ペットボトル風車の作り方と注意点|簡単にできて、見て楽しい!

公開日: 2019/08/09

畑や庭先に手作りのペットボトル風車があるのをよく見かけます。風車がくるくると回っていると、風を感じて涼しげな気分になることもありますよね。形が複雑そうなので作るのが難しいと思うかもしれませんが、ペットボトルで簡単に作ることができ、夏休みの自由研究におすすめです。今回は、ペットボトル風車の作り方や注意点、実験のバリエーションをご紹介します。

目次
ペットボトル風車の材料と道具
ペットボトル風車の作り方
ペットボトル風車を子供と一緒に作るときの注意点
ペットボトル風車の使い方
ペットボトル風車作りの参考動画
ペットボトル風車の理科実験を通してエコロジーについて話し合ってみて

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ペットボトル風車の材料と道具

基本的な材料をご紹介します。実験内容によって変わることもあるので、その場合にはそれぞれの実験手順の中でご紹介していきます。

・ペットボトル(500ml)
・ストロー
・カッター
・ペンチ
・ハサミ
・キリ
・マジック
・針金ハンガー

ペットボトル風車の作り方

(実験1)ペットボトル風車が回る様子を観察しよう

1.ペンチを使って針金ハンガーを伸ばす
2.ペットボトルのふたと底の部分に、(1)で伸ばした針金が回る程度の余裕がある穴を開ける
3.ペットボトルのキャップにマジックで色をつける
4.ペットボトルの側面に沿って切り込みを入れる、後で羽根にするときに角度をつけるため、側面の上下1.5cm以上開けるようにする
5.切り込みの部分を外側に向かって斜めになるように折り曲げる
6.(2)で開けた穴に針金を通し、ペットボトルのふたと底を貫通させる
7.ペットボトルが針金から抜けないよう、ふたと底から出た針金を折り曲げる(針金が通る穴のビーズを針金に接着し、抜け止めに使っても良い)
8.ペットボトルの底側の針金をストローに通す

扇風機の風に向けたり、屋外で風に当てたりして風車が回ることを確認しましょう。たとえ風が弱かったとしても、風車は速く回転することがわかります。なぜでしょうか?

風車の羽根に風が当たると、風が羽根を持ち上げようとする力が発生します。この力は、「揚力」といって、飛行機が浮かび上がることができるのもこの力のためです。風車の場合は、揚力で持ち上がろうとする羽根が軸につながって固定されているため、持ち上がることができず、回転する力になります。揚力が無ければ、羽根は風に押される力の分しか回転しませんが、揚力が発生することによって、風が羽根を押し回そうとする速さの数倍から数10倍もの速さで羽根を回転させることができるようになります。そのため、弱い風でも徐々に高速で回るようになるのです。

(実験2)ペットボトル風車の大きさを変えたらどうなるかな?

風車をもっと速く回転させるには、どうすればいいでしょうか?羽根に風が当たって揚力が発生するのであれば、もっと大きな羽根にすれば回転する速さが変わりそうです。ペットボトルのサイズをもっと大きなものにして、(実験1)と同じ要領でペットボトル風車を作り、風車の回転する様子を比べてみましょう。大きな風車の方が速く回転することがわかるでしょう。揚力は、風を受ける羽根の面積が大きいほど大きくなります。そのため、同じ風の強さでもより大きな風車の方が回転する力が強くなるのです。

(実験3)羽根の数は多い方と少ない方どっちがよく回転する?

では次に、羽根の数を変えてみるとどうなるでしょうか?同じ大きさのペットボトルを利用して2つの風車を作ります。片方は6枚の羽根、もう片方は3枚の羽根にします。同じ風の強さで実験ができるように、室内で扇風機の風に当ててみましょう。

風の強さが弱いときは、羽根の数が少ない方が速く回転します。羽根の数が多いとそれだけ風車の重量が重くなり、弱い風から発生する揚力では回転させる力が弱くなってしまうためです。ところが、風を強くすると羽根の数が多い風車の方が速く回転することがわかります。これは、風が強くなった分だけ風車の重量を持ち上げるだけの揚力が発生したことと、羽根の数が多いことによって風車全体で受ける揚力が大きくなり回転する力も強くなったためです。
このように、羽根の数や風の強さによって風車が回転する速度に違いが出てきます。

