天気予報で耳にする「高気圧」ってどんな現象?生活への影響は?

身近な疑問

ワンダー 1

公開日2025.04.03

みなさんは、天気予報で「高気圧」という言葉を聞いたことがありますよね。よく耳にする言葉ですが、「高気圧って何だろう?」と考えたことはありませんか? 高気圧とは、空気の圧力が周りより高くなっている場所のことです。しかし、それがどんな影響をもたらすのか、どうやってできるのかを知らない人も多いと思います。 この記事では、高気圧について分かりやすくお話しします 。

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天気予報で耳にする「高気圧」って?

まず、気圧や高気圧、低気圧について説明していきます。

・気圧とは

気圧とは、空気の重さで地面にかかる力のことです。空気は目に見えませんが、実はとても重く、地面を押さえつけています。
たとえば、山に登ると耳が痛くなったり、飛行機に乗ると耳がつまったように感じたりすることがあります。これは上に行くほど空気が少なくなり、気圧が低くなるために起こる現象です。
天気予報では、この気圧の変化を調べることで、これからの天気を予想しています。

・高気圧と低気圧

気圧には、「高気圧」と「低気圧」があり、それぞれ天気に影響を与えています。
高気圧は、まわりより気圧が高い場所のことです。冷たい空気が重くなって地面にしずみ、空気が上にのぼりにくくなるため、雲ができにくくなります。そのため、高気圧に覆われると晴れの日が多くなるのです。
たとえば、夏に日本を覆う「太平洋高気圧」は、強い日ざしをもたらし、暑い晴れの日が続く原因になります。天気予報で「高気圧が近づいています」と聞いたら、晴れる日が多くなると考えられますね。

低気圧は、まわりより気圧が低い場所のことです。空気が温められると軽くなって上へ上へとのぼり、のぼった空気が冷えて雲ができやすくなります。そのため、雨や風が強くなることが多いのです。
台風や熱帯低気圧も、この低気圧の仲間です。
また、低気圧が近づくと、頭痛やめまいがする人もいます。これは、気圧の変化に体が影響を受けるためです。
天気と気圧の関係を知ることで、「明日は晴れるかな?雨が降るかな?」と考えやすくなりますね。

高気圧が発生する仕組み

高気圧は、空気の温度や動きによって発生します。どのようにしてできるのか、見ていきましょう。

・冷たい空気が下がると高気圧ができる

空気は冷たくなると重くなります。すると、ゆっくりと下へ押し下げられていきます。この空気の流れを「下降気流(かこうきりゅう)」といいます。
下降気流が起こると、その場所には空気がたくさん集まり、まわりの空気が押し合うことで圧力が高くなります。こうして高気圧ができるのです。

・寒い場所では高気圧が生まれやすい

高気圧ができる理由には、温度の違いも関係しています。寒い空気は温かい空気よりも重いため、冬には寒い場所で高気圧ができやすくなります。
たとえば、シベリアのような寒い地域では、空気がどんどん冷えて重くなるため、とても強い高気圧が生まれやすいのです。

・海と陸の温度の違いで変わる高気圧

高気圧や低気圧は、海と陸の温度の違いによっても変わります。

*昼の空気の動き
陸の空気は温まりやすい→軽くなって上にのぼる→低気圧ができる
海の空気は冷たいまま→重くなって下降する→高気圧ができる

*夜の空気の動き
陸の空気は冷えやすい→重くなって下降する→高気圧ができる
海の空気は温かいまま→軽くなって上にのぼる→低気圧ができる

このように、海と陸の温度の違いによって空気の流れが変わり、高気圧や低気圧が生まれます。そして、それが天気の変化にもつながっているのです。

日本周辺に現れる高気圧の種類

日本の天気は、季節によって変わるさまざまな高気圧の影響を受けています。それぞれの特徴を知ると、天気の変化もわかりやすくなりますよ。

・シベリア高気圧

シベリア高気圧は、冬にシベリアの寒さによってできる、とても強い高気圧です。この高気圧が日本に張り出すと、冷たい風が吹きこみ、気温がぐんと下がります。ときには「寒波(かんぱ)」が起こり、日本中が厳しい寒さに包まれることもあります。

