バレーボールにはどんな歴史がある?日本への伝わり方やルールの変化
公開日: 2023/11/30
多くの人が観戦やプレーを楽しんでいるバレーボール。国際大会が開催されると大きな盛り上がりを見せていますよね。この記事ではバレーボールの歴史について解説します。 最後まで読むと、バレーボールがいつどこで誕生したのか、日本にはどうやって伝わったのか、ルールはどのように変化したのかなどがわかりますよ!
【バレーボールの歴史】どうやって始まった?
まずはバレーボールの始まりや名前の由来などの歴史をご紹介します。
バレーボールの始まりはアメリカ!
バレーボールは、1895年にアメリカのマサチューセッツ州で生まれた室内競技です。体育教師のウィリアム・G・モーガン氏によって考案されました。 当時の室内スポーツはバスケットボールが中心でした。しかし運動強度が高く、体が激しく接触するため、体格の良い若い男性が優位になるという問題点がありました。そこでモーガン氏は、老若男女誰もが楽しめる室内球技を作ろうと思ったのです。 ネットを挟んで行うスポーツであれば激しくボールを奪い合うことはないと考えて生み出したのがバレーボールです。 相手選手とのぶつかり合いがなくルールが比較的わかりやすいことから、子供から高齢者まで幅広い層で人気になりました
バレーボールという名前はテニスが由来
バレーボールという名前は、空中のボールが地面に落ちる前に打ち返すテニスの「ボレー」というプレーに由来しています。 バレーボール発祥当時の名前は「ミントネット」または「ミノネット」でした。これは、ネット越しに毛糸のボールを打ち合うインド発祥のミントンというスポーツをヒントにしてできたスポーツだからです。 その後、よりしっくりくる名前のボレー・ボール(volley ball)に改名し、1952年には現在と同じバレーボール(volleyball)と呼ばれるようになりました。
【バレーボールの歴史】日本へ伝わった歴史
それでは、バレーボールは日本ではどのように伝わっていったのでしょうか。
日本へ伝わったときは1チーム16人だった!?
バレーボールは、1913年にF・H・ブラウンという人物によって日本に持ち込まれたといわれています。しかし当初はまだバレーボールの正式ルールが決まっていませんでした。 体育館がなく外で行われることと、大人数が参加できるようにと配慮して、ブラウン氏は16人制のバレーボールを提案しました。 プレー人数はやがて12人になり、1927年には9人制が定着します。その後日本では長い間9人制のバレーボールが行われていました。 1947年には国際バレーボール連盟(FIVB)が設立されました。このときに6人制が国際ルールとして定められたので、日本も国際大会に参加するために6人制を普及していきました。 1964年の第18回東京オリンピックでは、バレーボールが初めて正式種目に採用されることになります。記念すべき初優勝を飾ったのは日本女子代表チームです。回転レシーブや時間差攻撃などのさまざまな戦略を用いた選手たちは、現地メディアから「東洋の魔女」と称されました。
6人制と9人制について
現在のバレーボールは、6人制と9人制の2種類があります。国際大会など、テレビで観るバレーボールは6人制で行われています。そのため9人制というとピンとこない人も多いかもしれません。 しかし、ママさんバレーや小学生バレーなどでは9人制が主流で行われており、国内の競技人口は9人制の方が多いともいわれています。また、韓国や中国、台湾などのアジア各国でも9人制を行っている国があります。 6人制と9人制の大きな違いは、サーブのルールです。6人制は1回しかサーブを打てませんが、9人制は1回失敗してもやり直しができます。また、6人制はボールがネットに当たっても相手コートに落ちればよい(ネットイン)のに対し、9人制はボールがネットに触れると失点になります。 どちらが優れているというわけではなく、それぞれ面白さを持ち合わせているといえるでしょう。
【バレーボールの歴史】ルールが変わった歴史
バレーボールは、時代の流れと共に、ルールや形態を変化させつつ全世界に広がっていきました。ここでは、バレーボール誕生時のルールや、特に変わった2つのルールをご紹介します。
バレーボールが誕生したときのルール
バレーボールが誕生した当時のルールは「同じ人数の2チームが、ネットを挟んでボールを床に落とさないように打ち合う」という簡単なものでした。 競技人数は決まっておらず、相手コートに返すまでの回数も無制限。その地域の実情に合わせてアレンジしやすかった点も、バレーボールが広く普及した理由かもしれません。
サイドアウト制からラリーポイント制
1999年に、15点制5セットマッチのサイドアウト制から、25点制5セットマッチ(第5セットは15点制)のラリーポイント制にルール改正がありました。 サイドアウト制とは、サーブ権を持っているチームがラリーを制したときにしか得点できないという制度。両チームに実力差があればすぐに試合が終わる一方、力が拮抗しているときは長時間化するため、試合の終了時間が読みにくいという問題がありました。 そこで、サーブ権の有無に関わらずラリーを制したら得点が加算されるラリーポイント制に変更されました。その結果試合時間が予測しやすくなり、3セットで終了する場合は約1時間~1時間半、5セットの場合は約2時間~2時間半が目安となっています。
リベロ制度の導入
リベロ制は1998年に採用されたルールです。背の高い選手が有利なバレーボールにおいて、背の低い選手も活躍できるように、リベロという守備専門のポジションが作り出されました。コートで1人だけ違う色のユニフォームを着ているのでわかりやすいでしょう。 リベロは、サーブやスパイク、ブロックなどが禁止されています。そのため試合中はレシーブを積極的に狙いにいくのですが、そこで重要になるのは瞬発力やトスのテクニックです。 高さやパワーが求められているわけではないため、身長に関係なく勝負できるようになっています。 バレーボールには、サーブ権を持たないチームが得点を決めたときに、選手が時計回りにポジションを移動する「ローテーション」というルールがあります。 守備の苦手な選手が後ろ側(後衛)になったときに、リベロと交代することで、チームの守備力を底上げすることができます。リベロの使い方は、重要なチーム戦術の1つになっています。
バレーボールは世界中で愛されるスポーツに!
老若男女誰もが楽しめることを目的に考案されたバレーボール。それが次第に、ボールを続けて打ち合う穏やかなレクリエーションから、競技性の高いスポーツへと発展していきました。今では、世界の競技人口がトップクラスに多いスポーツとなっています。 時代と共にルールは変化てきましたし、より高いレベルを求めて、選手たちは戦術やテクニックを駆使するようになりました。バレーボールは、今後も皆に愛されるスポーツとして、発展していくことでしょう。