太陽の大きさは地球の何倍?太陽は宇宙で1番大きいの?

公開日: 2023/05/30

東の空からのぼって西の空に沈む太陽。太陽光によって暖かさや明るさがもたらされるので、太陽は私たちの生活に欠かすことのできない存在です。晴れた昼間に空を見上げると太陽は大きく輝いていますが、実は夜空で光る星と同じ恒星です。私たちにとって特別な太陽も、広い宇宙空間ではたくさんある星の1つといえます。そこで、太陽の大きさをほかの星と比較しながら解説します。

目次
太陽って地球よりも大きいの?
太陽は宇宙で1番大きな天体じゃないの?
太陽と月が同じ大きさに見えるのはどうして?
宇宙は広い!太陽よりも大きな星はたくさんある!

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太陽って地球よりも大きいの?

太陽と地球ではどちらが大きいと思いますか?空を見上げると、太陽が地球の周りをまわっているように見えるので、地球のほうが大きいと思えるかもしれません。しかし、実は太陽は地球よりもずっと大きい星です。

・地球がビー玉とすると、太陽は大玉転がしの大玉くらい大きい!

太陽の直径は約139万2,000キロメートル。一方、地球の直径は赤道上を測ると約1万2,714キロメートルとなります。計算すると、太陽は地球の約109倍の大きさです。109倍というと想像しにくいかもしれませんが、地球がビー玉だとすると太陽は直径1メートル程度のボールになります。直径1メートルのボールというと、運動会で使われる大玉転がしの大玉とほぼ同じサイズです。

・太陽は太陽系で最も重い星!

太陽は太陽系の中心にある最も大きく重い星です。太陽の重さは地球の33万倍といわれています。太陽系は、惑星や準惑星、惑星の周りをまわる衛星、彗星(すいせい)などで構成されています。太陽を中心に並んでいる惑星は、太陽に近いほうから水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星の8つです。惑星はただ太陽の周りに漂っているのではなく、公転という太陽の周りをまわる動きをしています。地球は太陽の周りを約365日周期で公転しています。太陽の周りをまわっているのに惑星が外に放り出されないのは、引力が働いているからだといわれています。引力とは、ものとものが互いに引き合う力のことです。太陽とそれぞれの惑星が引力で引きつけ合っているので、順序通りにまわっているのだと考えられています。

・大きくて重たい太陽は、ほとんど水素でできている!

太陽は太陽系のなかで唯一の恒星です。恒星とは、自ら輝いて光る星のこと。水素を燃料として燃えている火の玉のようなものです。金星や月は光って見えますが、自ら輝いているのではなく太陽の光を反射しているだけです。地球とは違い、太陽には岩石でできた地面がありません。

・宇宙に光と熱をもたらす太陽のエネルギー!

太陽の中心部では、核融合反応という大爆発が起きていて膨大なエネルギーが生まれています。太陽の真ん中である「中心核」の温度は約1,600万度。中心核の周囲にはエネルギーを熱と光に変換する「放射層」があります。放射層のまわりにあるのが、高温のガスの流れによって熱と光を表面に運ぶ「対流層」です。このように、太陽のエネルギーは光と熱になって表面である「光球(こうきゅう)」に運ばれ、宇宙に放出されます。太陽の表面温度は約6,000度。太陽表面には周囲より温度の低い「黒点」や光がわき出す「コロナ」などが見られます。太陽と同じようなエネルギーの放出は、ほかの恒星でも起きているといえるでしょう。しかし、私たちの地球は太陽との距離がちょうどよいため、生物が暮らしやすい環境になっています。

太陽は宇宙で1番大きな天体じゃないの?

空を観察すると、太陽はほかの星に比べてずっと大きく見えます。このため、太陽は宇宙で最も大きな天体だと考えがちですが、実は違います。

・宇宙には太陽より大きな天体がたくさんある!

太陽は宇宙の天体のなかで平均的な大きさです。太陽系の属する銀河系には、約2,000億個もの星があるといわれています。そのなかには、太陽よりも大きな星はたくさんあります。地球から見て太陽が大きく見えるのは、太陽が比較的地球と近い距離にあるからです。大きくても地球から遠い場所にある星は、見えなかったり小さく見えたりします。

・太陽より大きな天体が存在するのはなぜ?

宇宙にはたくさんの星があり、誕生したときから大きく重い星も小さく軽い星もあります。しかし、恒星は一般的に年を取ると大きくなります。たとえば、オリオン座のベテルギウスは赤く輝く大きな星です。そのサイズは太陽の約800倍といわれています。恒星は寿命が近づくと、膨張して赤く巨大になります。この状態の星が「赤色巨星(せきしょくきょせい)」です。そして、もともと重い星は最期に超新星爆発を起こし、星のほとんどを吹き飛ばしてしまいます。最終的には、星くずのような中性子星やブラックホールを残して消えてしまうのです。ベテルギウスもすでに一生の99.9%を終えていると考えられていて、いつ爆発してもおかしくありません。

・太陽より大きな天体は地球からも見つけられるの?

地球から見える天体のなかにも、太陽より大きいものがあります。先ほど挙げたベテルギウス以外だと、よく観測できるのは次の3つです。●おおいぬ座のシリウス(太陽の約1.8倍)●こと座のベガ(太陽の約3倍)●さそり座のアンタレス(太陽の約230倍)シリウスは冬の空に、ベガとアンタレスは夏の空に輝く星です。晴れた日は肉眼でも見ることができるので、夜空を見上げて観察してみましょう。

太陽と月が同じ大きさに見えるのはどうして?

地球から見ると、太陽と月は同じ大きさに見えます。しかし、地球と比較すると太陽は大きく、月は小さいのです。本来サイズの違う2つの星が、同じ大きさに見える理由を解説します。

・太陽が月よりも約400倍も遠くにいるから!

太陽は地球の約109倍の大きさですが、月は地球の約4分の1しかありません。つまり、太陽と月を比べると、太陽は月の約400倍の大きさなのです。それなのに、太陽と月が同じサイズに見える理由は、地球からの距離が違うことにあります。太陽と地球は約1億5,000万キロメートル離れています。一方、月と地球の距離は約38万キロメートルです。ものを見るとき、遠くにあるものは小さく見え、近くのものほど大きく見えます。太陽は月と比べると約400倍も地球から離れているので、実際のサイズの割には小さく見えるのです。

・月は毎年小さくなっている?

「月はどんどん小さくなっている」と聞いたことはありませんか?月の大きさは変わっていないものの、月は毎年地球から2~3センチメートル遠ざかっています。このため、年々月の見た目は小さくなっているのです。月が地球から遠ざかっている要因の1つは「潮汐力(ちょうせきりょく)」だと考えられています。潮汐力とは、潮の満ち引きを引き起こす月の引力のことです。潮の満ち引きが起きて海水が移動すると、地球の自転にブレーキがかかり回転速度が遅くなります。地球の自転が遅くなる影響で、月は公転軌道を広げるため、地球から遠ざかると考えられています。

宇宙は広い!太陽よりも大きな星はたくさんある!

太陽は太陽系のなかで最も大きく重い星です。私たち人類が地球上で暮らせるのは、太陽が非常に大きなエネルギーを放出して熱や光を与えてくれるおかげです。ほかの星に比べると大きく見える太陽ですが、宇宙にはもっと大きな星があります。地球から離れているため見えなかったり小さく見えたりしますが、望遠鏡を使わなくても観察できる星もあります。とくにどんどん大きくなっているオリオン座のベテルギウスは、寿命が近づいている星です。見えるうちに観察をおすすめします。

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