風船でロケットを作ろう!作成手順と遠くまで飛ばすコツ
公開日: 2019/06/26
ゴム風船をそのまま投げても、たいして飛ばずに地面に落ちてしまいます。ところが、空気を入れて膨らませることによって前に飛んでいきます。さらに、工夫をすればより遠くへ勢いよく飛ばすこともできます。簡単な工作で科学実験ができる風船ロケットは、低学年のお子さんでも楽しみながら学ぶことができます。今回は、どうして風船ロケットが飛ぶのか、どうやればより遠くに飛ぶのかを確認するための実験方法をいくつかご紹介します。
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風船ロケット作りに必要な物
・細長風船(破けてしまうこともあるので多めに用意しましょう)
・ポンプ
・画用紙
・はさみ
・両面テープ
風船ロケットの作り方、飛ばし方
作り方
1.細長風船にポンプで空気を入れ、口をしっかりと縛ります。
2.画用紙を切り抜き、おもり3枚と、はね4枚を準備します。
3.おもりとはねに両面テープを貼り、風船に貼る準備をします。
4.細長風船におもり3枚を巻き付けるように貼ります。
5.おもりを付けた方と反対側に、細長風船の筒にそってはね4枚が90度ずつ離れるように貼ります。
6.細長風船が曲がっている場合は、まっすぐになるように整えます。
7.細長風船を真ん中の点で支え、左右のバランスがとれるようにおもりの位置をずらして調整します。
飛ばし方
(実験その1)長風船を膨らませただけで飛ばしてみよう
作り方1.の状態で、膨らませただけで何も付けていない風船ロケットを前に投げてみましょう。そのままだとふわふわとしてしっかりと前に進まず、すぐそばに落下してしまいます。
(実験その2)おもりとはねを付けて飛ばしてみよう
風船ロケットを前に飛ばすために少し工夫してみましょう。風船ロケットにおもりとはねを付けた状態で前に投げて見ると、(実験その1)のときとは違って、きちんと前に飛ばすことができます。
(実験その3)回転させながら飛ばしてみよう
風船ロケットのはねを同じ方向に折り曲げて投げてみましょう。すると、(実験その2)のときよりもさらに勢いよくまっすぐ飛ばすことができます。
(実験その4)おもりの重さを変えてみよう
風船ロケットに貼り付けたおもりの数を増やしてみましょう。飛ぶ距離に変化があったか、おもりが軽いときと重いときのどちらの方が遠くまで飛んだのかを観察してみましょう。
(実験その5)はねの大きさを変えてみよう
風船ロケットに貼り付けたはねの大きさを変えてみましょう。飛ぶ距離に変化があったか、はねの大きさが大きいときと小さいときのどちらの方が遠くまで飛んだのかを観察してみましょう。
(実験その6)飛ばし方を変えてみよう
風船ロケットの後ろ(お尻)の部分を指で押してへこませてから離して飛ばしたり、風船ロケットを持ったまま後ろを軽くたたいて飛ばしたりして、どちらの方がより遠くまで飛んだかを観察してみましょう。
(実験その7)形を変えてみよう
風船ロケットの先の部分に画用紙で円すいにしたノーズコーンを貼ってみましょう。ノーズコーンの有無によって、飛ぶ速さや距離に違いがでるかを観察してみましょう。
風船ロケットで子供と遊ぶときのポイント
いろいろな飛ばし方で実験し、なぜ遠くまで飛ぶのかを考えてみよう
風船ロケットがより遠くまで飛ぶための条件を確認するために、いろいろな飛ばし方に挑戦してみることが大切です。まずは、どうやれば遠くまで飛ぶのか、何が関係しているのかを考えて予想してみましょう。次に、予想した条件を確認するために、どんな条件を変えれば確認できるのかも考えて実験し、結果を比較してみましょう。
風船ロケットはなぜ飛ぶの?
風船のままだと遠くまで飛ばないのに、風船ロケットにすると飛ぶのはなぜでしょうか?
