柔道のルールまとめ│どうやって勝ち負けを決めているの?

公開日: 2023/06/30

柔道は畳の上で1対1にて戦う競技です。実は頻繁にルール改正が行われているので、「ルールが変わってよくわからない」「何が最新のルールなの?」と思う方も多いのではないでしょうか。例えば、昔は技の評価ポイントに「有効」や「効果」がありましたが、現在は廃止されています。 この記事では、押さえておきたい柔道のルールについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

目次
柔道の基本的なルール
柔道の「指導」や「反則負け」ってどういうこと?
ルールの変化は、柔道の面白さの軌跡!

柔道の基本的なルール

まずは試合時間や階級などの、柔道の基本的なルールをご紹介します。

・柔道は1対1で勝負するスポーツ

柔道は、日本の伝統的な柔術から生まれました。相手を投げたり、相手が動けないように抑え込んだりする技を用い、1対1で勝負をします。力強さとしなやかさの両面が欠かせないため、選手たちは心身を有効に使い分けて戦っています。大会の形式には、個人戦と団体戦の2つがあります。個人戦は、1対1の戦いで勝敗が決まります。男女それぞれ体重別に階級が分かれていて、同じ階級の選手同士が戦います。団体戦は、数人の選手が1つのチームとなって戦う形式です。個人戦の成績をチームで総合して勝敗を決めます。元々は男女別の団体戦しかありませんでしたが、近年は男女混合の団体戦も導入されています。

・大人と子どもで違う試合時間

試合時間は男女ともに4分間です。ただし、中学生は3分、小学生は2分で、一般の大会より短く定められています。「2分なんて短い」と思う方もいるかもしれませんが、柔道の2分は相当な体力や集中力を必要とします。試合は、審判の「始め」の合図で始まります。「待て」がかかったときは一時中断して時計も止まり、「始めで」再開。「それまで」の宣告で試合終了となります。

・試合をする畳の大きさ

柔道の試合場の大きさは、1辺が14メートル~16メートルの正方形です。その真ん中に8メートル~10メートル四方のエリアがあり、この内側を場内、外側を場外と呼びます。試合は原則場内で行うため、故意に場外に出ることは禁止です。どちらか一方でも場内にいるときにかけた技は有効ですが、2人とも場外にいるときは無効となります。

・体重で対戦相手が変わる!柔道の階級

柔道では体重によって階級が分かれています。体重に差があると、筋肉量やパワーに差が生まれやすく、怪我の危険性も高まるからです。個人戦の階級は、男女それぞれ7つずつ。小学生・中学生は区分が異なりますが、高校生以上は一般と同じ階級です。

混合団体戦は男女それぞれ3階級に分かれていて、各階級で1人ずつ、合計6人が戦います。

柔道の勝ち負けについてのルール

次に、どのように勝ち負けが決まるのか、詳しくご紹介します。勝敗を決める方法は「1本」「技あり」「指導」「反則負け」の4つがあります。

・「1本」を取ったら勝ち

「1本」を取ると、その時点で勝ちが決まります。選手たちは、「投技」「抑え込み」「絞技」「関節技」4つの方法で1本を狙います。「投技」投技には、立ったまま投げる立ち技と、自ら倒れ込みながらその勢いを使って投げる捨身技の2つがあります。投技が決まったときに「スピードがある・力強さがある・背中が畳に着いている・相手をコントロールしている」の4つが全て満たされているときに1本となります。どれか1つでも満たしていないと1本にはなりません。「抑え込み」相手を抑え込んでから20秒間その技を続けられたときに1本が与えられます。抑えられている選手の背中と肩が畳についていること、抑えている選手が相手をコントロールしていることが条件です。「絞技」「関節技」相手を絞めて失神させる絞技や、相手の肘関節を逆方向に曲げようとする関節技によって、相手が降参をした場合、もしくは戦闘不能となった場合に1本となります。抑え込み、絞め技、関節技の3つは、寝転んだ状態で相手を動けなくする技なので、「寝技」とも呼ばれます。

・「技あり」は2回取ったら勝ち

技ありは、「もう少しで1本になる技」を決めたときにもらえます。技あり2回で「合わせ技一本」となって勝ちが決まります。例えば、投技の4つの基準(スピード、力強さ、背中が畳に着く、相手をコントロールしている)のうち、どれか1つでも満たしていない場合は、1本ではなく技ありとなります。抑え込みの場合は、10秒以上20秒未満技を続けられると技ありに。絞め技と関節技に技ありはありません。

・「指導」を3回受けたら負け

軽い反則には「指導」が与えられます。1試合の中で3回指導を受けると負けになります。ただし、防御や、下半身への攻撃に対する指導は2回で負けになるため、注意が必要です。

・危ないことをしたら「反則負け」に

相手選手や自分に危害を及ぼす危険な行為や、相手を敬う柔道の精神に反する行為をすると、1発で反則負けになります。肘関節以外の関節を取ること、軸足を刈ること、人格を無視する言動などが例として挙げられます。

・試合時間内で勝ち負けが決まらなかったら?

試合時間内に1本が出なかった場合は、技ありが多い方が勝ち(優勢勝ち)になります。技ありの数も同じ場合は、ゴールデンスコア方式による延長戦を行います。このときの時間は無制限。どちらかの選手が1本、技あり2回、指導3回、反則負けのいずれかになった場合に決着がつきます。それまでの試合のスコアが引き継がれるので、指導を2回受けた状態でゴールデンスコアに入った場合は、追加で指導を受けた時点で負けとなります。団体戦の場合は、引き分けのまま終わることも多くあります。

柔道の「指導」や「反則負け」ってどういうこと?

柔道には、軽い違反をしたときの「指導」と、重大な違反をしたときの「反則負け」の2種類があります。具体的にどのような規定があるのか、ご紹介します。

・柔道着を正しく着ないと指導?

柔道着の上着は帯の中に入れ、帯をきっちり締めないといけません。試合中に柔道着が乱れた場合は、審判が「待て」の合図を出したときに素早く服装を直す必要があります。柔道着が乱れたままでいると、見た目が好ましくないだけではなく、相手が技をかけにくくなる可能性があります。そのため、柔道着は正しく着ないと指導の対象になります。

・やる気がない試合をしたら指導?

戦う意志が感じられず、極端に消極的な姿勢でいると指導を受けます。例えば、立ち姿勢で相手と組もうとしないときや、組む前やあとに、何の攻撃も仕掛けないときは、これにあたります。国際柔道連盟は「組み合って投げる柔道」を理想としているため、その理想に反する戦いは指導の対象になるのです。

・ネックレスを付けていたら反則負け!

ネックレスや指輪などの金属を身に付けていると反則負けになります。硬いものを身に付けていると、試合中に相手を傷付ける恐れがあるため、禁止されています。

ルールの変化は、柔道の面白さの軌跡!

今回は柔道の基本ルールを紹介しました。柔道をより安全に楽しめるように、常にルールは変化しています。最初は観戦していて戸惑うかもしれませんが、なぜそのように変わったのか考えてみるのも面白いです。細かいルールがわからなくても、選手たちの迫力ある技や上手い返しには驚きを覚えることでしょう。ぜひ実際に柔道の試合を観戦して、その魅力に触れてみてください。

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