鏡に姿が映る仕組みや作り方とは?鏡を使ったおすすめの自由研究

公開日: 2022/12/27

鏡は身近にある便利は道具ですね。鏡を使うと、自分の顔を見たり、振り返らなくても後ろを見たりできます。また、合わせ鏡の間に入って自分が映る姿を見たり、鏡が反射した光を天井に映したりして遊んだ人もいるのではないでしょうか。 ところで、どうして鏡には姿が映ったり、光をはね返したりするのか、不思議に思ったことはありませんか? この記事では、鏡がどのように作られているのか、また、鏡に姿が映る仕組みはどうなっているのかについて解説します。鏡を使った自由研究も紹介しますので、おうちで挑戦してみてください。

目次
鏡はどうやって作られている?
鏡の仕組みとは?
鏡に姿が反対に映る理由は?
鏡を使ったおすすめの自由研究
鏡を使って光の性質を考えてみよう

鏡はどうやって作られている?

鏡は、透明なガラスに銀をうすくぬって作られています。ここでは、ガラスの板がどのようにして鏡になるのか説明します。鏡を作るには、まず、ガラスの片面に銀をうすくぬります。次に、銀が空気にふれて変色しないように上から銅をぬり、さらに銅を保護するための塗料をぬります。ゆがみやくもりのない鏡を作るために、製造工程でさまざまな工夫がなされ、品質はきびしくチェックされます。ここまでのクオリティのものは作れませんが、ガラスに銀をぬり付ける代わりに、アクリル板とミラースプレーを使えば、同じ仕組みの鏡を手作りすることができます。《必要なもの》・ ミラースプレー (ホームセンターなどで購入可能)・ 透明なアクリル板・ マスキングテープ・ 段ボール箱、新聞紙(汚れ防止のために使います)《作り方》1.アクリル板表面の汚れをふき取ってきれいにします。2.アクリル板の表側にマスキングテープをはります。ミラースプレーを付けたくない所に、すき間なくはりましょう。3.新聞紙をしいた段ボール箱の中に1のアクリル板を置いて、ミラースプレーをまんべんなくかけます。塗料が乾いたらスプレーをかけて……と2、3回繰り返すときれいに仕上がりやすいです。4.スプレーが完全に乾いたら、マスキングテープをはがして完成です。(注意)ミラースプレーの成分には有機溶剤が入っています。使用するときは、吸い込まないように注意して十分に換気し、近くで火を使わないようにしてください。製品によってアクリル用、ガラス用などと用途があるので、表示を確認して合ったものを使いましょう。アクリル板をガラスの板にするとより本格的な鏡ができます。ガラスは割れやすいので取りあつかいに注意しましょう。

鏡の仕組みとは?

毎日のように鏡で見る自分の顔。でも、鏡で見慣れた顔と、写真に写った自分の顔はなんとなく違うように感じませんか?どうして写真と鏡では顔が違ったように見えるのでしょう。鏡に姿が映る仕組みや見え方の不思議を解き明かしてみましょう。

・鏡に姿が映る仕組み

鏡に姿が映るのは、光の性質と深い関係があります。光はまっすぐに進む性質があります。また、ものに当たるとはね返る性質も持っています。鏡に入ってくる光を入射光、鏡に反射して出ていく光を反射光といいます。鏡の面に垂直に棒を立てたとき、その棒と入射光の間の角度を入射角、反射光と棒の間の角度を反射角といいます。光には、入射角と反射角の大きさが同じになる「反射の法則」があります。反射の法則は鏡に限らず、あらゆる物体で成り立ちます。光が入ったそれぞれの部分では反射の法則が成り立つのですが、表面がでこぼこしているとそれぞれの部分で入射角が変わります。それにともなって反射する光の方向も変わるので、さまざまな方向に反射するのです。鏡の表面はとてもなめらかなので、光を規則的に反射します。入射角がすべて同じになるので、反射する光の方向も一定になり、もとの姿と同じものを映すのです。鏡以外でも、表面がなめらかなものは、鏡と同じようにものを映します。例えば金属は、表面をみがくとものが映ります。ガラスの鏡ができるより昔は、金や銀、銅などをみがいて鏡にしていたのですよ。ガラスも鏡になります。夜、家の中で窓ガラスに自分の姿が映るのを見たことはありませんか。ガラスが光を規則的に反射するのは夜だけではありませんが、夜は家の中が明るいため、外から入ってくる光が少なくなります。このため、家の中でガラスに反射する光が見やすくなるのです。ガラスと金属の違いは反射する光の多さです。透明なガラスは光の大部分が通り抜け、反射する光は少ししかありません。一方、金属はほとんどの光を反射します。昼間は、ガラスの表面で反射する光よりも、ガラスを通して外から入る光の方が多くなります。このため、外からの景色の方がよく見え、ガラスが鏡のように映す姿が見えにくくなるのです。ところで、サングラスのレンズが鏡のようにぴかぴかしているのを見たことがありますか。これはマジックミラーといって、レンズの表面にごくうすく金属をコーティングしています。こうすると、外側は鏡になっているのに、内側からはガラスのように外の景色を見ることができるのです。

鏡に姿が反対に映る理由は?

