台風はどこで発生してどこに移動するの?台風の発生の仕方は?

公開日: 2024/02/28

日本では近年毎年のように台風が上陸し、各地に大きな被害をもたらしています。台風がどこで発生してどのように移動するかは、災害が起こる場所や規模に大きな影響を与えます。そこで、台風がどのように発生するのか、そしてどこに移動するのかについて解説します。

目次
台風はどこで発生するの?
台風はどうやって発生するの?
台風の動きはどのように決まる?
台風とサイクロン、ハリケーン、タイフーンはどう違う?
台風は熱帯地域の海上で発生して風の流れで動いていく!

台風はどこで発生するの?

日本列島の近くを通過する台風は、一体どこで発生しているのかと疑問を持っている人もいるでしょう。台風が発生するのは熱帯の海上です。そのなかでも、赤道よりも北で、東経180°よりも西の区域や南シナ海に存在するものが台風と呼ばれます。

台風の発生しやすさとして、次の3つの条件があります。
● 海水温が高い海域で発生する
● 陸上では発生しない
● 赤道付近では発生しない

これらの条件から、日本列島を通過する台風は北西太平洋や南シナ海での発生がほとんどだといえます。

台風はどうやって発生するの?

台風がどのように発生するのかについて、台風の誕生から消滅までの流れをご紹介します。

水と風が台風を作る仕組み

台風が発生するのは、海水温が26.5℃以上ある温かい海域です。もともと温かい海水は、太陽に照らされるとその熱で蒸発します。暖められた空気は上空にあがっていく性質があるため、熱帯の海上でも水蒸気を含んだ空気がどんどん上空にあがっていきます。

しかし、ずっと空気があがっていくわけではありません。上昇気流によって高くのぼった空気は、次に上空の冷たい空気で冷やされます。急に冷やされた空気は、水滴を含んだ雲になります。そして、湿った空気を取り込みながら雲は大きくなり、雨や雷をもたらす積乱雲へと発達していくのです。

水蒸気を含んだ空気が雲になるとき、熱を発してまわりの空気を暖める現象が起こります。暖められた空気の下は気圧が下がった状態になります。雲が大きくなればなるほど気圧はどんどん下がっていくのです。こうして発達した低気圧が、台風のもとになる熱帯低気圧の正体です。

台風が生まれてから消滅するまでの流れ

台風の寿命は平均で5.2日といわれています。台風が生まれてから消滅するまでの流れを大きく分けると、次の4つの段階があります。

①発生期:水蒸気を含んだ雲ができあがり、熱帯低気圧になる
②発達期:熱帯の海上でどんどん雲が大きくなる
③最盛期:風が強くなり、南から北へ向かって進み始める
④衰退期:力が弱くなって温帯低気圧になる

台風の勢力が弱くなる理由

台風は発生から数日経つと消滅していきます。なぜ台風の寿命は数日間で終わってしまうのでしょうか。台風のエネルギー源は水蒸気です。熱帯の海上で水蒸気を含んだ空気を取り込んで、どんどん大きな雲を作っていきます。しかし、台風の勢いが増し、移動していくと、水温が低い海や水蒸気があまりない陸上にも移動していきます。すると、台風は水蒸気を取り込めなくなるため、どんどん勢力が弱くなっていくわけです。

台風の動きはどのように決まる?

台風の動きによって日本列島に上陸するかどうかが決まります。このため、夏から秋にかけての台風シーズンには、天気予報で台風の進路予想についての解説をよく見聞きするでしょう。そこで、台風の動きがどのように決まるのかを解説します。

台風の動きは上空の風の影響が大きい

台風を思い浮かべるとき、台風の目を中心にぐるぐると渦を巻きながら進んでいく様子をイメージする人が多いでしょう。実際に台風は気圧の作用によって反時計回りに渦を巻きながら、水蒸気をたっぷり含んだ空気を取り込んでいきます。

しかし、日本列島に上陸するかどうかについては、台風が自分で決めているわけではありません。台風の動きは上空の風の流れによって決まるからです。

夏になると日本に台風がやってくる理由

台風は夏だけに発生するものだと思っている人も多いのかもしれません。夏から秋にかけて台風は日本列島によく上陸するからです。この時期の台風は緯度が高い位置で発生し、偏西風に乗って北東に進みます。このため、日本に近付くことが多くなるのです。

しかし、実際には台風は季節を問わず熱帯の海上で発生しています。冬や春に発生した台風は東から吹く風によって、フィリピンやベトナムなどに進みます。このため、日本に上陸することはほとんどありません。

台風とサイクロン、ハリケーン、タイフーンはどう違う?

台風と同じように強い風雨をもたらすものに、サイクロンやハリケーン、タイフーンがあります。言葉が違うだけで同じものを指していると思っている人もいるかもしれませんが、それぞれの定義は異なります。

台風の定義

台風とは、熱帯の海上で発生した熱帯低気圧の1つで、日本の気象庁が独自に定義したものです。熱帯低気圧のなかでも北西太平洋か南シナ海にあり、かつ低気圧域内の最大風速が秒速17メートル以上のものが台風と呼ばれています。

サイクロン、ハリケーン、タイフーンの定義と違い

サイクロンとハリケーン、タイフーンの違いは以下の通りです。

● サイクロン
ベンガル湾やアラビア海など、北インド洋で発生した、最大風速が秒速17メートル以上の熱帯低気圧
● ハリケーン
北大西洋やカリブ海、メキシコ湾など北東太平洋で発生した、最大風速が秒速33メートル以上の熱帯低気圧
● タイフーン
台風と同じ北西太平洋で発生した、最大風速が秒速33メートル以上の熱帯低気圧

このように、サイクロンやハリケーン、タイフーンは同じ熱帯低気圧ですが、発生した場所や勢力の強さによって名前が異なります。

台風は熱帯地域の海上で発生して風の流れで動いていく!

毎年のように日本に上陸して、各地に被害をもたらす台風。台風は熱帯の海上で発生し、地上付近の風の流れによって移動します。日本では夏から秋にかけて台風のニュースが増えますが、実際には季節を問わず台風は発生しています。しかし、台風を日本に近づける風が冬や春は吹かないため、この時期に日本で台風の被害が起こることはほとんどありません。

台風のシーズンが到来する前に、ぜひ避難場所や防災用品を確認して、台風への対策をしっかりとっておくと良いでしょう。台風の寿命は5日程度といわれています。台風が発生したというニュースを見たら、風の向きや進路に注意して自分の住んでいる地域を通過するかどうかを確認しましょう。

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