ&A
Q. 花火の色はどうやって決まるのですか?
A. 花火に入れる金属を含む薬品の種類や組み合わせで決まります。これを「炎色反応(えんしょくはんのう)」と呼び、熱したときに決まった色の光が出る性質を利用しています。
Q. 青い花火はどうして難しいのですか?
A. 青や青緑に近い色を出す銅の成分は、温度が高すぎるとうまく色が出にくく、白っぽく見えることがあります。反対に、温度が低すぎると光が弱くなることもあるため、花火できれいな青っぽい色を出すには細かな調整が必要です。
Q. どうして花火は丸く開くのですか?
A. 花火玉の中で、星が球形に近い形で並べられているからです。中心の火薬がはたらくと、星がほぼ均等に外側へ飛び出し、丸い形に広がって見えます。
Q. 手持ち花火は、打ち上げ花火と同じ仕組みですか?
A. 基本的な仕組みは打ち上げ花火と同じで、炎色反応を利用しています。ただし、手持ち花火は手元で安全に楽しめるように、燃え方や材料の使い方が工夫されています。遊ぶときは、必ず大人といっしょに、ルールを守って楽しみましょう。
Q. 虹色の花火はありますか?
A. 「虹色」という1つの材料があるわけではありません。たくさんの色の星を組み合わせたり、1つの星が順番に別の色で燃えるよう工夫したりすることで、虹のように見える花火が作られています。
花火の色の仕組みを知ると、花火大会がもっと楽しい
花火の鮮やかな色の裏側には、「炎色反応(えんしょくはんのう)」という科学の力と、花火師さんの細かな工夫がかくれています。使われている薬品の種類を知るだけでも、ただ「きれいだな」と思うだけではない発見があります。
今度花火を見るときは、「あの赤はどんな成分かな」「色が途中で変わったのはどうしてだろう」と考えながら見てみてください。仕組みを知ってから見る花火は、きっと今までよりもっとおもしろく感じられるはずです。









































