サッカーの起源はどこの国?世界中に広がったサッカーの歴史

公開日: 2023/06/30

世界的人気を誇るスポーツのサッカー。実はその起源には諸説あり、謎に包まれたままになっていることをご存じでしょうか。この記事では、サッカーの起源や、世界中に広がっていったサッカーの歴史をご紹介します。

目次
サッカーはどこの国で生まれたの?
サッカーはどうやって世界に広まったの?サッカーの歴史
歴史を知ると、サッカーの見方が変わる

サッカーはどこの国で生まれたの?

サッカーの起源ははっきりとわかっておらず、いつどこで生まれたかについてはさまざまな説があります。

その中でも有力だといわれているのは、イギリス、アステカ、イタリア、中国が発祥だといわれている4つの説。
それぞれについて詳しく解説します。

・イギリスのお祭りが始まり説

元々、サッカーの起源として定説だったのは、イギリスのお祭りです。8世紀頃のイギリスでは、戦争に勝つと相手将軍の首を切り取り、それを蹴り合いながら勝利を祝う風習がありました。

それが次第に大衆に広まり、頭に見立てた球体を蹴って決められた場所まで運ぶ、お祭りへと変化をしていったのです。

いつしかこのお祭りは、村と村が戦う大規模な対抗戦に。このときのルールは、「相手の村の門(ゴール)にボール入れる」「相手を殺してはいけない」などという大雑把なものだったそうです。

・アステカでのゴムボール遊びが始まり説

重さ7キログラムほどのゴムボールを使う、アステカの「ウラマリツリ」という遊びが始まりだという説です。

2つのチームに分かれた選手たちが、腰とおしりを使ってボールを操り、相手コートのゴールを狙っていました。

固くて重いボールを使っていたため、大怪我も少なくなかったそうです。

・イタリアでお金をかけたゲームが始まり説

イタリアで行われていた「カルチョ」が始まりだという説もあります。カルチョは、8世紀以前から行われている、宮廷の門の前でボールを蹴り合って賞金をかける遊びです。

ボールを蹴るだけではなく、格闘技の要素もあったため、男性たちが激しい戦いを繰り広げていました。

・中国の伝統文化が始まり説

中国の伝統文化である「蹴鞠(スーキー)」が始まりだという説です。蹴鞠は紀元前300年以上前からある遊びです。12人1チームで、「球門」というゴールにボールを入れた回数を競っていました。

元々は兵士たちの運動能力向上を目的としていましたが、のちに娯楽となり、大衆にも広まっていきました。

FIFA(国際サッカー連盟)は中国起源説を支持しており、現在1番有力視されている説です。

サッカーはどうやって世界に広まったの?サッカーの歴史

起源は定かではないサッカーですが、それではどのようにして現在の形になったのでしょうか。また、どのように世界中に広まっていったのか、オリンピックやワールドカップ(W杯)はいつ始まったのかなどの歴史についてもご紹介します。

・19世紀にサッカーのルールが決定!

現代サッカーは、1863年にイングランドで発祥したといわれています。

イギリスで古くから行われていた、球体を蹴り合う村同士のお祭りは、あまりの激しさに禁止令が出るようになりました。

そこでパブリックスクール(全寮制の私立学校)が、チームスポーツとして安全にプレーができるようにルールを定めて、試合を行うようになりました。

しかし学校ごとにルールが異なり対抗戦に支障が生じたため、1848年に「ケンブリッジ・ルール」という統一ルールが制定されました。

その後、1863年にFA(フットボール・アソシエーション:英国サッカー協会)がロンドンに設立され、サッカーに関するルールを新たに作成。ボールを手で扱うことが正式に禁止されたのはこのときです。

サッカーの原型のような遊びは各国で行われていましたが、ルールを定め、現在のような競技にしたのは、イングランドだといえるでしょう。

・世界中に広めたのはイギリス人?

