テニスのルール ラブって何?なぜコートにラインがたくさんあるの?
公開日: 2024/02/02
競技としてもレクリエーションとしても人気の高いテニス。しかし、未経験の方にとっては、ルールがよくわからないことも珍しくありません。この記事では、テニスの基本的なルールや、0をラブと呼ぶ独特な点数の数え方の理由、コートや道具の規定などを解説します。
- 目次
- 点数の0がラブ??テニスの基本ルール
- コートにラインがたくさんあるのはなぜ?テニスコートについてのルール
- 大会ごとにウエアのルールが違う!?テニスの用具についてのルール
- 硬式テニスと軟式テニスは何が違うの?
- ルールを知ってもっとテニスを楽しもう!
点数の0がラブ??テニスの基本ルール
まずは、試合の流れや勝敗の決め方などのテニスの基本ルールや、点数の数え方などを説明します。
試合の流れ
コイントスやラケットトスを行い、選択権を得た側がサーブ権かレシーブ権、エンド選択権のいずれかを選び、試合を開始します。
サーブ権を得た選手がサーブを行います。既定のエリア(サービスボックスまたはサービスコート)にボールが入らなかった場合は「フォルト(失敗)」となります。フォルトが2回で「ダブルフォルト」となり、相手に得点が入ります。
ネットに当たってからサービスボックスに入った場合は「レット」となり、そのサーブはやり直しです。
サーブ後はどちらかがポイントを取るまで互いにボールを打ち合います。ノーバウンドまたはワンバウントで相手コート内に返球できないと、相手側に得点が入ります。それぞれ得点を重ね、既定のセット数を先に取ると勝利となります。
点数の数え方
テニスの点数は、0(ラブ)から始まり、1ポイントごとに15(フィフティーン)、30(サーティ)、40(フォーティ)と増えていきます。4ポイントを取ると「ゲーム」となり、そのゲームを取ったことになります。
なぜこのような独特な数え方になったのでしょうか。
まず、0がラブと呼ばれている理由は諸説あります。
● 0の形が卵に似ていることから、フランス語の卵のl'oeuf(ラフ)が、英語で発音の近いlove(ラブ)になった
● loveにはかつて「何もない状態」という意味があったから
1ポイント、2ポイントという数え方ではなく15や30を使うことについても、いくつかの説があるといわれています。
● 時計の文字盤を4分割して、1周したらゲーム終了という数え方
● 当時一般的だった60進法(60ごとに位を上げる数の表記方法)を4分割する数え方
● 六分儀(天体などの高度や角度を測定する器械)を用いた考え方
● 5分単位の修道院の生活にならった考え方
しかし、いずれにしても、30の次は45になるはずです。これが40になった理由は、45(フォーティー・ファイブ)だと長すぎること。数えやすいように40(フォーティー)になった説が有力です。
カウントは、サーバー側の得点を先に読み上げます。例えば、サーバーが2ポイント、レシーバーが1ポイントの場合は「サーティー・フィフティーン」とコールします。
同じ点数の場合は「オール」となります。例えば、2ポイントずつで同点の場合は「サーティー・オール」です。
3ポイントずつになると「デュース」となります。デュースになった場合は、そこから2ポイント差を付けた方がゲームを取れます。
試合の進行を早めるためにデュースを用いない場合もあります。これを「ノーアドバンテージ方式」といい、この場合は4ポイント目を先取するとゲーム獲得です。
勝敗の決め方
テニスは、4ポイント取ると1ゲーム、6ゲームを取ると1セット、そして規定のセット数を取ると勝ちとなるのが基本です。ただし、セットを取るためには、2ゲーム以上の差をつけないといけません。
ゲーム数が6-6になった場合は、タイブレークを行います。タイブレークではポイントを1、2、3……とカウントし、先に2ポイント差以上を付けて7ポイント以上を獲得したら、そのゲームを取ることができます。
サーブは、1ポイント目は1本のみ、その後は2本ごとにサーブ権を交代します。セット数は、一般的に3セットマッチで行なわれ、2セット先取すると勝利です。
グランドスラム(国際テニス連盟が定めた4大大会)の男子シングルスのみ、5セットマッチが行われます。この場合は3セット先取すると勝者となります。
アマチュアの試合では、体力や時間を考慮して、1セットマッチで行われることが多くあります。
コートにラインがたくさんあるのはなぜ?テニスコートについてのルール
ここでは、コート上に複数あるラインの役割や意味、コートのサイズ、ネットの高さについて解説します。
ラインの種類
*ダブルスサイドライン
テニスコートの一番外側の縦に引かれているラインで、2対2で行うダブルスの試合で使用します。
*シングルスサイドライン