それを考えるために、まず、飛行機が空を飛ぶのはなぜかを考えてみましょう。
飛行機が空を飛んでいるとき、その周りの空気はどうなっているのかというと、飛行機の形にそって流れています。空気は物体の周りをその形状にそって流れる性質があるので、もしも翼が下向きになっていれば空気も下向きに流れます。
飛行機の翼や、鳥の翼がどんな風になっているかを思い出してみると、下向きに傾いていますよね。こうして、翼が空気を下の方に向かって押し下げると、「作用反作用の法則」によって、同じだけの力が反対の方向に向かって働きます。そのため、上向きの「揚力」が発生し、飛行機などの物体は浮かびあがるのです。
風船ロケットも同じく揚力によって飛ぶことができます。膨らんでいない風船は、軽すぎて前に進まないことと、その形のために空気の流れを作ることができず、揚力が発生しないので飛ばないのです。
ということは、揚力をうまく発生させ、なるべく長く維持させることができれば、より遠くまで風船ロケットが飛び続けることができる、というわけなのです。
遠くまで飛ばすポイント1:バランス
鳥が翼を動かさないで広げているだけなのに、旋回し続けているのを見たことはありませんか?また、ハンググライダーやパラグライダーといったスポーツでも、バタバタと羽根をばたつかせたりしないのにいつまでも長く飛び続けていられます。そのポイントになるのは「バランス」です。
例えば、風船ロケットのおもりの位置をずらして飛ばしてみると、すぐに落下してしまいます。これは、ロケットの羽根とのバランスが悪いためにロケットの軌道が下向きになってしまったためです。つまり、重心の位置がちょうどいい場所にくるようにしてあげれば、まっすぐに飛ぶようになるため、長く飛ばすことができます。
遠くまで飛ばすポイント2:空気抵抗
飛行機や鳥のくちばしは先の方が細くなった形をしていますね。こうすることで、空気抵抗を少なくして上手に空気を後ろの方に流して揚力を得ることができ、さらに空気抵抗による摩擦が減るために長く飛び続けることができるのです。そこで、風船ロケットの先に、円すい形の画用紙を貼り付けるなどして空気抵抗を減らすと、より遠くまで飛ばすことができます。
遠くまで飛ばすポイント3:重さ
風船ロケットは、一度発射すると徐々に速度が落ちてきて最後は落下します。ロケットの速度が遅いと、飛行距離が伸びないうちに落下してきてしまうため、遠くまで飛びません。
物を投げたときの速度は、重さや投げるときの力によって変わります。つまり、風船ロケットを重くしてみたり、発射するときに、より大きな力で発射させたりすることができれば、速度がより早くなって、落下するまでの飛行距離は長くなります。
ただし、あまりに重量を重くしてしまうと、発射するために必要なエネルギーも増えてしまい、このエネルギーが足りないとスピードがでません。軽いボールなら早く遠くまで投げられるのに、鉄の球はほんの数メートルしか投げられないのと同じです。
風船ロケットのおもりの数を変えるなどして、発射する力とのバランスのよい重さを調べてみるのもよいでしょう。
風船ロケットの科学実験をするときの注意点
ロケットを飛ばすときは、周囲に人がいないか、壊れやすいものが無いかを確認してから飛ばしましょう。
道路や駐車場などで飛ばしてはいけません。広い公園や広場などで実験するようにしましょう。
風船ロケット作りの参考動画
この動画では、(実験その1)~(実験その3)までの手順と、風船ロケットがどのように飛んだかを確認することができます。どんな条件を変えてみたら風船ロケットが遠くまでまっすぐに飛んだのか、それはどうしてかな?ということを考えながら見てみましょう。
風船ロケットなら競争しながら自由研究になっちゃう!?
風船ロケットは簡単な材料ですぐにできる実験で、子供同士でどこまで飛ばせるかを競争したり、的に当てるように飛ばしたりとゲーム感覚で楽しめるのもポイントです。中学生のお子さんであれば、飛行機が飛ぶ仕組みや、空気抵抗、慣性の法則などについて調べてみて、仮説を立てるのに役立てたり、考察をまとめてみたりするとよいでしょう。
<参考>
テレビ大阪『どこまで飛ぶのか!?手作り風船ロケット』
http://www.tv-osaka.co.jp/ip4/muchami2014/housou/1211666_7701.html
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