ソフトボールのルールは野球と同じ?試合の基本や用具のルール

公開日: 2023/12/29

ソフトボールは野球から派生したスポーツです。そのため基本的なルールはほとんど同じですが、独自のルールもいくつか存在します。この記事では、ソフトボールのルールや用具について、野球との違いにも触れながら解説します。

目次
ソフトボールは何人で試合をするの?基本のルール!
ボールは黄色?ソフトボールの用具や競技場のルール!
野球との違いは?知ればもっと楽しい!ソフトボールならではのルール
ソフトボールならではのルールを覚えよう!

ソフトボールは何人で試合をするの?基本のルール!

まずは試合の人数や、ポジションなどの基本ルールをご紹介します。

試合の人数

ソフトボールは1チーム9人で戦います。ただし、指名選手(DP)が採用されている場合は、先発メンバーが10人です。指名選手についてはのちほど解説します。

ポジション

ソフトボールには、9種類のポジションがあります。名前や主な役割は野球と同じです。

①ピッチャー(投手)
②キャッチャー(捕手)
③ファースト(一塁手)
④セカンド(二塁手)
⑤サード(三塁手)
⑥ショート(遊撃手)
⑦レフト(左翼手)
⑧センター(中堅手)
⑨ライト(右翼手)

1試合の回数

ソフトボールの1試合の回数は7回です。ただし、3回で15点、4回で10点、5回以降で7点以上の差が生じた場合はコールドゲームとなり、試合は終了します。7回が終わっても同点の場合は延長戦を行います。

攻守が交代になる条件

ソフトボールの試合では、野球と同じように、アウト3回で攻守を交代します。ストライクを3回取る、バッターが打ったボールを地面に落ちる前に捕る、攻撃側が塁を踏む前に守備側がボールを持った状態で塁を踏む、などがアウトになる条件です。

点数が入る条件

バッターが一塁、二塁、三塁の順に進み、本塁(ホームベース)に戻ってくると1点を獲得できます。

ストライクゾーンの規定

ストライクゾーンは、「ホームベース上」で、「バッターが自然に構えたときのみぞおちから膝の下部の間の空間」です。

高さは、ボールの最上部がストライクゾーンの一番上に接するか、それより下を通過すればストライク。ボールの最下部がストライクゾーン一番下に接するか、それより上を通過すればストライクになります。

内外は、ホームベースを真上から見たときに、ボールがホームプレートに接していればストライクです。

ボールは黄色?ソフトボールの用具や競技場のルール!

次に、ボールやバットなどの用具や、競技場の大きさなどのルールをご紹介します。

バットの長さ

バットの長さは86.4センチメートル(34インチ)以内、重さは1077グラム(38オンス)以内、太い部分の直径は5.7センチメートルと決められています。金属バットが主流ですが、木、竹、カーボン、合金、セラミックなどさまざまな素材のバットが存在します。

バットの持ち手の先端(グリップエンド)から25.4〜38.1センチメートルの範囲で、滑り止めの安全グリップを巻くことが定められています。

グローブの色

ピッチャーはボールと同じ色のグローブや革紐の使用が禁止されています。つまり、白いゴムボールでプレーするときは白いグローブが、黄色い革のボールでプレーするときは黄色いグローブは使えません。他の選手のグローブには色の規定はありません。

ボールの大きさや色

ソフトボールのボールは、周囲30.2~30.8センチメートル(12インチ)、重さは177.5~198.8グラム(6.5~7オンス)です。野球のボールは周囲が23センチメートル、重さ145グラム前後なので、大きさ重さ共に、ソフトボールが上回っています。

素材は革とゴムの2種類があります。国際大会やトップリーグでは、黄色い革に赤い縫い目のイエローボールを使っています。国内では、高校生以下は白いゴムボール、社会人も多くがゴムボールでプレーしています。

ハーフバック(HB)/ テールバック(TB)

最もボールを持って走るプレーが多いポジションです。この2つをまとめてランニングバックと呼ぶこともあります。

テールバックは、クォーターバック、フルバックと共に縦1列に並ぶ配置のときに、1番うしろの尾の位置(テール)に構えるため、そう呼ばれるようになりました。

尾の位置ではなく、フルバックと横並びになる場合は、ハーフバックと呼びます。相手の守備の穴をうまくすり抜けるテクニックや、タックルを受けながら走れる足腰の強さが求められるポジションです。

