ペットボトルで楽器を手作りしよう|自由研究・工作にもぴったり!

公開日: 2019/08/09

私たちの生活の中では、さまざまな「音」が存在しています。朝起きたときから夜寝るまで、何かしらの音を聞いて過ごしていますよね。今回は、ペットボトルを使ってメロディーを奏でる楽器の作り方をいくつかご紹介します。普段は意識していないかもしれませんが、音はさまざまな要素によって聞こえ方が違ってきます。どんな材料を使うと、どんな音が出るかな?と楽しみながら工作をして結果をまとめれば、立派な自由研究になりますよ。

目次
ペットボトルで楽器を手作りするときに必要なもの
ペットボトルを使った楽器の作成方法
ペットボトルで楽器を手作りするときのポイント
ペットボトルに入れた水の量で音の高さが変わる仕組み
特別な道具がなくてもできる!ペットボトルの手作り楽器で自由研究

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ペットボトルで楽器を手作りするときに必要なもの

いくつかのペットボトル楽器の作り方をご紹介します。楽器ごとに、ペットボトル以外の材料が違いますので、注意してください。

(楽器1)赤ちゃんが大好き!でんでん太鼓を作ってみよう
・ペットボトル
・ビニールテープ
・糸
・はさみ
・キリ

(楽器2)マラカスを作ってみよう
・ペットボトル
・ビーズやおはじき

(楽器3)カスタネットを作ってみよう
・ペットボトル(同じ種類のものを2本)
・カッター
・ヘアゴム

(楽器4)メロディーを奏でてみよう
・ペットボトル
・水
・タオル
・スプーン

ペットボトルを使った楽器の作成方法

(楽器1)赤ちゃんが大好き!でんでん太鼓を作ってみよう
1.ペットボトルキャップにキリで穴を開け、糸を通す
2.糸が抜けないように玉結びをして、ビニールテープでしっかりと留める
3.(2)で止めた糸の反対側も玉結びをして、ペットボトルの側面にビニールテープでしっかりと留める
4.ペットボトルを左右に振ったり回転させたりして音を出してみよう

ペットボトルを使って、簡単に打楽器ができてしまいました。長方形の画用紙にイラストを描いてペットボトルに巻き付けてビニールテープで留めれば、個性あふれるでんでん太鼓を作ることができますよ。

(楽器2)マラカスを作ってみよう
1.空のペットボトルの中にお好みでビーズやおはじきを入れる
2.キャップをしっかりとしめ、ペットボトルを振って音を出してみよう

廃材を使って、あっという間に楽器ができてしまうのも、ペットボトル楽器のおすすめポイントです。重さの軽いビーズとちょっと重たいおはじきとで、音に違いがあるかどうかを確認してみてもよいでしょう。ビーズの中に鈴を入れても、楽しい音がする楽器になりますよ。

(実験3)カスタネットを作ってみよう
1.ペットボトルの底をカッターで1cmくらいの高さでカットする
2.カットしたペットボトルのふちで手を切らないように、ビニールテープを貼る(柄対のマスキングテープなどを使ってもよい)
3.(1)の側面に、ヘアゴムを通したときにまっすぐになるようにして2か所に穴を開ける
4.(3)で開けた穴にヘアゴムを通し、手が引っかかるような長さでカットして結ぶ

ヘアゴムを手にかけて音をならしてみましょう。本物のカスタネットのような音がします。好みの柄のマスキングテープを貼ってしまえば、ペットボトルを利用したなんて思えないような出来栄えになりますよ。

(実験4)メロディーを奏でてみよう
1.机の上などの平らな場所にタオルを敷く
2.敷いたタオルの上にペットボトルを5本立てておく
3.(2)のペットボトルにいろいろな量になるように水を入れる
4.ペットボトルの口の部分をスプーンでたたき音の違いを確認する

ペットボトルに入れた水の量によって、高さの違う音が聞こえたことがわかりますね。ペットボトルの水の量を調整すれば、メロディーを奏でる楽器になります。この楽器の作り方は、次の動画でもご紹介していますので、実験の前に確認してみてくださいね。

ペットボトルで楽器を手作りするときのポイント

・カッターなどの刃物を使うときにはケガをしないように注意しよう
・出したい音の高さに合わせて水の量を少しずつ調整しよう
・異なる形状のペットボトルを使用してみると音がどう変化するか試してみよう
・ペットボトルの中に入れるもので音がどう変化するか試してみよう

ペットボトルに入れた水の量で音の高さが変わる仕組み

ペットボトルを使って、さまざまな音を出せることがわかりましたよね。単純な打楽器だけではなく、ペットボトルの中の水の量を変えるだけでメロディーを奏でることができる楽器まで作ることができました。同じペットボトルを使っても、いろいろな種類の音を作り出すことができた仕組みについて考えてみましょう。

音が出るのはなぜ?