鏡に映った姿を見ると、左右が反対に見えますね。しかし、鏡はものを左右に反転させて映すわけではありません。例えば、鏡を床に置いてその上に立ったとき、自分の姿はどう映るでしょうか。鏡の中では、足が上、頭が下、と上下が反転して映るはずです。鏡が左右を反転させるわけではないことは、透明な板に文字を書いて、鏡に映して見るとわかります。鏡に文字が反転して映るときは、書いた文字が鏡の方を向くように板をひっくり返しています。自分から見て右側に書かれた文字は、鏡に映してもやはり右側にあり、左右は反転しませんね。透明な下敷きなどがあったら文字を書いて、実際に試してみるとよくわかります。ところで、自分の本当の顔を鏡で見る方法があります。2枚の鏡を直角になるように立てて、そこに映る顔を見てみましょう。いつも鏡で見る顔と同じでしょうか。それとも、鏡とはちょっと違うように見えるでしょうか。この鏡に映る顔が、写真で見る自分の顔です。右目をつぶれば、鏡の中の顔も右目をつぶるはずですよ。

鏡を使ったおすすめの自由研究

光の反射が面白い映像を作り出す自由研究を3つ紹介します。材料は100円均一ショップなどで入手できるものばかりなので、ぜひ取り組んでみてください。

・合わせ鏡の見え方を調べてみよう

合わせ鏡がどのように見えるか、実際に調べてみましょう。《必要なもの》・ 同じ大きさの四角い鏡2枚・ 分度器(なければ三角定規)・ 小さいおもちゃ(鏡に映して使います)・ テープ(鏡をはるのに使います)《手順》1.2枚の鏡の鏡面(姿が映る面)どうしを向かい合わせにして重ね、一辺をテープではってつなげます。2.1の鏡を開いて立てます。3.鏡の前におもちゃを置いて映します。2枚の鏡の角度を120度→90度→60度→45度→30度とだんだんせまくして、鏡に映るおもちゃの見え方の違いを調べましょう。

・潜望鏡(せんぼうきょう)を作ってみよう

潜望鏡は、潜水艦で海に潜ったまま、海上のようすを観るために使う道具です。工作用紙を使って作ってみましょう。《必要なもの》・ 工作用紙 1枚・ 鏡 2枚・ セロハンテープ・ 両面テープ・ はさみ・ カッターナイフ《作り方》1.工作用紙に展開図を描いて切り取ります。2.切り取った紙をセロハンテープでとめて筒のようにします。3.鏡を取り付けます。2で作った筒の斜めの部分に両面テープではり付けます。4.もう一方の切り取った紙の斜めの部分にも鏡をはり付けます。5.2つの部品をつなげると完成です。下の穴からのぞいてみましょう。鏡は筒の向きに対して45度になるように取り付けるとよく見えます。うまく見えないときは鏡の角度を調整しましょう。 工作用紙の代わりに牛乳パックでも作ることができます。鏡の角度に注意しながら工夫して作ってみてください。のぞくときは、太陽や強い光を見ないように気を付けましょう。

・万華鏡(まんげきょう)を作ってみよう

鏡を組み立てるだけでできるかんたんな万華鏡を作ってみましょう。《必要なもの》・ ミラーシール・ プラ板(ミラーシールをはります)・ はさみ・ セロハンテープやマスキングテープ《作り方》1.ミラーを作ります。プラ板にミラーシールをはります。2.1から、同じ大きさの長方形のミラーを3枚、切り取ります。3.ミラーを組み立てます。3枚のミラーの長い辺がくっつくように並べ、裏側(鏡になっていない方)をマスキングテープではります。3枚をつなげたら、鏡の面が内側になるように三角柱の形に組み立てて、テープではりつければ完成です。4.三角柱の穴をのぞいて、身の回りのものや外の景色を見てみましょう。ミラーシールは裏に粘着シールがついたシート状のミラーで、ホームセンターや百円ショップで入手できます。プラ板は厚紙でも代用できます。厚紙はゆがみのない平らなものを使いましょう。のぞき穴と反対側にビー玉を取り付けたり、ミラーの枚数を増やしたりすると見え方が変わります。試してみましょう。

鏡を使って光の性質を考えてみよう

鏡が姿を映すのは、光の「まっすぐ進む」「反射する」という性質が深く関係することがわかったと思います。姿が反転する理由は少し難しくてわかりにくいかもしれませんが、この記事で学んだ光の性質を思い出しながら、実際に鏡を見て考えてみてください。鏡は、便利な道具であるだけでなく、光の性質がわかる絶好の教材です。鏡を使うときには、この記事で学んだ光の性質を考えて、自由研究にも工夫して取り組んでみてください。

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