ユニフォームの指定

ユニフォームは、選手、監督、コーチ全員が同じ色やデザインのものを着用しなくてはいけません。スライディングパンツやアンダーシャツも同色で統一する必要があります。

背番号は、キャプテンが10、監督が30、コーチが31・32です。キャプテン以外の選手は、1〜99までの番号のいずれかをつけられます。

競技場の広さ

国際ルールでは、ホームベースから外野フェンスまでの距離は、女子が67.06メートル(220フィート)以上、男子が76.20メートル(250フィート)以上と定められています。日本ではこの距離を確保できない既存施設があります。そのためJSA(公益財団法人日本ソフトボール協会)は、国際ルールよりも短い距離のまま試合をしています。

ピッチャープレートからホームベースまでの距離は、女子が13.11メートル(43フィート)、男子が14.02メートル(46フィート)です。ピッチャープレートを中心として半径2.44メートル(8フィート)のピッチャーズサークルがあり、ピッチャーはこの円の中から投球します。地面は平坦で、野球のような小高くなったマウンドはありません。

塁と塁の間は、18.29メートル(60フィート)です。野球よりも塁間が約9メートル短くなっており、よりスピーディーな連携プレーが生まれやすくなっています。

野球との違いは?知ればもっと楽しい!ソフトボールならではのルール

ソフトボール特有のルールや知識を、野球との違いも踏まえながらご紹介します。

投球フォーム

ソフトボールのピッチャーは下手投げで投球します。投げるときは手と手首が体の横を通過しながらボールを離さないといけません。野球のように肩より上から投げたり、横投げをしたりするとルール違反になってしまいます。

投法

ソフトボールでは「ウインドミル」という投げ方が一般的です。腕を大きく1回転させた遠心力を利用する投法で、スピードが出やすいのが特徴です。バッターを惑わすために腕を何度も回すことは禁止されています。

他には「スリングショット」という、ソフトボールの原点ともいえる投げ方もあります。
腕を大きく振り上げ、それを振り戻して下で投げる投法で、腕は回転させません。スピードが出にくく、ボールを握っている手が打者に見えやすいため、現在ではほとんど見られなくなりました。

タイブレーク制

点が入りやすい状況を作り出し、早く勝敗をつけるためのルールです。7回を終えても同点の場合、8回以降はタイブレーク制の延長戦を行い、勝負が決まるまで1回ずつ続けていきます。

前の回で最後の打者だった選手を二塁走者とし、ノーアウト二塁の状況から始めます。二塁走者に代走を送ることも問題ありません。

ダブルベース

選手の接触事故を防ぐために採用されたのがダブルベースです。

白色とオレンジ色の2つのベースが一体化されたもので、白色を一塁のフェア地域に、オレンジ色をファウル地域に設置します。守備側選手は白色ベースを、打者走者はオレンジ色ベースを使うことにより、接触を回避しやすくなりました。

ただし、一塁で止まらずにそのまま二塁に向かうとき(オーバーラン)や、走者になったあとに帰塁するときは、白色ベースのみを使用します。

走塁ルール

ソフトボールでは野球のようにリードが認められておらず、ピッチャーの手からボールが離れるまで、走者は塁にいなくてはいけません。先に塁から離れるとアウトになり、これを「離塁アウト」といいます。

選手の交代

先発の選手には、1度交代したあとにもう1度出場できる「リエントリー」制度があります。ただし、再出場できるのは1度のみで、自分と交代した選手と代わる場合に限られます。

指名選手(DP)

指名選手(DP)とは、攻撃をメインとして起用される選手です。基本的には守備にはつきません。DPを使う場合は、守備をメインで行う選手(FP)も決めます。

野球には、ピッチャーの代わりに打席に立つ、指名打者(DH)の役割があります。DPはピッチャー以外の選手にもつけること、場合によっては守備もできることが、大きな違いです。DPは先発時に採用が必要で、途中から発生させることはできません。

テンポラリーランナー

2アウトの状況でキャッチャーが塁上にいるときは、キャッチャーの代わりにテンポラリーランナーを使うことができます。テンポラリーランナーは、塁に出ている選手以外で、打順が1番最後の選手がなります。交代するかしないかは攻撃側のチームが自由に選択できます。

ソフトボールならではのルールを覚えよう!

ソフトボールの基本的なルールについて解説しました。野球とのルールの違いや、独自のルールなどもわかると、より楽しめるようになるのではないでしょうか。これから試合を観戦する方も、ソフトボールを始める方も、ぜひ参考にしてください。

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