そもそも「音」が出るのはなぜなのでしょうか。音は、物体の震え(振動)が空気の波を作ることで耳に届き、聞こえます。つまり、音の元は物体の振動ということができます。

説明のために太鼓を例に挙げてみましょう。太鼓をたたくと、革が振動しますね。革の振動をスローモーションで考えてみましょう。革が震えてへこんだとき、革に隣り合う空気は引っぱられて空気分子の密度が薄くなります。次に、革は震えているので今度は上に膨らみます。すると、革に隣り合う空気は押されて圧縮されるため、空気分子の密度が高くなります。このように、太鼓の革が震えている間、隣り合う空気は押されたり引っぱられたりして分子の疎密を繰り返す波を作ります。この波は、空気を伝わって耳に届き、私たちの鼓膜を振動させることで音として聞こえてくるのです。

また、振動を伝えるものは空気だけではなく、液体や固体でも音は伝わります。水中にいても外の音楽が聞こえますし、糸電話の糸が音を伝えて話ができることもご存じですよね。そして、音の振動を伝えるものが何もない状態の場合には音は伝わりません。そのため、真空状態の宇宙では音は聞こえないのです。

音の3要素

音について考えるとき、音の大小、音の高い低い、音色について話をすることがあります。私たちは、これらの3つの要素によって音を識別しているのです。では、こうした違いはどうして生じるのでしょうか?

まず、「音波」について説明しましょう。音は振動によって伝わりますが、この振動の波のことを「音波」といい、山と谷が連続するような波の形で表されます。波の山と山の間、もしくは谷と谷の間の長さを「波長」といい、山の高さ、もしくは谷の深さを「振幅」といいます。さまざまな音の特徴は、この波長と振幅の組み合わせによって決まるのです。

音が大きい、小さいとは

音の違いでわかりやすいのは大きさです。太鼓を思いっきりたたくと、太鼓の革は激しく振動して大きな音が出ますね。つまり、よりたくさんの空気分子を揺らしたということです。この様に、たくさんの空気分子を揺らせば音は大きくなり、少ししか揺らさなければ音は小さくなります。音波でいうと、振幅が大きければ音も大きくなり、振幅が小さければ音も小さくなります。

音が高い、低いとは

音は、空気分子に疎密の波を作って伝わります。つまり、空気の圧力の高いところと低いところが連続して繰り返しながら伝わります。そして、音の高さと低さの違いは、この波の繰り返し回数によって決まるのです。一定時間あたりの繰り返し回数が多いほど音は高く、少なければ音が低く聞こえます。音波でいえば、波長が短く一定時間あたりの回数が多い場合に音は高くなり、波長が長く回数が少なければ音は低くなります。一般的に、1秒間あたりに何回波長があらわれたかを「周波数」によって表します。

音色ってなんだろう

同じ大きさで、同じ高さの音であったとしても、演奏する楽器が違うと全く違う音に聞こえますよね。それは「音色」の違いです。もしも違う楽器であったとしても、同じ音の高さと大きさであれば、振幅と周波数も同じになります。それでも楽器ごとに音色が違って聞こえるのは、音波の形が違うからなのです。

ペットボトルの水の量と音の高さの関係

では、ペットボトルの水の量が違うとき、ペットボトルをたたいた音の高さが変わるのはなぜなのでしょうか?

まず、空のペットボトルをたたくと、ペットボトルの中の空気が振動して音が出ます。このとき、ペットボトルの中身は空なので、ペットボトルはよく振動します。つまり、振動回数が多くなり、高い音になります。

次にペットボトルに水を入れてたたくとどうなるでしょうか。ペットボトルの中の空気は振動しますが、水によって音波が緩和されてしまいます。ペットボトルを手で押さえながらたたくと、短く鈍い音がしますね。それと同じで、水がペットボトルの振動を邪魔してしまうのです。

この音波の緩和は、水の量が多くなるほど強くなり、音波の波形は緩やかになり、周波数が少なくなります。そのため、水の量が多くなるほど音が低くなるのです。

特別な道具がなくてもできる!ペットボトルの手作り楽器で自由研究

自由研究というと、どんなテーマにしたらいいのか迷うことも多いでしょう。実は身近な事象に着目し、理由や仕組みを調べながら仮説を立てて実験をしていくことで、充実した自由研究にすることができます。ペットボトルを使った楽器は、アイディア次第で作り方も多様なので、自由な発想で実験してみてくださいね。

参照:
大阪教育大学 『音を科学する 音ってなに?』
https://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~masako/exp/oto/index2/seisitu2.html

ヤマハ 『Better Sound for Commercial Installations Part 1: Sound Basics 01音の仕組み』
https://jp.yamaha.com/products/contents/proaudio/docs/better_sound/part1_01.html

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