ダブルスサイドラインの内側に、縦に引かれているラインです。1対1で行うシングルスの試合で使用します。
*ベースライン
テニスコートの一番後ろにある、横に引かれているラインです。サーブはベースラインの外から打ちます。
*サービスライン
ベースラインと平行に、コートの中央寄りに引かれているラインです。
*センターライン
サービスラインよりネット側のエリアを、左右に2分しているラインです。シングルスサイドライン、サービスライン、センターラインで囲まれたエリアをサービスボックスと呼びます。
*センターマーク
センターラインの延長線上で、ベースラインの真ん中に引かれているラインです。センターマークとセンターラインの位置を基準にして、右側をデュースサイド、左側をアドバンテージサイドと呼びます。
コートのサイズ
テニスコートのサイズは、縦が23.77メートル、横が10.97メートルです。シングルスもダブルスも縦の長さは同じ23.77メートルです。横幅はそれぞれで異なり、シングルスが8.23メートル、ダブルスが10.97メートルとなっています。
ネットの高さ
ネットの高さは、中央部分が91.44センチメートルと決められています。ネットを取り付けるポストの高さは1.07メートルのため、コートの外側の方が少しネットが高くなっています。
大会ごとにウエアのルールが違う!?テニスの用具についてのルール
テニスには専用のユニフォームがありません。しかし公式戦では、規定に沿った服装や用具を用いなくてはいけません。具体的にどのようなものがあるか紹介します。
ウエアのルール
基本的なテニスウエアは、男性はゲームシャツとパンツ、女性はワンピースか、ゲームシャツとショートパンツまたはスコートと決められています。Tシャツやランニングシャツ、ジーンズなどを着用はできません。ロゴマークについても大きさや数が決められています。
ウエアの色は基本的に自由です。例外として、グランドスラムの1つであるウィンブルドンには、ウエアだけでなくテニスシューズにいたるまで白を基調とする「オールホワイトルール」があります。
ラケットのルール
ラケットの長さは最大で29インチ(73.66センチメートル)まで、横幅は最大で11.5インチ(29.21センチメートル)までと決められています。ボールを打つ面の長さは15.5インチ39.37センチメートル)までです。
一般的なラケットの長さは、大人用は27インチ(68.58センチメートル)、子供用は21、23、25、26インチと複数の大きさが販売されています。
硬式テニスと軟式テニスは何が違うの?
テニスというと、多くの方は硬式テニスを思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、学校の部活動では軟式テニス(ソフトテニス)を採用していることも多くあります。どちらもテニスなので大きな違いはありませんが、道具や一部のルール、ショットの仕方などが異なっています。
道具の違い
道具の違いでわかりやすいのはボールです。それぞれ以下のような特徴があります。
硬式:素材はゴムとフェルト。硬く、重い(約56グラム)
軟式:素材はゴムのみ。柔らかく、軽い(約30グラム)
扱うボールが違うので、ラケットも異なります。硬式の方がボールを打つときの衝撃が大きいため、重くて頑丈なラケットを使用します。
硬式:重い(300~350グラム)、打球面が広い、ガット(ストリング)強度が高い、シャフト(打球面とグリップを繋ぐ部分)が短い
軟式:軽い(200~250グラム)、打球面が狭い、ガット強度が弱い・シャフトが長い
ルールの違い
硬式でも軟式でも基本的なルールは同じですが、ポイントの数え方やサーブの順番などが異なります。
【ポイントの数え方】
硬式:0・15・30・40・ゲーム
軟式:0・1・2・3・ゲーム
【サーブの順番】
硬式:1ゲームごとにサーブを打つ選手が交代する
軟式:2ポイントごとにサーブを打つ選手が交代する
ショットの違い
利き腕側で打つことをフォアハンド、反対側で打つことをバックハンドと言いますが、硬式と軟式では特にバックハンドのショットに違いがあります。
硬式:フォアハンドとバックハンドはラケットの反対の面を使います。バックハンドでは手の甲を正面に向けて両手で打つのが基本です。
軟式:フォアハンド、バックハンドともにラケットの表面のみを使います。バックハンドは手の平を正面に向けて片手で打ちます。
ルールを知ってもっとテニスを楽しもう!
テニスのルールは、カウントの仕方や用語など一部わかりにくいかもしれませんが、回数を重ねればすぐに覚えられると思います。プレーする方も、試合を観戦する方も、ぜひこの基本ルールを参考にしてください。
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