サッカーは産業革命以降に大きく発展しました。

鉄道や船などの交通網の発達により、多くのイギリス人の船乗りや商人たちが全世界に渡っていきました。そのときにサッカーを広めていったのです。

ボールがあれば気軽に楽しめることが人気となり、すぐに世界各国に浸透していきました。

・日本に伝えたのはイギリスの水兵さん?

日本にサッカーが伝わったのは1873年。築地にある日本海軍兵学寮の教師として来日していたイギリス海軍のダグラス少佐が、訓練の合間の息抜きとして、日本海軍に伝えたのが始まりだといわれています。

サッカーを教わった学生が教員となり、日本各地に赴いたことで、サッカーの知名度は爆発的に高まっていきました。横浜や神戸などの交易港のある地域では、イギリス人によるサッカークラブも設立されたそうです。

・オリンピック競技になったのは1900年のパリ!

サッカーがオリンピック競技になったのは1900年のパリオリンピックです。1908年のロンドンオリンピックのときに、正式種目として認められました。

当初はアマチュアの選手しか出られませんでしたが、1984年のロサンゼルスオリンピック以降はプロ選手の参加が認められ、サッカーの注目度が高まりました。

オリンピックのサッカーには「23歳以下の選手が出場できる」と、年齢制限が設けられています(オーバーエイジ枠として、24歳以上の選手は3名まで出場可能)。

男子日本代表は、1968年のメキシコオリンピックで銅メダルを獲得しました。女子サッカーがオリンピック競技になったのは1996年のアトランタ。まだ歴史は浅いですが、年齢制限はなく、女子サッカーの発展に大きく貢献しています。

・サッカーのワールドカップは1930年にスタート!

ワールドカップは、FIFA(国際サッカー連盟)が主催する、サッカーの世界最高峰の大会です。

1930年にウルグアイで第1回大会が行われ、その後は4年ごとに開催されています(戦争で非開催の年を除く)。

第1回大会の参加国は13。優勝は開催国のウルグアイでした。男子日本代表(サムライブルー)は、1998年のフランス大会で初めて、悲願の本大会初出場を決めています。

女子ワールドカップは、1991年に第1回大会が開催されました。女子日本代表(なでしこジャパン)は、2011年に優勝を遂げています。

FIFA主催の国際試合で日本が優勝したのは、男女通じて初めてであり、歴史的な偉業となりました。

・JリーグやWEリーグはいつからスタートしたの?

JリーグとWEリーグは日本のプロサッカーリーグです。元々存在していたアマチュアリーグを基礎として発足しました。

Jリーグは1991年に、日本で初めてのプロサッカーリーグとして設立されました。1993年に10クラブで開幕し、2023年には60クラブにまで増えています。

Jリーグの前身は、1965年に発足した日本サッカーリーグ(JSL)です。「日本のトップチームによるリーグ戦を作る」という考えの元で作られ、日本サッカーの発展に大きく寄与しました。

WEリーグは、日本で初めての女子プロサッカーリーグです。2021年になでしこリーグの上位リーグとして誕生し、11クラブで開幕しました。

「女子プロサッカー選手」という職業の確立や、日本の女性活躍社会の牽引を目指すという思いが込められています。

なでしこリーグ(日本女子サッカーリーグ)は、1989年に誕生したアマチュアリーグで、現在も存在しています。

2023年時点では、WEリーグからなでしこリーグへの降格はありません。加盟基準を満たしたチームは、なでしこリーグからWEリーグに昇格できるシステムになっています。

歴史を知ると、サッカーの見方が変わる

「ボールを蹴る」ことは原始的な行為であるゆえ、さまざまな場所で同時多発的に行われていてもおかしくありません。どの説からもサッカーが生まれる可能性があったといえるでしょう。

FAが統一ルールを制定してからは、瞬く間に世界的な人気スポーツになり、文化にもなったサッカー。その起源や歴史を知っていると、サッカーの見方が変わってくるかもしれません。

選手やサポーター、審判、指導者など、いろいろな関わり方ができるので、ぜひその楽しさに触れてみてください。

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