(実験4)ペットボトル風車で風力発電をしてみよう

追加で必要な道具
・発電用モーター
・豆電球
・豆電球ソケット
・ペットボトル2本(土台用と風車用)

1.豆電球ソケットに豆電球を取り付ける
2.発電用モーターと豆電球ソケットのコードをつなげる
3.土台となるペットボトルのふたを取って、飲み口にビニールテープなどで発電用モーターを取り付ける
4.(実験1)の要領でペットボトル風車を作り、風車になる側のペットボトルのふたの穴に発電用モーターの軸を差し込んで取り付ける

風の強さや、ペットボトル風車の羽根の数を変えて回転する速度を変えたときに、豆電球の明るさがどう変わるのかを観察してみましょう。風車の回転が速くなればなるほど豆電球は明るくなるでしょうか?

この仕組みは、今日の風力発電でよく使われている「プロペラ型」風車の仕組みと同じです。風力発電は、従来の主力発電方法である火力発電のように化石燃料やガスを使うのではなく、自然に発生する風力を使って電気を発生させることができる「クリーンエネルギー」として世界でも注目されています。

風力発電のように、自然から得られるエネルギーを使って永続的に利用できるエネルギーを「再生可能エネルギー」といいます。再生可能エネルギーによって、地球温暖化や石油などの天然エネルギーの枯渇、エネルギー原を排出国に頼らざるを得ないといった問題を解決することができるとして期待されているのです。

ペットボトル風車を子供と一緒に作るときの注意点

・子供がカッターやキリなどの刃物を扱う際には、大人は目を離さないようにしましょう
・かならず大人の人がいるときに実験をするようにしましょう
・子供がやっても、ペットボトルに穴が開かないときや切れないときは、無理をせずに大人に頼むようにさせましょう
・ペットボトル風車を設置するときはしっかりと固定し、飛ばされないようにしましょう
・実験が終わったら、ペットボトル風車を屋外に出しっぱなしにせずにしまいましょう

ペットボトル風車の使い方

ペットボトル風車は、私たちの生活の中で利用されています。どんな便利な使い方があるのか考えてみましょう。

・ベランダなどに置いて観賞用として使用する
ペットボトルに色を塗ったり、2つのペットボトル風車を重ねて羽根の数を多くして、ひまわりのような形にしたり、観賞用としても楽しめます。工夫次第でカッコイイものやかわいいペットボトル風車ができるので、ぜひ試してみてください。

・畑で鳥よけやモグラよけとしても活用できる
カラスや地中のモグラは、くるくると回転することによって生じる音や振動を嫌います。畑やベランダにペットボトル風車を設置していることを見かけるのは、そういう理由だったのですね。

ペットボトル風車作りの参考動画

次の動画では、(実験1)の手順や道具を確認することができますよ。最初に動画を見て手順を理解してから実験を行うようにするとスムーズに進めることができます。

ペットボトル風車の理科実験を通してエコロジーについて話し合ってみて

自分で工作したペットボトル風車が思ったように回転すると、子供も達成感を得やすく、良い思い出となるでしょう。風車で発電する仕組みは難しそうに思えますが、風力を回転する力に換えて発電することさえわかれば、数時間で完成させることができます。
小学校高学年や中学生の子供であれば、再生可能エネルギーにはどんなものを利用した種類があるのか、我が国ではどれくらいの量の電力を再生可能エネルギーによって発電されているのか、調べてまとめてみてもよいでしょう。この機会に、ぜひ家族で再生可能エネルギーやエコロジーについて話し合ってみてはいかがでしょうか。

参照:
関西電力 『ペットボトルの風車で「電気」がつくれる!?』
https://www.kepco.co.jp/brand/for_kids/teach/2017_06/index.html

一般社団法人 日本風力エネルギー学会(東京) 『ペットボトル・LED風車をつくって風力発電のしくみを知ろう!』
http://www.kagakunosaiten.jp/convention/pdf/2018/049.pdf

永久磁石・磁気応用製品ネオマグ株式会社 『風力発電の基礎シリーズ』
https://www.neomag.jp/mailmagazines/topics/letter201205.html

経済産業省 資源エネルギー庁 『なっとく!再生可能エネルギー』
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/outline/

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