・オホーツク海高気圧

オホーツク海高気圧は、春から夏にかけてオホーツク海の上にできる高気圧です。冷たく湿った空気を持っていて、この高気圧が強まると、日本では梅雨の時期に雨が降りやすくなります。
また、東北や北海道に冷たい風を運ぶため、夏でも気温が低くなることがあります。気温が下がりすぎると、農作物がうまく育たなくなる「冷害(れいがい)」が起こることもあります。

・太平洋高気圧(小笠原高気圧)

先ほどもご紹介した太平洋高気圧は、日本の南に広がる大きな高気圧です。特に「小笠原(おがさわら)」の近くで強まるため、「小笠原高気圧」とも呼ばれます。
この高気圧が日本をおおうと、晴れの日が続き、気温がぐんぐん上がります。湿気も多くなるため、日本の夏はムシムシと暑くなります。
また、台風の進む道にも影響を与えます。高気圧が強いと台風が日本に近づきにくくなりますが、高気圧のふちを通ってやってくることもあるので、注意が必要です。

・移動性高気圧

移動性高気圧は、春や秋にたくさん現れる、高気圧が移動しながら日本にやってくるものです。この高気圧が来ると、晴れることが多いですが、すぐに移動するため天気が変わりやすくなります。
春や秋に「晴れたり雨が降ったり」と天気がコロコロ変わるのは、この高気圧の影響です。移動性高気圧の特徴を知っていると、季節の変わり目の天気を予想しやすくなります。

高気圧が私たちの生活に与える影響とは?

高気圧は私たちの毎日の生活にさまざまな影響を与えます。高気圧は天気だけでなく、私たちの体調も変化することがあります。

・高気圧が天気に与える影響

高気圧がくると晴れの日が多くなるのは分かりましたね。高気圧は気温にも影響します。特に夏の高気圧が強くなると、とても暑い日が続いて「猛暑日(もうしょび)」と呼ばれる日も増えることがあります。
また、高気圧の影響で「積乱雲(せきらんうん)」ができて、急に強い雨がふる「ゲリラ豪雨(ごうう)」が起こりやすいです。ゲリラ豪雨は特に夏によく起こり、短時間で狭い場所に多くの雨がふるので注意が必要です。

・高気圧がわたしたちの体に与える影響

高気圧がおとずれるときは、晴れの日が多くなることが分かりましたね。晴れの日が続くことが事前に分かればお出かけの予定が立てやすくなります。 「今日は雨がふるかな?」と心配しなくてもよいので、ピクニックやスポーツ、お祭りなどを思いっきり楽しめます。晴れの日は、気持ちも明るくなりやすく、楽しく過ごせることが多いです。
ですが、夏の高気圧が強くなりすぎると、暑い日が続くので、熱中症に気をつけることが大切です。 水をしっかり飲んだり、帽子をかぶったりして、暑さにそなえましょう。

高気圧のしくみを知って、天気の違いを知ろう

この記事では、高気圧とは何か、日本のまわりにあるいろいろな高気圧、私たちの生活への影響についてお話ししました 。高気圧や低気圧は天気を変えるだけでなく、私たちの体の調子にも関係しています。
これからも、天気予報をチェックしながら、高気圧や低気圧の動きをよく見てみましょう! 「明日は暑くなりそうだから、水分をこまめにとろう!」「寒くなりそうだから、あたたかい服を着よう!」と考えることで、天気の変化に合わせたすごし方ができるようになります。
天気を知ることは、快適(かいてき)で元気に生活するための大切なカギです。毎日の天気をチェックしながら、楽しく過ごしましょう



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